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ボイストレーニングマガジン

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#ボイトレ

続 声帯のコントロールは筋連鎖を使う (声帯ストレッチ)

続 声帯のコントロールは筋連鎖を使う (声帯ストレッチ)

今回は「声帯のコントロールは筋連鎖を使う」の続編
過去記事の「声帯のコントロールは筋連鎖を使う」を読んでいない方はそちらに目を通してから読んでいただけたら、内容がわかりやすいのではないかと思います。

声帯ストレッチ
声帯ストレッチとは僕が20年前くらいに考案した、ナチュラルヴォイスストレッチ(のけぞり体操)のことで、発声に必要な身体の部位を全て一緒に伸ばすことで、声帯を連鎖的引き延ばしフラットに

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発声学の名著  『うたうこと』  フレデリック・フースラー/イヴォンヌ・ロッド・マーリングについて

発声学の名著 『うたうこと』 フレデリック・フースラー/イヴォンヌ・ロッド・マーリングについて

このところ1ヶ月半ほど体調を崩して療養していまして、その間はスマホや本を読むくらいしかできなかったので、過去に何度も読んだ発声学研究の巨匠の本を久しぶりに読み返してみました。

フレデリック・フースラー博士の名著『Singen』/『Singin』邦題『うたうこと』。
かれこれ十数年ぶりに読みました。
(今回の記事は、いつもよりさらにマニアックな内容なので、歌いたいだけの方には退屈な内容かもしれませ

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声帯を鍛える?声帯の筋トレ?輪状甲状筋を鍛える?  って、
ちゃんと意味がわかって言ってるのだろうか…

声帯を鍛える?声帯の筋トレ?輪状甲状筋を鍛える? って、
ちゃんと意味がわかって言ってるのだろうか…

声帯のを鍛える?声帯の筋トレ?輪状甲状筋を鍛える?

最近SNSなどでたまに目にするこれらの言葉。
これってちゃんと意味がわかってるのかな?


いかにももっともらしい、秘密の練習法があるかのように聞こえますよ。
ですが、かなりまずい言い方だなと思ってます。

これらの言葉で実際に何をさせるのか、それでどんな効果をねらっているのかの真意はさておき、これらの言葉から受ける印象はかなり不味い事になりま

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レッスンの不条理 (講師の個人的なイメージや勘違い)

レッスンの不条理 (講師の個人的なイメージや勘違い)

講師のイメージを言葉にして教えるのが普通のレッスン発声指導は基本的に講師が自分の持っているイメージを口に出してレッスン生に伝えようとする場合がほとんどなのは明らかだと思います。
そういう自分も全くやっていない訳ではないし、見えない器官を使う演奏である以上はイメージ誘導が多くなるのは仕方のない事と思います。
特に歌唱のディレクションとなると芸術的な側面が増えるので、イメージ伝達こそが中心で良いのかも

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息が続かないのは(人は)どうしたらいいのか、

息が続かないのは(人は)どうしたらいいのか、

(Top イラスト  イラストAC > KONIさん)


歌唱中に息が続かない原因は何か

レッスン希望者の相談の中で、「歌っているといつも息がもたなくなる。私、肺活量がないんです。」という話をちょくちょく聞きます。
しかし問題は肺活量ではない場合もかなり多い。
肺活量をつけるトレーニングをしたい、という気持ちがあり方は良いことですので是非やって欲しいのですが、解決するには別な観点が必要な場合も

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上手く歌えない原因の9割は「体の力み(りきみ)」

上手く歌えない原因の9割は「体の力み(りきみ)」

上手く歌えない色々な理由音程はいつも自覚できているけど歌うと不安定になる

歌うとリズムが合わなくなる(歌以外ではリズム良いのに)

息漏れが多く声が続かない

歌唱中にブレスが上手く取れない

息の流れが悪い

疲れて最後まで歌えない

喉が疲れやすい、傷みやすい

高い声が出せない

声の伸びがない 響きが悪い

フレージングの流れが悪い

表現が雑になる

などなど…

これらの状態を改善す

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いつも同じ声の感覚で歌えない?

いつも同じ声の感覚で歌えない?

「その時によって声の感覚が変わって、いつも同じ声で歌えないんです。」こういう悩みをよく聞きます。すごく上手く歌える時と、全然歌えない時の差が激しいとか、会場によっては全然歌えなくなる、などなど。
(体調的に喉が重くなる事があるという場合は、今回は省きまして、別な機会に書こうと思いますので、今回はそれ以外のケースで。)

この状態一つのタイプとして、声の楽器演奏としての歌唱感覚がまだ体に宿ってい

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ボイスストレーニング-自然な声で歌う

ボイスストレーニング-自然な声で歌う

note始めました。書籍もそろそろ在庫切れですが、増版はしません。
ボイストレーニングのレッスンを今度はnoteで作っていこうと思ってます。
いやしかし、新しい観点の発声本も書きたいし、読み物系の声や歌関連の本も書きたい。出版社とお知り合いのかたいましたら是非ご紹介を。
どちらもよろしくお願いします!!

ボイストレーニングの問題点と難しい点

ボイストレーニングの問題点と難しい点

日本のボイストレーニングにはいろいろ問題点があります。近年はそれを分かってきた指導者が少しずつ増えてきているので、進化していると感じますが、レッスンを受けたい人、受けている人、トレーナーになりたい人、やっている人には読んで欲しい。考えて欲しい。

まず、日本のボイストレーニングは歴史的には戦時中のドイツの声楽指導を取り入れた事。当時の軍隊式の発声指導と相まって「腹で支えろ」式の腹式発声は、腹筋を固

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歌の初心者は風邪をひきやすい

歌の初心者は風邪をひきやすい

1月2月は寒さと乾燥で風邪をひきやすい季節ですが、悪い発声で歌うと風邪ひきやすくなるって知ってますか?

歌の初心に多いのですが、力の入った喉で沢山練習すると、喉が疲労して声帯の粘膜が乾燥してウィルス感染の確率がかなり上がります。

歌の専門学校生などは、新入生が入学して1前半くらいまでは、発声も整わず、しかしやる気満々で練習している生徒が多い為、喉風邪率も上がります。

逆に発声が良くなってくれ

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今、ボイストレーナーって、

今、ボイストレーナーって、

2000年になってから「ボイストレーニング」という言葉が一般化してきて、レッスンの需要が増えると共に、ここ最近はチェーン店のボイストレーニングスクールも複数できていて、講師の数も急速に増えました。
そして今や20代の先生も街のスクールには沢山います。
今やボイストレーナーになる事は難しいことではないんです。
数年どこかでレッスンを受けた経験があって、ある程度ピアノが弾ければ(最悪は弾けなくてもカラ

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