見出し画像

個別最適な学びについて考える(115)ー安彦忠彦(2012)子どもの発達と脳科学ーカリキュラム開発のためにーから

おはようございます!
まだ寒い時期が続きますね。
日が出ているとあったかく感じる時はありますが,まだまだ寒く,服を着込まないと風邪をひいてしまいそうです。
なるべくあったかい格好をして,風邪をひかないように気をつけましょう。

本日は「安彦忠彦(2012)子どもの発達と脳科学ーカリキュラム開発のために.勁草書房,東京.」です。では,早速読んでいきましょう!

また従来、心理学的には知能を、記憶。思考、判断などの種類別に束でとらえる伝統的な見方と、外に表われるまでは知能は星雲状態で,そのような種類別に存在するものではないとする最近の見方とがあって、争われてきた。ガードナーは,脳科学の研究成果から、8つの知能については、相互に独立の機能で存在するもので、潜在能力としても構造的に明確な区分があると考えた (HGardner 1983/1999)。その8つとは次のようなものである。
① 言語的知能 (linguistic intelligence)
② 論理-数学的知能(logical-mathematical intelligence)
③音楽的知能(musical intelligence)
④ 身体運動的知能(bodily-kinesthetic intelligence)
⑤ 空間的知能 (spatial intelligence)
⑥対人関係的知能 (interpersonal intelligence)
⑦ 内省的知能(intrapersonal intelligence)
⑧ 博物的知能 (naturalistic intelligence)
ガードナーによれば、これらの知能は、決してカリキュラム上の「教科」に対応するものではないという。そのような枠を越えて働く、脳の機能と考えねばならない。また、これらは、それぞれ互換性はないが、補完性はあると考えている。例えば、ある言語を記憶する場合,言語的知能が劣っている子どもでも,音楽的知能が優れている子どもであれば、その音楽的知能を活用して、言葉にメロディーやリズムなどをつけて学ばせるようにするとか、方向・方位を理解させるために、空間的知能が劣っている子どもには、身体運動的知能を使って、直接体験して理解させるとかする、といった具合である。これが、ここ
20年間ほど、世界的に広まった「多重知能(MI)理論に基づく学習」で、多様な子どもたちの学習成果を下支えする上で効果があるとされているものである。言ってみれば、その子どもの脳機能の弱いところを、強いところでカバーすることで、極端な学力低下を防止するとともに,個性を活かす個別化・個性化教育が展開できる,という考え方である。

安彦忠彦(2012)子どもの発達と脳科学ーカリキュラム開発のために.勁草書房,東京.

難しい内容のところを紹介します。
ただ,すごい重要なことが書かれていると思いました。
言語を学ぶ時,人は言語的知能を使うと思いますが,その知能が低くなかなか覚えられない児童は,他の知能を使って補うことができるということです。

外国語もひたすら読んでいるだけでは覚えられませんが,チャンツで歌いながら覚えられる的なことも同じなのでしょうか。

人によって脳の知能が違うとすれば,覚え方も人によって得意不得意があるはずなので,選択できるような工夫が必要になりそうです。
ここに個別最適な学びの考えが当てはまると思いました。

本日はここまで!また次回の記事でお会いしましょう!

いいなと思ったら応援しよう!

nanjolno
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!