中野 裕 / 読書とドライブ、時々ビール。

札幌で要件定義の支援を中心に活動する"描いて語らうエンジニア"。業務システム開発における経験と、学んだこと、調べたことを書き溜めていきます。地方の企業が末永く地元に貢献する手伝いがしたい。

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最近の記事

『スクラムフェスニセコ2024』余白多めのプログラムをコミットで埋めるイベント

2024年11月1日-2日に行われた『スクラムフェスニセコ2024』に参加してきた。 RSGTや各地のスクフェスには数回参加しているが、どのイベントもゲストを迎えての講演や提案型のトークやワークショップなど、企画が盛りだくさんなプログラムが組まれる。参加するたびに、たくさんの刺激をもらって帰ることになる。 それに対してニセコは講演2本とOSTで構成され、事前に用意されたプログラムは少ない。それでもスクラムフェスニセコは楽しいと感じた。ただし、自分が何を楽しいと感じたのか、

    • 登山道は川だった(3/)

      2022年夏のYAMAP LIFE CAMPUS『登山道整備編 第二期』について、参加経緯、学んだことに続き、雑多な感想と調べたことを記録する。 参加しての雑感体力面での不安 まずは、参加して良かったと心から思う。申し込み時はフィールドワークへの不安がとても大きかったが、自分の体力でも十分に講義やツアーを楽しむことができた。 あくまで参考として、札幌周辺だと手稲山の平和の滝コース(登り3時間、高低差1000m弱)が登れれば問題ないと思う。ただし、自分の場合は"泊"登山が

      • 登山道は川だった(2/)

        2022年夏のYAMAP LIFE CAMPUS『登山道整備編 第二期』について、前回の参加経緯(以下のリンク先参照)に続き、今回は学んだことを記録する。 なお、座学・フィールドワークともに、メインの講師は大雪山・山守隊の岡崎哲三さんだったが、以下に記載する内容はすべて僕が理解したことだ。当然ながら内容に誤りがある場合、責任は僕にある。 登山道は川だった座学とフィールドワークで学んだことは多岐にわたるが、一番おどろいたのは『登山道は川だった』ことだ。それを理解するためには

        • 登山道は川だった(1/)

          2022年の夏は大雪山に3度行き、貴重な経験をした。目的地は大雪高原沼、白雲岳周辺、当麻乗越周辺で、いずれもピークを目指したわけではなく、登山道整備を学ぶためのフィールドワークが目的だった。 登山経験が浅く、山岳会などのコミュニティに所属しない自分が、まさか登山道を整備する機会に恵まれるとは、それをここまで面白いと感じるとは思わなかった。 申し込み前はさんざん迷ったが、結果として参加は正解だった。ずいぶん日がたってしまったが、今年のうちに経験したことを書き留めておく。

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        • しくみのはなし
          4本

        記事

          父の他界とセレモニーに救われた話

          先日、一周忌の法要が済んで喪が明けた。父が他界して、気がついたら1年が過ぎていた。長く別に暮らしていたから生活の中に喪失感はなかったが、実家に帰るとやや物足りなさを感じる。 * 2020年-2021年の年末年始、父はずっとソファの上にいた。食事が喉を通らず、数か月間水分だけで過ごしたその体は骨と皮だけになっていて、トイレ以外は居間のソファで寝ていた。それでも話はできたが、それから半月ほどで亡くなった。 身内の不幸になれていなかった僕たち家族は慌てた。人が亡くなった後の段

          父の他界とセレモニーに救われた話

          Product Prioritization Framework を理解したい

          先日、以下のnoteを読んだ。この記事はプロダクトマネージメントのフレームワークを7つ紹介するものだが、この手のフレームワークは数が多いので、重要なものを選択してもらえるのはありがたい。感謝。 しかし、1つ目の"Product Prioritization Framework"に自分の関わる製品を当てはめてみようとしたが、失礼ながら日本語訳がピンと来ない。そこで、引用元を自分で解釈しなおすことにした。 引用元: Product Frameworks - Product P

          Product Prioritization Framework を理解したい

          RSGT2022 Ep3 最小コストで判断→続行

          2022年1月5日(水)-7日(金)に行われたRSGT2022(Regional Scrum Gathering Tokyo 2022)でのボランティアスタッフ経験のEpisode 3つ目。Keynoto中のハプニングに慌てる自分と、最小コストで判断して小さな傷で済ますスタッフに感動した記録。 Episode 1,2はこちら。 Keynoteが途切れたばたばたしつつも平和なDay1が終わり、徐々に慣れてきたDay2のKeynoto途中でトランシーバーからトラブルの連絡が入

          RSGT2022 Ep3 最小コストで判断→続行

          RSGT2022 Ep2 尊敬してまーす

          2022年1月5日(水)-7日(金)に行われたRSGT2022(Regional Scrum Gathering Tokyo 2022)でのボランティアスタッフ経験のEpisode 2つ目。不安いっぱいのDay0(会場設営日)から、ついに自分も尊敬されたDay3までの記録。 Episode 1はこちら。 不安しかない1月4日(火)午前の飛行機で新千歳から羽田へ移動し、午後から会場の設営があるのでそのまま御茶ノ水に向かった。 2020年に1度だけ一般参加した時の記憶と、ス

