米粉100%で作る俺の米粉パン【有機無添加無塩レシピ】
グルテンフリー、食物アレルギー、オーガニック、無添加、ビーガン、アニマルウェルフェア、非遺伝子組み換え対応可能
ホームベーカリーで簡単に作れる、もっちりしっとり100%米粉パンレシピ
2024.5,31
レシピ公開
2024.6,6
濃厚グラスフェッドチーズ米粉パンのレシピを追記
2024.6,7
有機マーブルチョコ米粉パンのレシピを追記
2024.6,9
アレンジレシピの写真を一部追加
「より健康になるために」を追記
2024.6,10
アレルギー対応食品を一部追記
2024.6,13
シロカで作る際の作り方・工程・所要時間・実際の様子などを追記
他の機種に買い換えても変わらず作れるように更新
2024.6,14
「美味しく食べるコツ」をより詳しく追記
2024.6,21
各工程の所要時間詳細に米粉パン(グルテンフリー)モードを追記
2024.6,22
アレンジ米粉パンに平飼い卵の超時短フレンチトーストを追記
2024.7,12
米粉パン(グルテンフリー)モードで作った米粉パンの写真を追加
食べた人から今まで散々言われてきた、俺の可愛そうな米粉パン達。
だが、来る日も来る日もパンを焼き続けた。
俺はアレルギー体質でもなんでもないが、グルテンフリーの米粉パンがホームベーカリーでも作れる気がして、実験を繰り返してきた。
●使っている主な機種は二つ
GOPAN(左)10年以上前に購入
型番は SPM-RB1000
生米から作れる機種だか、繊細な俺には動作音がうるさくて無理だった。
メーカーには申し訳ないが、今は粉からしか作っていない。
単独メニューや温度管理センサーも付いていない、生産も終了しているかなり古い機種だ。
シロカ(右)2024.6,11購入
型番はSB-2D151
ゴパンでずっと焼き続けていたらだいぶ経年劣化してきたので、おうちベーカリー ベーシック プラスを購入した。こちらは2024年度製の新品。
シロカなど別のホームベーカリーで焼くときのポイントや様子も、同様に詳しく追記している。
最初のきっかけは単純。
ゴパンなのに、なぜ米粉だけで作るレシピが説明書にないのか。あるとき不思議に思ったからだ。
小麦粉で作ったものがパンと言うのなら、米粉パンは確かにパンではない。パン屋に持ち込めばきっと鼻で笑われるだろう。
だが、米粉パンは小麦パンにない美味しさとバファリンにも負けない優しさがあるのではないかと俺は考えた。
失敗してもいいから一度はやってみたい。
まずは軽い気持ちから勘で作ってみた。
…しかし現実はそう甘くはない。
俺が作る米粉パンは、悲劇から始まった。
パンケースから剥がれるように何かが出てきた。
パンらしき匂いも全くしない…。
まるでモザイクがかかっているかのように、気泡と呼べるものが1つも断面に見当たらなかった。
甘くて、噛んでもねちょねちょするだけ。
米麹で膨らませる作戦は失敗。
俺の代わりに麹は働いてくれなかった。
しぶしぶイーストを使うことに…。
次はきっと膨らむだろう。
今回はパンらしき匂いはするが…。
餅のような見た目。
ベタつく生地。
がっくり。
膨らませる力が足りないのか…?
次はイーストを2倍にしてみた。
まるで花火のように打ち上がる気泡。
なんだかイーストの臭いが強い気がする。
水分も多すぎたか…?
うーん…。
答えはまだ全然見えないが、試食しながら俺はふと思った。
塩気の無いパンはマズいと言うが、美味しい素材で作れば美味しくなる。
それに、無塩のほうが発酵の邪魔にもならない。
それからは当たり前のように無塩の米粉パンを焼くようになった。
最初食べたときは確かに味気ないように感じたが、切るときの厚みや具を工夫するようにしたら気にならなくなった。
できれば、もっと美味しくて安全性の高い米粉で無塩米粉パンを作りたい。
ミズホチカラが有名なのは知っているが、ピンとこなかった。みんなが使っているからという理由は俺の理由にはならないし、俺が作る意味も無い。
もちろん添加物が入っているミックス粉も使いたくないし、人にすすめたくもない。有機栽培でもっと日常的に使いやすい米粉がきっとあるはずだ。
よし、次はこれを試してみよう。
色々探していたら自分にピッタリの米粉があった。
俺はなんとなくこの米粉に運命を感じだ。
有機JASは取得していないものの、有機米を100%使用している。値段も有機ミズホチカラより安い。
製造者は株式会社吉字屋米粉
原料をお米に限定したノンアレルギー工場で製粉している。
公式オンラインサイトは下記より ↓
一応念の為断っておくが、俺はこの商品のサクラでもアンバサダーでもなんでもない。
純粋に彼らと商品内容に惹かれてこの米粉を買ってみただけの話だ。
早速注文すると、数日後に米粉が届いた。
側面には「俺パン」の文字。
開ける前から漂う男臭さ。
ん…?
