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俳句、短詩

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自分の俳句作品や、鑑賞、思いなど気ままにまとめています。また、短歌などの短詩形作品などについても触れています。
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#詩

【募集中&雑感】☆キラリ文化教室 特別講座 「2025夜間講座 俳句入門」@武蔵小杉

【募集中&雑感】☆キラリ文化教室 特別講座 「2025夜間講座 俳句入門」@武蔵小杉

昨年に引き続き、2025年も「夜の俳句入門」講座を開講することとなりました(これもひとえに皆様のおかげです。感謝申し上げます😊)。
現在、参加者を募集中!
対象は初心者や未経験者の方ですが、経験者の方も大歓迎です。
お勤め帰り、俳句の世界を楽しんでみませんか?

どうぞよろしくお願いいたします。

なお、いつも募集記事しか掲載していないのですが、今回は現在開講中の
「昼の俳句入門」初回の雑感(谷

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新作俳句4句『ロルカ』&雑感

新作俳句4句『ロルカ』&雑感

ロルカ

柏柳明子

リハーサル群舞に混じる雪女

虎落笛太古の闇を私す

スタジオの鏡捲れば冬銀河

足音の冴えてロルカは血の匂ひ

(神奈川県現代俳句協会会報・第166号「諸家近詠」 令和6年12月より)

お読みいただきありがとうございます。
上記4句は神奈川県現俳の依頼を受けて作成、会報に掲載していただいた新作俳句です。
結社誌とは違う媒体だから「いつもとは違う感じの俳句を」と一応テーマを

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【雑感&俳句11句『光る君へ』】「創る」ということ

【雑感&俳句11句『光る君へ』】「創る」ということ

2024年の大河ドラマ『光る君へ』。
毎週ワクワク楽しみにしていた日々も終わってしまいました…

このドラマの感動や魅力はたくさんあります。
特に俳句をつくる人間としては、主人公まひろがどのように紫式部に、創作者になっていったか、また『源氏物語』を創作するにいたったかーその辺りの描き方が面白かったです。
俳句と物語。表現方法は異なれど、言葉で世界を創るという点では同じですし。

そこで今回、「創る

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謹賀新年☆2025俳句関係

謹賀新年☆2025俳句関係

明けましておめでとうございます🎍
本年もよろしくお願い致します。

新年最初の俳句ですが、週刊俳句 第924号 『2025新年詠 』に1句参加しております↓

私の作品は下記です。

金星へ月の囁く三日かな

毎年のことながら、犇めき合い屹立する句群はシンプルながら圧巻。
各々独立した世界なのに、こうして一挙に並ぶと全員一斉の御慶か、はたまた全員集合の初写真のようにも。
俳句による初景色と言えま

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2024日日俳句 自選10句&雑感

2024日日俳句 自選10句&雑感

【自選10句・2024日日俳句】律動

柏柳明子

半仙戯ティンカーベルの尖る羽
卒業のバスの後ろの二人かな
罰として腹話術師は緑蔭に
初蟬や後部座席に母を乗せ
風に風触れて青水無月の朝
大ねぶた闇の律動してゐたり
黒猫の振り返らない秋気かな
白線の外側にゐて愛の羽根
開店を待つ数へ日の商店街
探梅の声の眩しくなりにけり

【雑感】note「日日俳句」では、2023年1月1日から毎日・1つの俳句(

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【俳句16句】縁~夏目友人帳 漆 第十二話「夢路より」に寄せて

【俳句16句】縁~夏目友人帳 漆 第十二話「夢路より」に寄せて



てのひらの友と仰ぎし大夕焼
夏夕べ用心棒は肩に乗り
黒板にうつすら残る恋歌よ

短夜の銀河は海に溶けてゆく
さくらさくら悲しいほどにふくらみて
紅葉かつ散る山奥の神の滝

まなうらに虹おなじ夢より覚めて

不器用な花壇褒められ夏の朝
夕飯へ走る先生草いきれ
妖のかそけき声や月涼し

自由てふ先生の眼は夏の空
「また明日」と言へる暮らしよ夕焼川
夏の夜の仲間や賑やかな誤解

うすばかげろふほど

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【俳句14句】かなしき遊び~夏目友人帳 漆 第十一話「名前を教えて」に寄せて

【俳句14句】かなしき遊び~夏目友人帳 漆 第十一話「名前を教えて」に寄せて

かなしき遊び

とほき日の花野は蒼きレクイエム
いつもひとり彼女は色なき風の中
秋の蝶笑顔の仮面はづさずに
爽やかに恥づかしさうに名を訊かれ
勝負しませう秋虹の少女たち
約束のやう手のひらの青きアメ
寝転べば呟き秋の雲となる
秋しぐれ名乗ればふたたびの独り
花の降る花野こころの鍵捨てて
草の花かなしき遊びはじまりぬ
妖のこゑの届かず秋暮るる
待つうちに少女は秋夕焼の果て
八千草にあをく残りし祖母の

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【俳句12句】あの日~夏目友人帳 漆 第十話「約束の残る家」に寄せて