          RSGT2022 Ep1 スタッフ参加のわけ

          2022年1月5日(水)-7日(金)に行われたRSGT2022(Regional Scrum Gathering Tokyo 2022  )にボランティアスタッフとして参加してきた。RSGTは、過去一度だけ参加したことがあったがスタッフは初めてだった。 イベントの詳細はWeb上に多くのレポートが上がっていると思うので、ここでは触れない。その代わり、スタッフとしての個人的な感想を書き残したい。 スタッフ参加のわけ(オモテ)今回、ボランティアスタッフ参加した目的は以下の通り。

          『アーバン・ベア - となりのヒグマと向き合う -』札幌市内の野生の隣人

          本書は、北海道でヒグマの魅力にとりつかれた著者の約30年にわたる研究成果を、『アーバン・ベア』(市街地に出没するクマ)を中心にまとめたものだ。北海道が開拓されてからの約150年で、ヒグマと人間の物理的な距離は大きく縮まった。特に周辺市町村合わせて230万人を超える大都市圏となった札幌は、住宅地が森林と長距離で接する世界でもまれな大都市に成長した。その周辺の森にはヒグマが暮らしているので、軋轢が起きないわけがない。実際に毎年ヒグマが多数駆除されている。 特に2000年代以降、

          『アーバン・ベア - となりのヒグマと向き合う -』札幌市内の野生の隣人

          ミルフィーユで理解するDXの本質『DXの思考法』

          本書では『具体と抽象』と『経営とデジタル』それぞれの往復、そして高度経済成長期から現在までの『日本企業のロジック』を読み解くことで、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質が語られる。そして、話は個人や企業がDX的思考法を獲得する"武器"から、政府を含めたすべてを対象にしたトランスフォーメーションへとつながっていく。 そう言うと何やらむずかしい話になりそうだが、地図やミルフィーユ、本棚から特殊相対性理論まで多彩な比喩を織り交ぜた説明は、デジタルに疎い読者にも理解しやす

          ミルフィーユで理解するDXの本質『DXの思考法』

          現代のすべての大人に『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』

          本書は「ライターの教科書」をコンセプトに書かれているが、文章を執筆することで生活の糧を得ている人、またはそれを目指す人だけが読むのではもったいない。教科書といいつつ、ベストセラーを生みだす著者が、自らを取材してまとめ上げた良質な読みものに仕上がっている。手に取った瞬間にわかる"量"、読みはじめて5分で唸ってしまうほどの"質"ともに、圧倒される一冊である。 おもしろく、わかりやすい文章は、書き手のセンスによって生み出されると思っていた人は、ライターの仕事を著者自らが客観視し、

          現代のすべての大人に『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』

          なぜ登山をはじめたのか

          最近、「なぜ、登山をはじめたのか」と質問されることが多いので書き残しておく。これは、あくまで経緯を整理するために書くものであり、ぼくを知らない誰かが読んでも、たぶんつまらない。 * 1つ前の投稿から8か月が経過した。新型コロナウイルスは依然として世界中で猛威をふるっている。北半球が夏だった間に多くの国で少しだけウイルスを抑え込んだかのように見えたけど、夏が終わり寒くなって、春より感染者が増えている。 そんな状況でも、昨年の6月から自宅で仕事をするようになったぼくの生活に

          ソフトウェア開発と小説のメタファー

          誰でも「仕事はなんですか?」と聞かれることがあると思う。そんなとき、ぼくの場合は「業務用のソフトウェアをオーダーメイドでつくってます」とか、シンプルに「プログラマーです」などと答えるが、だいたいポカンとされるか、曖昧にうなずかれて会話は終わる。 友達や家族ならそれでもいいが、相手がクライアントの場合は開発チームの業務イメージを共有できないとイロイロ問題なので、1つの手段として長編小説の執筆をソフトウェア開発のメタファー(喩え)として使う。 ちなみに小説のメタファーはぼくの

          ソフトウェア開発と小説のメタファー

          マインドマップで読書する

          本屋が好きだった。なんでもある大型書店はもちろん好きだけど、ちいさな町の本屋も味わいがあっていい。 入り口付近に置いてある雑誌を見渡し、コミックの新刊をチェックする。作家別の小説コーナーでひいきの作家に未読の作品がないか時間をかけて探し、背表紙のタイトルをながめ、手に取り、ぱらぱらとめくり、逡巡して丁寧に棚にもどす。ビジネス書の棚も興味深い。行ったり来たりでたっぷり数時間は楽しめる。 *** 読書の課題それほど本屋が好きだったのに電子書籍を愛用するようになって、ほとんど

          要件定義は境界で語る

          今から数年前、開発チーム内で要件定義を担当することになった。望んだわけではなく、若いメンバーの多いチームで他に適任がおらず、チームとしての必要にせまられて引き受けた。 最初はリーダーから頼まれたままに作業を進めていたが、ふわふわとしたドキュメントを量産するだけで工程のゴールが見えない。そもそもプロジェクトとして、開発プロセス定義がないのが問題だったが不満を言ってもはじまらない。そこで要件定義に関する書籍を数冊読んでみたが謎は深まるばかりだった。 *** パワポ、一覧、詳