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私立夜宵★図書館【2024/11】

夜宵★の読書は図書館の本と決まってる。

貧乏だったから、本が読みたかったら図書館で借りなさい、って母に言われて育って、図書館は行きつけだった。

だけどこのところ読書量が激減。

今年は意識的に読もうと決意した。

図書館で借りて、夜宵★の心の図書館に入った本をいざご紹介!!



✦『愉悦にて』林真理子

美女たちの値踏みと情事が錯綜するのが「源氏物語」に似ていると思った。

光る君はいないけれども。

世の虚しさを覚える読後感も似ている。


✦『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』桜木紫乃


場末のスナックにたまたま集った個性的なメンバーたち。

たった一ヶ月ともに過ごした日々が、後の人生を照らすこともある。

その期間がそれ以上でも以下でも、集ったメンバーの誰が欠けても、そうはいかない不思議な歯車。

読後に、一抹の淋しさとともに心に小さな火がポッと灯る。


✦『盲目的な恋と友情』辻村深月


「友情」の章に入り、物語は一気に凄みを増し、輪郭が際立った。

そこからは一息に読んだ。

登場人物が、血の通った立体的な人間として捉えられる。

真面目で硬い留利絵の心情に共感しながら読んだ。

「正当化しないと痛みを認められない」不器用さ、コンプレックスを「過剰に気に病む態度」、悪意のない悪意を許せない潔癖さ、要領よく人の評価を得る者への憎悪など、とても人間臭くて放っておけない。

驚愕のラスト。

でも、盲目的な友情に魅入られたら末路は決まってる気がする。

「金の絡んだトラブルは弁護士に相談しなよ。」

言えるものなら主人公に突っ込みたくなる夜宵★なのであった。


✦『クリスマスを探偵と』井坂幸太郎

舞台はドイツ、童話に出てくるような町、ローテンブルク。探偵カールがクリスマスの夜に出会った、不思議な男とは……? 伊坂幸太郎が初めて書いた小説が、自身の手により、20年の時を経て完全リメイク! クリスマスを彩るにふさわしい、大人も子どもも楽しめるハートウォーミングな一篇です。デビュー10周年を記念して刊行された総特集ムック『文藝別冊 伊坂幸太郎』収録、作家の創作の原点となった物語。

Amazon紹介文より

シリアスなサスペンス?と息を詰めながら読んでいたら、クリスマスのファンタジーに行きついた。

タイトルの「クリスマスを探偵と」過ごしたのは誰か?

まさかの事実に絶句しているうちにあれよあれよの展開。

絵本だとなめてると思考が置いて行かれるとんだ食わせものだ。

しかし、読後心がほんわかしている自分に気付く。


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