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時砂の王(SF小説:著:小川一水)【まだだ!まだ読書感想は終わってなんかない!・・・と夜中に叫んでみた。すると近所に怪しい噂が立った。謎を解明するべく探検隊はジャングルの奥地に向かった】

日本が誇るタイムトラベルSFの巨峰にして、割と短く簡単に読めて、かつ邪馬台国が舞台だという数奇なSF小説。
おそらく映像化が海のこちらあちら問わず狙われているようでして、海の向こう側の場合、邪馬台国ではなくどこか別の場所になるかもしれません。
ピクト人の女王とローマ軍団の戦いあたりの時代背景になるかも。
それともジャパンを舞台にした方が売れるのかな?
(ジャンプだと日本が舞台の作品の方が、売り上げが良いですけど)

そして丁寧に作れば、まず成功しそうな雰囲気があります。
それくらい原作が良い。

よく見れば作者さんは小川一水先生じゃないすか。
そりゃよいわけだ。

最大の特徴として、タイムトラベルに関わるタイムパラドックスの問題を、これ以上ないほど逆に利用している。それも切なく。

それでは簡単なあらすじを。

女王卑弥呼がまだ幼少の厨2くらいの小娘だったころ。
彼女は政務をほったらかし幼馴染と山野を遊びまわっていました。
モラトリアムもそろそろ終わりかな~とか思いながら。

そこへ凶報。
物の怪の軍団が襲ってきたのです。
しかし助けが来ました。
古文書に古くから伝わる使節の王(だっけ?)オー、もといオーヴィルが間一髪で助けに来てくれます。邪馬台国の人々には単に王と呼ばれます。

あ、あとこの邪馬台国は邪馬台国畿内説ですね完全に。首都は飛鳥です。

序盤だけネタバレします。
物の怪の正体は、エイリアンが送り込んできた殺戮機械です。

オーたちが生まれたのは遥かな未来です。
彼らもエイリアンクラフトと戦うために作られたバイオドロイド。
近い例で言えば「ターミネーター」みたいな感じ。もちろん人類側のですよ。

初手で地球を破壊されてしまった人類側ですが、それでも全滅はせず、太陽系外周から反撃の狼煙を上げ始め、近い将来には勝利で終わると言われていました。

オーたちは、出撃前に数か月だけ、人間としての時間を過ごすことを許可されます。
所帯をもったり、あるいはただただ趣味で時間を潰したり。
やり方はそれぞれ。
オーは、ある女性と同棲したものの子どもとかはいませんでした。
お互いに愛し尊敬し合い、彼女の哲学はやがて彼を強く動機づけるものとなりました。

時が満ち、オーたちは歓声を受けながら出陣していきます。
出撃後、オーたちは任務の説明を受けます。

その任務とは、時間遡行作戦。
そして悲しい現実も知らされます。
この○○はすでに○○が決まっていること。
なぜならば、時間遡行が可能であるにも関わらず、○○からの○○が来ていないから。
それはつまり〇〇○○〇○○〇○○〇〇〇〇〇〇〇。
だから過去へと戻り、敵に○○されるより前に過去の世界を○○する。

言うまでもないことですが、過去を○○する以上は、たとえ○○したとて、決していまこの○○に戻ってくることはできません。

元より兵士として作られた彼らなので、その事実で打ちのめされるようなことはありませんが。

しかしエイリアンたちは常にオーたちの一手先を行きます。
退却と反撃の果てにたどり着いたのが、多摩大国の時代というわけ。
あれ。涙で誤字が見えないよ。
だからこのままにしとくね。(なんじゃそりゃ)

とにかく感動ポルノとしては超優秀なシナリオで、アングロサクソン受けも非常にいいだろうなと思います。眼をつけるわけだ。
これは全米を泣かせますね。全私も泣きます。
映画館なのがネトフリなのかは分かりませんけど。
まあよほど製作スタッフがへまをしない限りは。

それでは感動のラストに向かって、つんのめるように読んでください。
ハンカチかティッシュの用意を忘れないように。
そして読み終わった暁には、映画館で開始2分にしてネタバレテロとかを決してやらないよう、お願い申し上げます。

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