トマスモアの大冒険 パストマスター(著:R・A・ラファティ)【読書紹介の提出を3回拒否すれば死刑にされてしまうんだからな「その男は提出期限の最後の日にあえて遊ぶ勇気を持つだろう」(そうだ、僕はそのような男だ)】
スラップスティックSFコメディ。
エリザベス1世の問題ある父ヘンリー8世によって処刑された、
当時のイングランドの法律家であり歴史上の人物。
トマスモア。
ユートピア論を述べた哲学者ですが、
実は未来からきたタイムトラベラーに勧誘されて、
処刑台の上から未来世界の大統領に転身したというのが本作です。
まずは未来世界の見聞録から。
未来世界はユートピアです。
あらゆる物理的困難は解決されていますし、
政府も民主的に選ばれて、貨幣経済などというものは無い、
秘密警察の存在しないホワイト共産主義です。
あらゆる不平等は科学の力で強引ぐまいうぇい解決。
しかしたったひとつだけ。
宗教が禁止されています。
この世を越えたものに対して信仰を抱くことが禁止されており、
もっとも信者も残りわずかでありほぼ絶滅寸前なのですが。
あ、今しがた、最後の神父が亡くなられました。
トマスモアは未来見聞の旅を終えた後、
世界大統領としての職務につくのですが、
法案に対して拒否権を2回発動します。
しかし3回目に拒否権を発動すると、
死刑になってしまいます。
ええと、トマスモアの前世はですね・・・・
まあ、パターンが見えてきたんではないでしょうか?
スラップスティックSFなので、基本ユーモアに満ちているんですが、
魔女とか、
魔女の弟でいつも戦いで戦死する役割の青年とか、
変な超越キャラばかりが登場してきます。
なんですが、上述のようにテーマに味の濃いものを使っているので、
寓話的というか、
なんというか、この人に似ている。
そうそう。「猫のゆりかご」とか。
あんなテイストなんですね。
西洋の常識を知らないとついていけない、なんてほどでもなく、
まあまあ、リベラルアーツをなんとなく知ることもできます。
コメディSFですからね。
何かずっと昔、気の迷いでこいつを買っちゃったんですが、
いま考えるとマイベストバイに近い小説なのかもしれない。
哲学!
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