複数敵と戦うということ
競技化された現代空手では、基本的に想定する敵は一人である。組手試合では対戦相手は一人である。近年行われている団体形の演武では、複数相手と戦う「分解」が披露されることはあるが、そうした演武目的以外で、複数敵と戦う稽古を普段からするということは一般的ではない。
そうした中で、本部御殿手は例外的に普段から複数敵を相手にした稽古を重視している流派である。
複数を相手にした稽古は、本部拳法にもある。実際、本部朝基は複数の敵に襲撃されたことがあったし、またそうした状況からいかに脱出し