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ベトナム派遣:ホーチミン日本人学校

ベトナム滞在2日目の11月8日は、ホーチミン日本人学校で武道演武が行われた。ホテルで朝食を取った後、9時半に集合して専用バスで日本人学校へ向かった。前日同様、そこで午前中は演武のルリハーサルが行われた。

ホーチミン日本人学校

会場となる体育館はエアコンが設置されていたので、リハーサルは快適に行うことができた。昼はホテルには戻らず、用意された弁当を日本人学校の控え室で皆と一緒に食べた。

午後からは、生徒たちが会場の体育館に入場してきて、演武スペースの前後左右にびっしりと並んで座った。日本人学校には中学1年生から中学3年生に相当する生徒たちが在籍していて、約500人いるらしい。ホーチミン市には、現在日本人は約12,000人いると言う。日系企業の進出に合わせて多くの日本人が近年では滞在しているようだ。

日本人学校での私たちの演武は、他の流派と2コートで同時進行するため、前日のように浜千鳥の音楽は流さなかったが特に支障はなかった。ただ子どもたちにとって「日本武道」というものがどのように認識されているだろうか、とは少し考えた。筆者が子どもの頃は『水戸黄門』や『遠山の金さん』等のテレビ時代劇が盛んで、武道そのものではないが、ドラマ中で演じられるチャンバラには馴染みがあった。

つまり、侍文化と日本武道との結びつきを連想することは当時の子供たちにはそれほど難しくなかった。しかし、いま時代劇が減っていて、かつ外国で暮らす日本人の子どもたちにとってどうなのか。ましてやわれわれの演武は沖縄の古武道である。そうした思いが少し頭をよぎった。

ただ仮にそうだとしても、だからこそ沖縄を含む日本武道を知らせる今回の代表団派遣は意義があるわけだと、前向きに考えるようにした。

演武が終わると、あらかじめ決められた生徒3人がやってきてワークショップが行われた。今回は前日のように各武道団体、流派による演武が全て終了してからワークショップを行うのではなくて、それぞれの演武が終了ごとにワークショップが行われるという形式だった。筆者は生徒たちにヌンチャクや櫂(ウェーク)をもたせて振り方を教えた。

日本人学校での演武が終わると、私たちは一旦ホテルに戻った。夜は専用バスでホーチミン市にあるベトナム料理のレストランに向かった。私たちのテーブルは無比無敵流の先生がたと一緒だった。新崎師範が1990年代のオーストラリア派遣の際に無比無敵流の宗家と一緒だったらしく、宗家もそのことを覚えていらして、昔話に花が咲いていた。


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