開けてみたら、違う俺が出てきた。
誰だお前は…!?
しかし、内容は同じで米粉に妥協は無さそうだ。
まさか世代交代なのか…?
色々気になってきたが、とりあえずパンを焼くことにする。
最初の頃は水分を吸いやすいのか、生地が固くなりやすかった。
既にあるレシピを参考に作っても、水分不足で固くなってしまう。
水を足してみたり、温度を上げてみたり、とにかく手探り状態。
水分は適量なはずなのにほとんど膨らまない。
外はガリガリで中はねちょつき、噛めば確実に歯に詰まる。
何かを加えたほうが膨らむのだろうか…?
気泡が逃げないように片栗粉を試しに入れてみた。
しかし、膨らんで大喜びしている俺の横で、パンは一気にしぼんでいった。
猫のようにツンツンしててご機嫌斜め。
ガス抜きしてもしなくても、いつも同じ高さに焼き上がってしまう。
何度やっても全然うまくいかない。
だが、諦めたくない。
ミズホチカラなどの他の米粉で作ることもできるだろうが、俺はコストを抑えつつ無農薬や有機を貫きたいので、その選択肢は無かった。
ふわっとしたきめ細かい見た目の米粉パンは、食べやすくとても美しい。
俺もできればインスタ女子みたいにドヤ顔でお洒落な写真をアップしたい。
最初はそれをイメージして作っていた。
だが、よくある作り方で作ってもうまくいかない。
冷めるとポソポソしやすくて粘りや滑らかさがあまり出ない。パパッと混ぜてすぐできる反面、ちぎると砕けるように裂けていく。
これは米粉だから仕方ないのだろうか?
焼くとガリガリになって口を痛めることもあった。
健康な素材を使っているのに危なくて食べにくい。
サクサクやパリパリの限度を超えている。
どうやったら滑らかさが出るか
どうやったら無塩でもうまく作れるか
どうやったらガリガリにならなくなるか
どうやったら冷めてもボソボソしなくなるか
味や食感を追求すればするほど、ふんわりとした見た目にはならなかった。
混ぜた生地はサラサラではなく、粘りが出てもっちりしていく。
例えるならマイケルのような白くて美しい米粉パンではなく、ロバート秋山のような色艶があってむっちりとした存在感のあるパンになっていった。
作り方もトロトロの生地を作ってさっと発酵させて焼くのとは違い、小麦のときのようなしっかりこねるパワフルな作り方に近い。
背が低めでもちゃんと軟らかく焼ける
この時点ではまだ過発酵状態でちゃんと膨らんでいるとは言えないが、工夫をするようになってから粘りや滑らかさが出るようになってきた。
冷蔵庫から出したばかりでも弾力があって軟らかく切りやすい。
カサカサ感もほとんどなくて、薄くスライスしてもなかなか崩れない。
近くでよく見ると瑞々しくツヤツヤしている。
厚切りで冷たい状態でも軟らかくしなる
作るにはコツと手間が少し必要になるが、やや伸びるように裂けていく。
例えるならソフトフランスとお餅のハイブリッド
この時点ではふんわりした見た目では全く無いが、瑞々しさと旨味は他の米粉で作ったパンよりも断然強く感じる。
↑ ミズホチカラの米粉パンと比べてみる
高さがあって軟らかいものの、曲げるとほぼ伸びることなく割れてしまう。
噛んでも噛んでも弾力が弱く、全体的にしっとり感も控えめだ。
口溶けが良くてふんわり軟らかい食パンをそのまま食べたいならミズホチカラが向いているが、トーストするとソフトサラダせんべいのようになり、食べ応えもあまり感じられない。
瑞々しさや粘り不足が逆にデメリットになる。
小麦と同じ見た目でも、俺米のパンとは全く違う。
膨らんでいても、食べて美味しいとはあまり思えなかった。これならまだ小麦のほうが美味しい。
世間ではふわふわで口溶けの良い美しいパンに注目が集まりやすく、俺米のパンはまだマイナーだが、俺は一つのジャンルとしてアリだと思った。
ただ、無塩で吸水率が高いと過醗酵になりやすいので、そこをもう少しなんとかしたい。
試行錯誤は続く。
シンプルな材料でも、温度を変えてみたら少し膨らむようになってきた。
きっと酵母達は春が来たと思っているに違いない。
パンは温度によって活動レベルが変化し、全く別物になる。
だが、予測しながら計算するのはちょっと難しい。
上は少し温かい温度
真ん中は少し冷たい温度
下はさらに冷たい温度
味は相変わらず美味しいが、どうやら下のは冷えすぎたようだ。
無塩で作る場合の最適な酵母の量も見えてきた。
冷やすとキメ細かい気泡は出てくるものの、フランスパンのような大きな気泡も出現してしまう。