【俳句12句】あの日~夏目友人帳 漆 第十話「約束の残る家」に寄せて

あの日

日盛をくねりて神の訪へる
忘却の呪詛に覆はれ夏座敷
淡々と負ふ祓ひ屋の理を
解術のことば瀑布となりにけり
恩返ししたいと炎ゆる目に涙
雷鳴と化し放埓な神の四肢
約束の果たされ空蟬の屋敷
振り向きもせず祓ひけり灼けながら
恋ひとつ胸の泉へそれつきり
夕焼けて独りの自由吸ひ込みぬ
暮れかかる空にあの日の枇杷の色
受け取つてきつと今度は甘い枇杷

※俳句12句は、放映された物語からインスパイア

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【俳句10句】のつぺらぼう~夏目友人帳 漆 第九話「儀式を阻む者」に寄せて

【俳句10句】のつぺらぼう~夏目友人帳 漆 第九話「儀式を阻む者」に寄せて

のつぺらぼう

血の絶えし屋敷や枇杷の燦燦と
振り返る先生の眼の黒南風に
夏座敷儀式を語る柔き貌
約束の神待つ廊下長くながく
一門を統べる泉の声をもて
ふと思ひ出したがごとく枇杷のこと
祓ひ屋のふたり下闇ほどの業
風死すや今はのつぺらぼうの家
炎昼の奥より毬の転がり来
小面の昏きまなこへ墜ちにけり

※俳句10句は、放映された物語からインスパイアされて作者(私)が詠んだものです。
今回、映像から季

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暮れの綺麗なご挨拶:俳句誌『ユプシロン』No.7

暮れの綺麗なご挨拶:俳句誌『ユプシロン』No.7

昔、「暮れの元気なご挨拶~♪」という歌が印象的なCMがあった(調べたら日清オイリオギフトらしい)。
毎年このCMがテレビで流れるたびに「そうか、もう今年も終るか」と思ったものだ。

そして現在。CMはめっきり見なくなったが、年一回『ユプシロン』がこの時期に我が家のポストに届くたびに今年の終わりをしみじみ感じている。

さて。『ユプシロン』とは関西在住の四人の女性俳句作家たちの俳句誌。
No.7とあ

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【俳句10句】鼻唄~夏目友人帳 漆 第八話「月夜の夏目」に寄せて

【俳句10句】鼻唄~夏目友人帳 漆 第八話「月夜の夏目」に寄せて

鼻唄

おぼろより人形の指あづかりぬ
分かち合ふ秘密よ春の夜のぬくし
切れ切れに友の言葉は透明に
もうゐない人のてのひら朧月
鼻唄に春星ほどの仄白さ
寄り道は春満月の滑り台
真夜中の儀式のやうに散るこぶし
置き去りの人形の眼は月の色
花こぶし笑つてくれる友のゐて
今は言はず春満月の高々と

※俳句10句は、放映された物語からインスパイアされて作者(私)が詠んだものです。
今回、映像から季節は「春」

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【俳句12句】君を待つ~夏目友人帳 漆 第七話「苦手なふたり」に寄せて

【俳句12句】君を待つ~夏目友人帳 漆 第七話「苦手なふたり」に寄せて

君を待つ

ため息を掠めて紋黄蝶の羽
不愛想な自転車の兄春の昼
鳥ぐもり祖父と妹はるけくて
報酬はエクレア一つ夜半の春
手に載せし鍵に朧のけはひかな
ひこばえや兄の言葉のぎこちなし
ひとり守る家の廊下の陽炎へる
永き日や用心棒は猫のふり
鳳凰の書棚春陰の鍵穴
二人なら開く扉よ風光る
君を待つ春夕焼の兄と祖父
未来より降りやまぬ花いつまでも

※俳句12句は、放映された物語からインスパイアされて作者

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【俳句12句】ふたたび霧~夏目友人帳 漆 第六話「廃駅・ふたつの輪」に寄せて

【俳句12句】ふたたび霧~夏目友人帳 漆 第六話「廃駅・ふたつの輪」に寄せて

ふたたび霧

鳥籠のこゑ霧よりもやはらかく
廃線やしのつく雨へ緑の眼
トンネルは黄泉比良坂蛇行せむ
妖の咆哮すさまじき木霊

左目のほほゑみ薄く滴りぬ
空割れてきこきこと木偶の肢体
傘を広げて祓ひ屋は花の下
禁術の匂ふ夕闇孕みけり
とこしへに欠けし右目よ天炎ゆる
泰山木散るほほゑみに影の色

雨上がるふたたび霧となる人よ
夕焼に縁の少し見えさうな

※俳句12句は、放映された物語からインスパイアさ

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【俳句10句】皆ゐて~夏目友人帳 漆 第五話「ちょびの宝物」に寄せて

【俳句10句】皆ゐて~夏目友人帳 漆 第五話「ちょびの宝物」に寄せて

皆ゐて

落日に閃く龍よ山眠る
鯛焼を食む先生のまろき頬
たからもの割れて友の手冷たくて
捨てられず冬の夕べを一人ゆく
ひとひらの龍の鱗を追ふ冬野
寒晴や脱線しつつ仲間たち
そつけなき先生の援護冬ぬくし
冬天の摑めば光なる鱗
虹色の櫛永遠の冬の虹
歓声の寒夕焼や皆ゐて

※俳句10句は、放映された物語からインスパイアされて作者(私)が詠んだものです。 映像より季節は「冬」と判断しました。
インスパ

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