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「Be yourself~立命の記憶~Ⅱ」最終話
走り出す未来「っていう話です。」
新大塚駅前の大きなビルの4階、引っ越したばかりのだだっ広い撮影スタジオの隣のミーティングスペースで、私はY氏に言った。
Y氏「確かに、チューもしたし、人も死んだね。」
私「なんなら、私が今やってるYouTubeチャンネルもホログラムで登場してる事にしちゃいましょうよ、近未来的に。ハハハ!」
Y氏「そしたら、このスタジオの出番だなぁ。」
そう言って、Y氏は、3
「Be yourself~立命の記憶~Ⅱ」第13話
舞台の裏側朝早くに、俺は、パソコンに映るSNS画面の投稿ボタンをクリックして、アイのSNSのタイムラインを眺めた。
日本語と英語で、投稿されたものは、イイねを見ると数百、コメント欄は世界中の言語で溢れかえっている。
2画面のデスクトップパソコンから目を離し、部屋の角の仏壇に目をやると、俺はアイの笑顔の写真に話しかけた。
「ほら、イイねとコメント、凄い増えたよ。見る?」
アイの遺影を、手に取
「Be yourself~立命の記憶~Ⅱ」第10話
見えている未来翌朝、目が覚めた私は、落ち込みながら洗面台で鏡を見た。
「鏡を見ると人は冷静になれるんだってね。」
初日のカラオケスナックで、並んでいる女の子達の後ろ側が、横長の全面鏡だったのを見て、私がニノに言った言葉だ。
そして、自分の顔を鏡で見た時に、なんともひどい顔をしていたのに気付いた。
お酒を飲みすぎて、たばこも吸いすぎて、昨日髪を乾かさないで寝たから頭はボサボサ。
腫れぼったくな
「Be yourself~立命の記憶~Ⅱ」第6話
空白の中身ホテルに着いて、チェックインを済ませた私は、ニノに言った。
「じゃ、荷物ちょっと置いてくるね。あ、お土産いつ渡そう?結構大きいよ。」
「あ、明日でもいいし、いつでもいいから。」
「じゃ、とりあえず置いておくね。忘れないようにしなきゃ。」
「俺、外でたばこ吸って待ってるから。」
「分かったー。じゃ、後ほど。」
私は、エレベーターで8階に上がって、805の部屋を開けた。
バンコクのスク
「Be yourself~立命の記憶~Ⅱ」第2話
人生の転機俺の高校3年間は本当に地味だった。
1年の時に、彼女が一筋の光のような思い出を残してくれたくらいだ。
彼女は、1年の終わりで高校を辞めて、上京した。 まぁ、学園祭やコンテストなんかで、人前で歌って、驚嘆や拍手喝采浴びてりゃ、そうなりたいと思うだろうな。
2年の始めに、俺は、同じクラスの彼女の友達から、ラジオに出るって聞いて、彼女の出番を家のラジオを聴きながら待っていた。
DJ がしゃべ
「Be yourself~立命の記憶~Ⅱ」第1話
起業家の二人忘れられない人を思い出した事くらい、あるだろう?
俺、ニノ。36歳。日本人でバンコク在住。
日系企業の共同代表。 これが今の俺の肩書き。
自宅として使っているスクンビットの高級マンションの全体の色調は黒と紫。
エントランスの真ん中の吹き抜けになった通路の上からは、薄暗い室内 をこれでもかって程に眩しく輝かせる照明が光っている。
1階の右手前には、水の流れる3mくらいのガラスのオブ