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読書感想文に追い詰められた夜
あれは、忘れもしない高3の夏休み。
明日が始業式だというのに「読書感想文」を全くやっていなかった!
そしてそのまま夜に・・・。
このままではまずいと思いつつ、
「まあなんとかなるよね。M先生だし。」(現国教師←優しい)
と、やっと原稿用紙に向かう。
当時、「文芸部」に所属してたワタシ。
普段から読書は好きだし、書くことにもまあまあ自信はあった。
(さて、何の本を読もう?)
選書は自由だったとはいえ、それさえも決めていなかった!
とことんナメた態度で挑む、夏休み最後の夜。
とりあえず、父の部屋の本棚から”文学とかそれっぽい本”を探す。
選んだのは・・・
カミュ著:『異邦人』
新潮文庫の銀色の背表紙は薄く、ページ数が少なそう。
それをこれから読んで、適当に”それっぽい感想文”を書く作戦。
(・・・数時間後・・・)
なんということでしょう!
あまりにも難解な内容で文章が全く頭に入ってこない!
世界観もチンプンカンプン。意味が分からない!
普段、海外文学まったく読まないから?!?
それにしてもここまで何も読み解けないなんてことある???
はい、ギブアップです。
この時点で時刻は夜中の3時を過ぎていた。
完全に徹夜コース。
自分のアホさに少し泣いた。もう駄目だ。絶体絶命。
ワタシの部屋の本棚を見渡す。ほぼ部屋一面の大きい本棚。
何か「読書感想文」のネタになりそうな”既読の本”を探した。
しかしワタシの本棚はほぼ、「漫画本」と「ラノベ」のみ!
そんな中からなんとか選んだのが・・・
高野悦子著:『二十歳の原点』
夏の恒例、「新潮文庫の100冊」フェアに選ばれてた本だし。
これならイケるのではと思い…。
1960年代、二十歳で自死を選ぶまでの日記を本にした、ノンフィクション。
「読書感想文」って純文学とか物語・フィクションを題材にした方が良いんだっけ?と思いつつ。
もう残った候補これだけ。
・・・今となっては、どんな感想文を書いたのか全く思い出せない。
当時の自分が読み返しもせず、すぐに忘れたいと思うほど、
深夜のテンションのままテキトーに書き殴って提出したからでしょう。
でも、今、それをとても読みたい。2022年夏の自分です。
あと、高3のワタシはそれからしばらく「カミュアレルギー」になった。
自分の読解力の無さを棚に上げて恨むなんて。。
カミュは何も悪くない。
~~~
書いた内容は覚えてないケド、
返却された原稿用紙に現国M先生から、
”高野悦子さんは先生と同世代で、当時話題になった本です”
というような寸評が書いてありました。
苦し紛れに選んだ本だったけど、通じてヨカッタね…(?)
学生の皆様、夏休みの宿題は計画的にやりましょう☆
(特に我が息子氏!大丈夫かいな。。)
※「文芸部」の頃のワタシ ↓