見出し画像

「〇〇を変えるにはくじ引きしかない」とあなたは思いますか?

2023年が始まって早くも
1週間が経とうとしていますが、
あなたは先週、つまり元旦に
初詣へ行きましたか?

私は喪中なので……ですが、
行動制限も出ていなかったので、
行った人も多いのではないかと思います。

初詣といえばお参り、そしておみくじが目玉ですね。
迷信だと分かっていても、ついつい引きたくなりません?

ですが先日、あるものをくじ引きで
決めることが、結果としてイノベーションを
起こすという斬新な書き出しの本を、
見つけてしまいました。

さて、何をくじ引きで決めるのか、
あなたはわかりますか?正解は何と↓

「吉田徹著・くじ引き民主主義」

何と民主主義をくじ引きで決めれば
いいのではないか?というのです。

「いやいや、そんなことしたら……」

困惑せずにはいられないタイトルですね。
実際私も初めてみた時は

「いったいこの人は何を言ってるんだ?」

と思ってしまいました。ですがこういった本ほど、
注目を浴びたり売れたりするという、
謎の法則もあったりするので、
まんまと乗せられて読んでしまいましたよ。

著者について

さて、まずはいつものように
内容へ入っていく前に著者について、
少し解説していきたいと思います。

著者の吉田徹さんは1975年東京都生まれで、
慶應義塾大学法学部を卒業して、さらに
東京大学大学院総合文化研究科の
博士課程を修了後しています。

法律、政治のエキスパートと言っていい学歴ですね。

その後日本貿易振興機構パリセンター
パリ政治学院教授、ニューヨーク大学院研究員、
北海道大学法学研究科教授などを得て
現在は同志社大学政策学部教授を
務められています。やはりキャリアも
法律や政治関係が多い印象を受けますね。

本の内容はどうなっている?

では、法律、政治のエキスパートが書いた、
くじ引き民主主義とはいったい何なのか、
それについて今から触れていきましょう。

まず前書きには著者は、民主主義に欠かせない、
政治家をくじ引きで決めた方がいいのではないか?
と問題提起し、理由として現在の代表性民主主義が、
様々な要因で機能不全に陥っていることを挙げています。

その後本文において

  • 代表性民主主義の機能不全について

  • くじ引き民主主義が増えているという事実

  • 参加して議論する民主主義

  • くじ引きの歴史と哲学

  • 民主主義をスローにした方がいい理由

以上5点を章ごとに書いているのです。

民主主義の機能不全は、私も何となく
毎日の生活において感じていましたが、
後ろに続いているくじ引き民主主義とは、
何なのか、気になってきません?

現在の民主主義に疑問がある私は、
かなり中身が気になってきました。
ではどんな事が書かれているのか、それは↓

  • 1章では現在の代表性民主主義が

機能不全に陥っており、理由として、
政治の時間的制約や情報の非対称性による、
政治不信や無関心が主な原因として、
日本だけでなく世界中で起こっていることが、
説明されています。

  • 続く2章において、くじ引き民主主義の

具体的な説明が行われており、
おみくじのような適当に引いているわけではなく、
一定の条件を満たした環境を作り、
ある程度ふるい分けした上で
選ばれる人を絞る必要があるという、
解説がなされているのです、

  • 3章では2章で選ばれた代表者が、

それぞれの立場から国や社会を
小さく再現して議論を行い、
結論を導き出していくのが、
くじ引き民主主義であると説明されています。

  • 2~3章ではくじ引き民主主義の、
    利点について解説されてきましたが、
    4章では視点を変えてくじ引き民主主義の、
    歴史を紐解くことで、問題点について
    触れつつ、その上であらためて利点を
    説明するという内容です。

  • 最終章ではくじ引き民主主義には、
    ゆっくり考えることが必要であり、
    スローにすることの必要性を訴えてから、
    あとがきに続いて終わります。

それぞれの章で語られている、
内容を大まかにまとめると、
上に述べたようになりました。

ではここから私の感想ですが、

「くじ引きで民主主義も万能ではないが、
少なくとも選択肢の一つとして、
導入することで、新たな可能性を
広げることはできると思った」

と考えさせられたというものです。

現在の政治機能不全は、一部の人が
権力を持つことによる癒着と、
国民の無関心、政治不参加が主な理由であり、
くじ引きで代表者を決めれば、
誰でも参加する可能性がある以上、
無関心ではいられなくなるというのは頷けました。

要は小中高校のクラス委員を、
くじ引きで決めるのと同じ要領で、
政治家を決めていこうということです。

しかし一方で素人の意見が入ることで、
とんちんかんな回答が出てきたり、
何か問題が起こった時に、
誰も責任を取ろうとしないという、
問題点もしっかりと指摘されています。

くじ引きとしての危険性も確かに含んでいますが、
導入を推し進めるために、
メリットばかりを主張するのではなく、
デメリットもしっかり書かれているのは、
平等な書き方だと私は思うのです。

以上を踏まえると、くじ引き民主主義が
正常に機能するのは↓

「目的に沿って、ある程度絞り込んだ中から
参加者をくじ引きで決め、必要な情報を
提供してから討論を重ねて、最終的な結論を
出して投票などで決めながらも、
最終的な決定は誰かが責任を持って行う」

状況であるといえますね。

もちろんいきなり上のようなことを言っても、
なかなか同意は得られないと私は思いますが、
一方で政治への関心を集め、
著者が第1章で取り上げているような、
外国と同様に投票などとは別の形で、
参加する人が増えることにも
影響をもたらせるかもしれないとも感じました。

いきなり政治だと難しい事だと、
感じるかもしれませんが、
まずは組織運営などでやってみるのも、
いいかもしれません。

先ほども言いましたが、
学校のクラス委員でも採用されているのですから、
組織でも導入は可能だと私は思います。

今日紹介した吉田徹著
「くじ引き民主主義」は
記事を読んでくださっているあなたが↓

  • 現在の代表性民主主義に疑問がある

  • 組織運営の新たな形を模索中

  • 運も実力のうちという言葉が好き

上記3つの内1つでも当てはまるのであれば、
ぜひ読んでみるべきです。

まとめ

日常演舞の読書感想文、今日は
「吉田徹著・くじ引き民主主義」を
読んで、あなたに合っているかどうか、
レビューしてみました。

あなたが私の文章を

  • わかりにくい

  • 別の表現もある

と思ったのであれば、
今後の参考にしたいので、
ぜひコメントで教えて下さい。

明日またお会いしましょう!!


  • 各種SNSもやっています。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集