Vol.284 書くこと、それは書かないことである
「落語家にとって一番大切なのは『間』」
これは故•桂歌丸師匠の言葉だ。
「間」とは「間合い」
会話で言うところの「・・・」である。
確かに上手い噺家を聞くと「間」を取っている。逆に下手な噺家ほどまくし立てる。同じ噺を演じても全く違うものになる、これが落語の魅力だ。
ちなみに間合いの名手として知られるのが人間国宝故•柳家小三治師匠である。
これは役者でも同じだろう。
上手い演者は沈黙で演じる。
故•高倉健氏などがその良い例ではないだろうか。
さて本題に入るが私は文筆においても大切なのは間合いだと思っている。
何を「書く」かより何を「書かない」か。
書かない部分で読者に読み取ってもらうスキル。
これが高い人は簡潔で伝わりやすい文を書き、低い人は説明過剰な長文を書く。
私はこの一言に尽きると思っている。
「行間」=「間合い」
いかに行間を〝読んでもらえるか〟が良文・駄文の別れ道だと思う。
…さてここまで読んでお気付きかと思うが私の文章はそこそこ長い。今日だけじゃくいつもだ。
目一杯削ったつもりでもつい長くなる。
これ以上削ると意図が伝わらないのでは…という不安感からつい書いてしまう。
間合いの名手にはまだまだ。
拙い文章であるけれど、どうか〝行間を読んで〟頂けると嬉しい。
【猫ムスメより】
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