にいがた経済新聞 編集部

にいがた経済新聞編集部です。コラムや日記などを掲載していきます。よろしくお願いします。…

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マガジン

  • にいがた経済新聞 記者コラム(2024年上半期)

    にいがた経済新聞に掲載したコラム記事の、2024年上半期分です。

  • にいがた経済新聞 編集後記・記者コラム(2023年下半期)

    にいがた経済新聞に掲載した編集後記・記者コラムの、2023年7月〜12月分です。

記事一覧

【記者コラム】新潟の「サマーストック」は?

「今年の夏は暑くなりそうですね・・・」、取材先でこのような会話が増えている。 気象庁が発表した6月から8月までの3か月予報によると、高温傾向が続き、全国的に気温が高く…

【記者コラム】ないものはない

「ないものはない」。新潟市東区の某店舗看板にも掲げられている文句だが、いくつかの意味にとれる素敵な言葉だと思う。それは「ある」でもあるし「ない」でもある。 「な…

【記者コラム】恩返し

東京での学生時代に、幸運にも何人かの著名なジャーナリストにお会いする機会に恵まれた。今から考えても非常に貴重な経験だったと思う。 まずは、故筑紫哲也さんだ。お会…

【記者コラム】大人たちが力を合わせて育てる「未来の希望」

5月8日、2020年4月に開学して今年1期生が卒業した開志専門職大学(新潟市中央区)の事業創造学部にて、弊社上越支局長の梅川が講演を行いました。 同学部の1年生に実施し…

【記者コラム】インバウンドの街

先月後半、ニセコ蒸溜所が新潟県の花角英世知事を訪問する様子を取材した。同社は新潟を代表する清酒「八海山」をつくる八海醸造のグループ企業。ニセコ蒸溜所では日本酒で…

【記者コラム】半導体投資が地方を変える、新潟は?

先週、プライベートで北海道を訪ねた。今年に入り1月に続き2度目の来訪。 北海道は昨年来、2030年の札幌五輪招致を断念したり、北海道新幹線の札幌延伸計画が延期になった…

【記者コラム】雁木通りでのある動き

先月、3月4日午前中に新潟県上越市本町1丁目で火災が発生した。発生場所は雁木通りの町家が並ぶ通りにある理容室で、周囲7棟に延焼したが、不幸中の幸いで負傷者はいなか…

【記者コラム】花の季節

私は花が好きだ。鑑賞するのはもちろん、育ててもいる。土が動き出すこの季節になると、気分が高揚してくる。……などと言うと、温厚な人柄だと印象を持たれることが多い。…

【記者コラム】加茂市の「美人の湯」で雪見風呂

3年前から新潟県加茂市の管理から民間への指定管理に移行した日帰り温泉施設の「美人の湯」。筆者も初めて訪れたが、吹き抜けが開放的な大きな建物で、平日でも食事処は混…

【記者コラム】県北胎内市に企業再生の歩みを見た

先日、胎内市の越後ふとん株式会社へ、工場見学の取材にお邪魔した。レポートの記事は近日公開の予定。 同社の前身は、創業1868年(明治元年)という150年以上続く老舗ふ…

【記者コラム】「誤報」連発の火災通報はなぜ?

新潟県上越市の我が家には、地元地域の有線放送があり、火事発生時には消防からの通報が入ることになっている。加えて、記者はこの3月末まで上越市消防団の団員でもある。 …

【記者コラム】人口減少を恐れない時代にこそ地域間LCC

先日、ある若手経営者との出会いがあった。彼は首都圏にオフィスを持ち、そこでのビジネスを主な生業にしながら、北海道上川町で地方創生プロジェクトにも加担している。い…

国政、県政、市政の役割を理解できていない地元議員とその支持者

もうこのタイトルで言いたいことが分かる人は、居るのではないだろうか。 地方自治法においては、議会は地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担…

記者コラム「増え続ける『あきらめ廃業』の原因とは・・・所得の再分配と社会保障は、誰が行うのか」

日本の非課税投資枠の新NISA、円安から国内、海外投資家が目を付けてバブル崩壊後34年振りに、日経平均株価が高値を更新し続けている。(令和6年2月16日現在) 現在…

【記者コラム】今年創業73年の老舗がメイドインジャパンを世界にアピール

カメラ店、美容室、写真館、結婚式場、飲食店を展開する多角化経営の株式会社光美堂(新潟県妙高市)は、今年創業73年を誇る老舗企業。 振袖撮影や七五三、結婚式など少子…

個人の好みと社会正義

ジャーナリスト・佐々木俊尚さんがvoicyで連載している「毎朝の思考」を聞いている。この人の説教臭くない、それでいて含蓄のある物言いが好きだ。もちろん個人の好みなの…

【記者コラム】新潟の「サマーストック」は?

