マガジンのカバー画像

映画めも。

338
観た映画のはなし。 ネタバレするぞー!
運営しているクリエイター

2022年12月の記事一覧

【映画】The First Slam Dunk/井上雄彦

【映画】The First Slam Dunk/井上雄彦

タイトル:The First Slam Dunk 2022年
監督:井上雄彦

映画の見どころは、やはりあのマンガの躍動感のままキャラクターが動く事に尽きる。特にスラムダンクの山王戦は、90年代のマンガの中でも屈指の作品だと思うし、基本的にスポ根マンガを全く読まない僕の様な読者でも何度も読み返す度に、緊張感と躍動感に心を突き動かされる。ラストで描かれる、チーム内でも仲の悪い流川と桜木がゴールを決め

もっとみる
【映画】ヴァージン・スーサイズ Virgin Suicides/ソフィア・コッポラ

【映画】ヴァージン・スーサイズ Virgin Suicides/ソフィア・コッポラ

タイトル:ヴァージン・スーサイズ Virgin Suicides 1999年
監督:ソフィア・コッポラ

90年代を締め括った映画であり、00年代から10年代へのマイルストーンとして結果的に布石を打ったような作品でもある。大傑作かというと甚だ疑問は出てくるし、音楽が前景化しすぎてる粗さも感じられる。エールのサウンドトラックをもっと執拗に繰り返して、物語の中の倦怠感をもっと煽る事も出来たと思う。しか

もっとみる
【映画】ケイコ 目を澄まして/三宅唱

【映画】ケイコ 目を澄まして/三宅唱

タイトル:ケイコ 目を澄まして 2022年
監督:三宅唱

「やめる理由を聞くと、『コミュニケーションがうまくとれなくて、寂しい』と。」
聴覚に障害を持つプロボクサーという映画の原作となった小笠原恵子さんのインタビューの中で語られていた言葉を読んで、映画の中のケイコが抱えていたもののひとつが、くっきりと浮かび上がったような感覚を覚えてはっとした。映画の中のケイコが”寂しい”とこぼしたわけではない。

もっとみる
【映画】MEN 同じ顔の男たち MEN/アレックス・ガーランド

【映画】MEN 同じ顔の男たち MEN/アレックス・ガーランド

タイトル:MEN 同じ顔の男たち MEN 2022年
監督:アレックス・ガーランド

「エクス・マキナ」、「アナイアレイション」とSFが続いたアレックス・ガーランドの新作。「エクス・マキナ」に続いて再度A24とのタッグで、アリ・アスター的なオカルトっぽい雰囲気も感じさせるホラー調の作品。ミッドサマー以降、ホラーやオカルトはA24の十八番になってきているものの、そこはアレックス・ガーランドだけに一筋

もっとみる
【映画】台北暮色 強尼・凱克/ホアン・シー

【映画】台北暮色 強尼・凱克/ホアン・シー

タイトル:台北暮色 強尼・凱克 2017年
監督:ホアン・シー

台湾ニューシネマの巨匠ホウ・シャオシェンをエグゼクティブ・プロデューサーに迎えた、ホアン・シーのデビュー作。ウォン・カーウァイの影響も感じさせるカラフルな色合い(村上春樹っぽい不条理さも含め)が台北の街並みをリリカルに描く。とにかく間や映像の中のアトモスフィアと、エレクトロニカっぽいアンビエント調のサウンドトラックが調和していて、全

もっとみる
【映画】マルホランド・ドライブ Mulholland Drive/デヴィッド・リンチ

【映画】マルホランド・ドライブ Mulholland Drive/デヴィッド・リンチ

タイトル:マルホランド・ドライブ Mulholland Drive 2021年
監督:デヴィッド・リンチ

ブルーレイ4Kスキャン版で鑑賞。
数日前に公開されたBFIのランキングで8位に選出されていて、未だにこの映画の人気は衰えていない。

公開されてから20年経つのだけれど、常々こういったランキングには上位にいて、リンチの作品の中でも安定した人気がある一本である。難解な作品が多いリンチの作品の中

もっとみる
【映画】最近観た映画2022年11月

【映画】最近観た映画2022年11月

10年くらい前から新宿で映画を観ることが増えた。
家から都心に出るのに渋谷が一番近い事もあって、昔から渋谷に行く機会が多い。けれども新宿で映画を観る機会が増えたのは、単純に渋谷からミニシアター系の映画館が次々と無くなっている事が主な理由のひとつではある。この20年の間にシネセゾンやシネアミューズ、シネマアンジェリカ、シネマライズ、アップリンクなどが閉館。中にはシネクイントのように復活した映画館や、

もっとみる