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私立夜宵★図書館【2024/12】

夜宵★の読書は図書館の本と決まってる。

貧乏だったから、本が読みたかったら図書館で借りなさい、って母に言われて育って、図書館は行きつけだった。

だけどこのところ読書量が激減。

今年は意識的に読もうと決意した。

図書館で借りて、夜宵★の心の図書館に入った本をいざご紹介!!


✦『千年鈴虫』谷村志穂


『源氏物語』の逸話や人物や歌になぞらえて恋が進行する。

というより現世の恋を引き合いに出した『源氏物語』の解釈本かの趣。

「先生」のいろんな意味でのいやらしさが、まるで光源氏のようだ。

「先生」をめぐる女たちの情念が静かに滾る。


✦『早稲女、女、男』柚木麻子


各大学の女子の特徴を捉えた話運びがとてもおもしろかった。

自分で自分にレッテルを貼って生きにくくしているというのは、なにも大学の校風だけではないのだろうと思った。

人間って不器用でしょうがないよねと、いとおしくなる。



✦『黄色い家』川上未映子

2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。
60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。
長らく忘却していた20年前の記憶――黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。
まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな〝シノギ〞に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい……。

Amazon紹介文より


序盤、主人公の心のありようがゆっくりと丁寧に描かれている。

その表現に私は惹かれた。

一元的ではない、逆説的ともいえる想いが共感できた。

この序盤との対比で、後半の何かが狂っていくグラデーションに吸い込まれていく。

組織犯罪に手を染める若い子たちがいるのも無理からぬことかと感じてしまうのは月並みだろうか。

貧しさ、頭の回らなさは負の連鎖で、行くも戻るも地獄、救いがない。

過集中からの、なんともいえない読後感へ。





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