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【募集中&雑感】☆キラリ文化教室 特別講座 「2025夜間講座 俳句入門」@武蔵小杉
昨年に引き続き、2025年も「夜の俳句入門」講座を開講することとなりました(これもひとえに皆様のおかげです。感謝申し上げます😊)。
現在、参加者を募集中!
対象は初心者や未経験者の方ですが、経験者の方も大歓迎です。
お勤め帰り、俳句の世界を楽しんでみませんか?
★開催概要★
【講師】柏柳明子(俳句結社「炎環」同人・「豆の木」・現代俳句協会会員)
【日程】2025年4月10日・5月8日・5月29日 全3回、木曜日
【時間】19時~20時
【受講料】3,300円(3回分)
【会場】川崎市生涯学習プラザ3階 301会議室
(東急東横線/JR・武蔵小杉駅より徒歩10分ほど)
【申込受付締切】3月28日必着
【URL】
https://www.kpal.or.jp/2_zaidan/22_zaidan_jigyou/230_bunka_special/haiku/haiku_nyumon.html
どうぞよろしくお願いいたします。
なお、いつも募集記事しか掲載していないのですが、今回は現在開講中の
「昼の俳句入門」初回の雑感(谷川俊太郎の詩についての言葉と考えを用いた導入)を下記に書きました(少しのつもりだったのに長くなってしまった…^_^; すみません)。
(適当に読み飛ばしていただいてよいので)どんな講師が担当するのか、夜間講座はどんな感じなのか、イメージが伝わればと思います。
受講の参考にしていただければ幸いです。
【雑感~「昼の俳句入門(2-3月)」初回】
「俳句入門」は川崎市生涯学習財団による講座の一つ。
私が担当してそろそろ5年。一年に3回開講(春・秋・冬)、1講座・全3回を通常は土曜日の昼間に行っています。
今回募集している夜間講座はスピンオフ版。
夜間講座の内容&構成は昼間ヴァージョンの短縮版と考えていただければと思います。
前述のように、昼の俳句入門を現在担当しており、先日、初回が終了しました。
初回は昼間・夜間ともに「俳句の作り方」の基本をやるのですが、今回は導入として詩人・谷川俊太郎の詩に対する言葉(考え)を紹介しました。
なぜ、谷川さんの話から始めたか。
それは、講座前夜のNHK番組で谷川さんの過去のドキュメンタリーを放映しされ、その中の言葉が俳句を作っている者として大いに共鳴したから。
そして、『「上手な俳句」と「上手かつ佳い(心を打つ)俳句」は違う』
そのことを最初に伝えたかったためです。
ドキュメンタリー制作に関わった映画監督・是枝裕和さんによると谷川さんは詩の特性として下記2点を挙げていたそうです(私の記憶に拠るので正確な言葉ではないと思いますが、内容としては以下です)。
・散文は時系列だが、詩は「断面」で見せる表現である。だからこそ、芭蕉の世界は全宇宙的である。
・詩は「意識の外」の言葉や世界で詠まねばならない。
詩の特性や大事な要素は上記2点以外にもあるでしょう。
でも、この2点は詩、そして俳句や短歌、川柳などの「短詩型」と言われる表現形式の根幹に特にかかわる考えであると思います。
「短詩型」の表現を存分に生かすためには、どうしても「断面」の表現という手段・考えが必須となります。
そして、「世界の断面を見せる」ことで「書かれていることはもとより、そこに書かれていないことも含めて世界の全体像を見せる」手法を手に入れなければなりません。
また、表層の意識で詠んだ俳句は皆がわかる世界を映像化出来ていて上手な作品といわれることが多い。それは決して悪いことではないし、俳句を上達する過程では必要なステップである。
でも、俳句を多く作っていくうちに、時々「この言葉や発想は、どこから来たんだろう」という瞬間に陥ることがあります。
普段の自分なら決して使わない言葉や考え、感覚。
それらが17音の裡に綺麗に収斂する瞬間がある。
そうやってできた俳句は「言われてみれば、確かにそういうことはある。なんでこれまで見えなかったんだろう」と作者:読者双方にとって「発見」や「気づき」をもたらす新鮮な普遍性を内包していることが多い。
俳句においては、意識の外(私は「無意識」とこれまで呼んできた掴み方。ある人々は「一度潜って対象や季語を捉まえてくる」という方法)に触れて掴んだ表現は不思議な説得力をもつとともに、オリジナリティとともに大きな世界観を孕んでいることが多い、と思います。
作り手としては、そういった作品を生むことができた時はなんとも言えない開放感に包まれる。
だから、願わくばそういう作品を一つでも多く作りたくて、おそらくこんなに長く自分は俳句表現と関わっているのではないか。
そんなことを谷川さんの言葉から思いました。
俳句入門に話を戻すと、まだ俳句歴が浅かったり、始めてもいない人が来てくださっています。
でも、たまには最初に「俳句(短詩型)って、こんなに凄い力をもっている」ということを紹介してもよいのではないか。
すぐに理解できるか否かはおいておいて、何となく「そんなものか」くらいに記憶の片隅に留めてもらえれば……
そして、今回の参加者のうちの誰かが俳句を続けていくうちに「あの時の言葉はこういうことだったのか」と気づいて、次の表現への飛躍に役立てば(昔の私のように)。
そんなことも思い、今回の昼間講座の導入としてお話させていただきました。
最後に。
昼間講座はここ数年、継続受講の方が多かったのですが、今回は半数ほど新規の方々に入れ替わりました。
おそらく、他の先生の初心者講座や句会を継続者に紹介したことがあり、それを受けてのことと思われます。
俳句の上達の為にはいろいろな先生の講座や句会を体験したほうがよいので、次のステップを選ばれた皆さんの今後の俳句との出会いが幸多きものであればと思います。
昼間講座の担当講師としては、新しい方々が今回来てくださったことで、私自身も新たな気づきを得る機会が増えて嬉しいです。
俳句作品への講評などもこれまでと変わるかもしれません。そのことで、自分自身が俳句を作る時の言葉や季語へのアプローチも変化するかもしれない。
そのことが楽しみです。
講座を通じて、皆様と新しい言葉や世界を探し共有できれば。
その気持ちで、すべての講座を担当しております。
夜間講座でも多くの方と豊かな時間を一緒に過ごすことができますように。
皆さまのご参加をお待ちしております!