「今年の夏は暑くなりそうですね・・・」、取材先でこのような会話が増えている。 気象庁が発表した6月から8月までの3か月予報によると、高温傾向が続き、全国的に気温が高くなる見込みだ。地球温暖化やエルニーニョ現象の影響で、地球全体の気温も引き続き高いと見られている。 「暑い夏」は良いのか、悪いのか。経済、災害、社会活動などさまざまな側面があるため、一概には言えない。しかし、「暑い夏」によって消費活動が増えることは間違いない。その点を考えると、「暑い夏」が好影響をもたらす企業は

【記者コラム】ないものはない

「ないものはない」。新潟市東区の某店舗看板にも掲げられている文句だが、いくつかの意味にとれる素敵な言葉だと思う。それは「ある」でもあるし「ない」でもある。 「ないものはない」をキャッチフレーズにしている自治体がある。島根県隠岐郡海士(あま)町。日本海の島根半島沖合60kmに浮かぶ隠岐諸島のひとつ、中ノ島にある一島一町の小さな島だ。 この海士町が5月25日放送のNHK「新プロジェクトX」に取り上げられていた。 同町は、1953年に制定された離島振興法のおかげで地方交付税漬

【記者コラム】恩返し

東京での学生時代に、幸運にも何人かの著名なジャーナリストにお会いする機会に恵まれた。今から考えても非常に貴重な経験だったと思う。 まずは、故筑紫哲也さんだ。お会いしたのは今から25年前の品川区のあるパーティーで、当時はTBS系の「ニュース23」のキャスターを現役でされていた時だった。長身でダンディーな男性だった。少しだけ会話を交わしたが、私は緊張していたので、今となってはその内容はほとんど覚えていない。 実は私はその時、無謀にも筑紫さんに自分の書いたルポルタージュの原稿を

【記者コラム】大人たちが力を合わせて育てる「未来の希望」

5月8日、2020年4月に開学して今年1期生が卒業した開志専門職大学(新潟市中央区)の事業創造学部にて、弊社上越支局長の梅川が講演を行いました。 同学部の1年生に実施している「基礎ゼミ」の連続講座の中の1つ。弊社には、「メモの取り方」というテーマで講演依頼いただき今回実施。約50人の生徒が参加しました。 私はこの講演の場にはいなかったのですが、複数人の生徒から質問の手が上がるほど熱心に講義に耳を傾けてくれていた様子があったと聞き、梅川の同僚として、そして、にいがた経済新聞

【記者コラム】インバウンドの街

先月後半、ニセコ蒸溜所が新潟県の花角英世知事を訪問する様子を取材した。同社は新潟を代表する清酒「八海山」をつくる八海醸造のグループ企業。ニセコ蒸溜所では日本酒ではなくジンを製造しており、その「ohoro GIN」シリーズが国際的賞を獲得したことの報告だった。 ニセコ蒸溜所はその名の通り北海道ニセコ町に拠点を置く。八海醸造の南雲二郎代表によると、同地域は寒冷でありながら北海道の他地域よりも冬場の気温が低くなく、ジンの製造に適しているという。 商品の「ohoro GIN」はも

【記者コラム】半導体投資が地方を変える、新潟は?

先週、プライベートで北海道を訪ねた。今年に入り1月に続き2度目の来訪。 北海道は昨年来、2030年の札幌五輪招致を断念したり、北海道新幹線の札幌延伸計画が延期になったりと、さぞ意気消沈ムードかと思いきや、そんなことは全くない。 2023年2月に最先端半導体ファウンドリー「ラピダス」の千歳市進出が決まり、9月には第一工場の起工式を行った。25年には工事が完了し、27年に本格生産をスタートさせるという。 ラピダスはトヨタ自動車、NTT、ソニーグループなど日本の超大手8社が中

【記者コラム】雁木通りでのある動き

先月、3月4日午前中に新潟県上越市本町1丁目で火災が発生した。発生場所は雁木通りの町家が並ぶ通りにある理容室で、周囲7棟に延焼したが、不幸中の幸いで負傷者はいなかった。筆者も現場に駆けつけたが、かなりの勢いで火が上がり、恐怖を覚えた。火災原因は上越警察署が現在も捜査中だ。 その本町1丁目で最近ある動きがあるという。町内の住人によると、雁木通りの町家から退去する人が出始めているというのだ。 ある情報では、理容室の老人が認知症の疑いがあるという。このように、自分がしっかりして

【記者コラム】花の季節

私は花が好きだ。鑑賞するのはもちろん、育ててもいる。土が動き出すこの季節になると、気分が高揚してくる。……などと言うと、温厚な人柄だと印象を持たれることが多い。のんびりとして、蝶よ花よと自然を愛する人物だと。 実際はそうでもない。むしろ草花に接していると過激になる。花は愛でても、食害があるので蝶は愛でない。草木すら、この時期になるとふつふつと土から頭を出す雑草類には愛情などない。冷酷に農薬という毒を降らせ、機械的に大地へ鎌を入れる。そも農業は自然を切り拓いてきた歴史。なのに

