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戦闘服
外に出るのが怖かった。
誰に見られているのか、不特定多数の人の目を気にした。
「外に出るために痩せる。」
わたしにとって生きるとは、痩せることだ。
子どもの頃から両親の影響でおしゃれをすることが好きだった。
毎週日曜日になると、家族揃って洋服を見に行く。それが私たち家族の過ごし方だった。
Instagramで流れてきた新ブランド誕生のお知らせ。
当時のわたしは、上京したばかりで毎日慣れない生活に眠れない日々を送っていた。
そんな時に目にした動画。
色とりどりのスカートを身につけ、くるくる綺麗に回るモデルさんたちの姿。
その世界観に一気に引き込まれた私は、ラフォーレ原宿に自然と足を進めていた。
LEBECCA boutique
このブランドとの出会いがわたしの洋服への熱をさらに高め、そして、赤澤えるさんを知ったことで洋服に対する価値観が変わった。
シーズン毎に新しい服を買わなければ気がすまなかった私は、えるさんの投稿を機に、本当に心ときめく洋服だけを自分の手元に迎えることにした。
ファストファッションと呼ばれる洋服を買う機会はぐんっと減り、洋服を見た時にどんな人がどんな思いを込めて作ったのか。そんな「顔」が浮かぶ洋服を手にとるように心掛けた。
人生を変えてくれた大切なブランド。
ブランド終了のお知らせを聞いた時、あぁ、私はこれからなにを楽しみに生きていくんだろうと途方に暮れた。
皆さまへ 大切なご報告ですhttps://t.co/qwZR8pmPtL
— 赤澤える (@ERU_akazawa) April 1, 2021
でも、わたしのクローゼットには、これまで手にしてきた「LEBECCA boutique 」の洋服がたくさん並んでいて、そのクローゼットを見た時、よし、これからも大切に大事に着よう。この子達を着るために生きよう。そう思った。
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「戦闘服」
外に出ることが怖かった私が、このブランドの袖を通すと無敵になれた。
自分が醜くて、泣き崩れた後でも、このブランドの洋服がわたしを励ましてくれた。
4年ぶりに友達に会った時も着た洋服。
わたしの人生の思い出には、いつもLEBECCA boutiqueがいて、支えてくれた。
希死念慮にかられ、洋服を見ることすら怖かった時期でも、ここのブランドだけは何としてでも着たいと思えた。
わたしを「生」への道へと導いてくれたお洋服。そんな、「戦闘服」をたくさん作ってくださり、ありがとうございました。
LEBECCA boutiqueだいすき。
えるさん、だいすきです。
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わたしは今日も戦闘服を見にまとい、苦手な社会へと一歩足を進める。
今日のわたしは無敵だから大丈夫。
だって、LEBECCA boutiqueのお洋服がわたしのお守りだから。