しかも、キメ細かい部分は食感がやや物足りなかった。どちらかというとキメは細かすぎないほうが美味しいかもしれない。
何回も何回も作ってみて、ようやくベストな温度が見えてきた。
俺米を使って無塩で作る場合は、上と真ん中の中間くらいがちょうどいい。
あとはそこを目指すだけだ。
やっと理想に近い米粉パンを焼けるようになった。
他のパンに比べれば高さは低めだが、ふんわり感としっとり感ともっちり感が絶妙で、良いバランスになっている。
加減やコツがわかるまで本当に苦労した。
大きな空洞や目立つういろう化も無い。
工夫するようにしたら生焼けのハプニングや乾燥肌トラブルもなくなった。
↑ 上はゴパン、↓ 下はシロカで作ったもの
機種を変えても同様に安定して焼くことができる。
サンドイッチにもちょうど良いサイズだ。
↓ 米粉パン(グルテンフリーモード)で作ると、さらにキメが細かくなる。
早焼きモードで作ったパンをちぎって曲げてみる。
米臭さも無く、小麦パンと同じ良い香りがする。
感触も見た目もふわふわだ。
↓ 自分で動画も撮影してみたので見てほしい。
耳も厚くなくて、しっとり軟らかくなっている。
砕けるようにほぐれていくのではなく、ほどけるようにほぐれていく。
粉っぽさがなくて、パンくずもほとんど落ちない。
キメ細かい絹のような食パンを基準にするのならややキメが粗いと言えるかもしれないが、これは俺にとって理想に近い米粉パンだ。
しかも塩が入っていないことを忘れてしまうくらい文句なしで味も良い。
食べた人にも「やっぱりこの米粉パンが美味しい。」と言われるようになり、小麦パンも他の米粉パンも作らなくなってしまった。
■材料
水
有機米粉
有機砂糖
国産米油
イースト(天然酵母)
俺の米粉パンは無添加で小麦や塩を入れない。
米粉と砂糖は有機、イーストは無添加で発酵力が強く、非遺伝子組み換えのものを選んで使っている。
使うのは5つだけで、とにかくシンプル。
他には何も加えていない。
もちろん小麦グルテンも不使用。
サイリウム・マンナン粉・ゼラチン・片栗粉・コーンスターチ ・アルファ化米粉なども一切不使用。
ホームベーカリーで焼くので、オーブン・パウンド型・敷紙もいらない。
ハンドミキサーなど他に泡立てるような作業もズボラなので一切しない。
ただし、作り方を独自に工夫することで、普通の米粉パンには無い美味しさを作り出している。
無添加なのでアレルギーや健康志向の人向け
塩分ゼロでも味わい深くてちゃんと美味しい
粉っぽくないのでトーストしてもむせにくい
冷めてもパサつきにくく美味しさが長持ちする
なめらかで程よい粘り気ともちもち食感を併せ持っている
米粉パンで失敗したことがある
今まで食べた米粉パンが美味しくなかった
ふわふわよりもっちりしたハード系のパンが好き
サイリウムなどの添加物入りの米粉パンで不調になったことがある
できれば無添加で美味しい米粉パンを作りたい
有機米粉パンを食べたいけどなるべく節約したい
アレルギーが心配なので自分で手作りしたい
俺の米粉専用の米粉パンレシピを探している
ごく普通の機種でも作れるレシピを探している
詳しくて応用もしやすいレシピを探している
などなど、上記のような人向けのレシピだ。
材料の選び方からとことん詳しく書いているので、参考にしてほしい。
迷ったり失敗しにくくなるように、説明や作業工程などもひとつひとつ独自に書いている。他の機種でも作れるように、各工程の所要時間や詳しい途中経過の写真なども併せて載せている。
写真のアレンジ米粉パンは、レーズン・ココア・いちご・コーヒー。
こちらもレシピに書いている。香りも味も最高。
他にはチーズパンやマーブルチョコパンのレシピも追記している。控えめに言って小麦パンより断然美味しい。
あまり知られていないが、フレンチトーストも俺米のパンなら長時間浸す必要が無いので時短できる。
今はアレルギーなどの理由で仕方なく食べている人や、健康目的で食べている人が多いが、「小麦パンより美味しいから米粉パンを食べる時代」が確実に来ていると思う。
↓ ここからは目次から読みたい箇所を選ぶと、すぐに読むことができる。
俺のようにパンが好きで健康志向の人は、是非一度作ってみてほしい。
ここから先は
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