【記者コラム】加茂市の「美人の湯」で雪見風呂

3年前から新潟県加茂市の管理から民間への指定管理に移行した日帰り温泉施設の「美人の湯」。筆者も初めて訪れたが、吹き抜けが開放的な大きな建物で、平日でも食事処は混んでいたし、休憩所も広々していて好感を持った。今年の1月末だったが、露天風呂では雪が舞い、湯船に浸かりながら、雪見風呂を堪能することができた。 ここの指定管理者は合同会社加茂人。現在は三野(さんの)敏弘代表のほか、3人の代表で「美人の湯」の運営を行なっている。 三野さんは、「現在は加茂市内のお客さんが多いですし、市

【記者コラム】県北胎内市に企業再生の歩みを見た

先日、胎内市の越後ふとん株式会社へ、工場見学の取材にお邪魔した。レポートの記事は近日公開の予定。 同社の前身は、創業1868年(明治元年)という150年以上続く老舗ふとんメーカー・株式会社イトウ。もともとは新発田市に本社を構え、昭和54年に現在の胎内市である旧黒川村の廃校舎を使用した生産工場を稼働させた。老舗に培われた確かな技術と高品質の羽毛布団で全国の生協という堅い販路を獲得し、ピーク時には60億円以上の年商があったが、その後に「成長の壁」は訪れた。2017年に事業再生型

【記者コラム】「誤報」連発の火災通報はなぜ?

新潟県上越市の我が家には、地元地域の有線放送があり、火事発生時には消防からの通報が入ることになっている。加えて、記者はこの3月末まで上越市消防団の団員でもある。 それはさておき、「建物火災です」という一報がまず入り、少し経過した後に「先ほどの火災は誤報でした」というAI(?)による音声放送が入ることが最近かなり多い。 以前、老人ホームの給食の仕事をしている知人に、「火災報知器の性能が良すぎて、過敏に反応するためでは」と聞いたことがあるが、違う知り合いのフェイスブックでは、

【記者コラム】人口減少を恐れない時代にこそ地域間LCC

先日、ある若手経営者との出会いがあった。彼は首都圏にオフィスを持ち、そこでのビジネスを主な生業にしながら、北海道上川町で地方創生プロジェクトにも加担している。いわゆるデュアルライフ(二拠点生活)の実践者であり、まさにリモートワークの普及定着がもたらした新しい働き方、暮らし方である。 上川郡上川町は、北海道のほぼ中央に位置する人口約3,700人の町。町内に層雲峡温泉があり、かつては団体旅行で賑わったが、それは昔の話。今は団体旅行自体が減少している。人口規模からみれば「過疎の進

国政、県政、市政の役割を理解できていない地元議員とその支持者

もうこのタイトルで言いたいことが分かる人は、居るのではないだろうか。 地方自治法においては、議会は地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担うのもとして同じく直接選挙で選ばれた首長(執行機関)と相互けん制しあうことにより地方自治の適正な運営を期することとされている。 これが分かっていないと、議会において議論が成立しない。新潟県内30市町村の首長と地方議員の会話が嚙み合っていないという事がしばしば見受けられる。 地方議会で首長(執行機関)と議員(チェッ

記者コラム「増え続ける『あきらめ廃業』の原因とは・・・所得の再分配と社会保障は、誰が行うのか」

日本の非課税投資枠の新NISA、円安から国内、海外投資家が目を付けてバブル崩壊後34年振りに、日経平均株価が高値を更新し続けている。(令和6年2月16日現在) 現在上場企業の決算期であるが円安の為か、輸出貿易業、海外進出している企業が軒並み好調である。株価高騰の要因の一つであろう。 その実、中小零細企業はどうか。コロナ禍の後遺症で苦しんでいる。大企業と違い燃料、物価高の転嫁が出来ず、コロナ禍での経済活動停滞中のゼロゼロ融資や据え置き型借入れの返済が始まり、キャッシュフローは

【記者コラム】今年創業73年の老舗がメイドインジャパンを世界にアピール

カメラ店、美容室、写真館、結婚式場、飲食店を展開する多角化経営の株式会社光美堂(新潟県妙高市)は、今年創業73年を誇る老舗企業。 振袖撮影や七五三、結婚式など少子高齢化社会の波をもろに受ける業界であるが、松下健太郎常務はネット販売のEC事業部を2年前に立ち上げた。同社は27年後の創業100年を目指している。 松下常務は「ネット販売のEC事業部では、撮影での子供つながりで玩具、手持ち花火を販売しています。一方、写真館は、楽しい時間と空間を提供いており、女性カメラマンが強みで

個人の好みと社会正義

ジャーナリスト・佐々木俊尚さんがvoicyで連載している「毎朝の思考」を聞いている。この人の説教臭くない、それでいて含蓄のある物言いが好きだ。もちろん個人の好みなので、みなさんに強くお勧めする気持ちもない。 その日のテーマは「趣味と市場原理と社会正義を一緒くたにするのは危険だ」という話題。世の中には「今の時代、それはありえないですよ」などと、自分の物差しを勝手に他人にも押し付けようとする人が、結構いる。 例えば、コンビニの書籍売り場は昨今、成人雑誌を置かないのが大部分にな