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大河ドラマ「光る君へ」第22話~紫式部の和歌「かきくもり 夕立つ波の…」を考察する

こんばんは、もちまるです。

今回も大河ドラマ「光る君へ」の振り返りです。

今回は和歌が出てきたので、その解説になります。

今回出て来た和歌は、紫式部が父親為時の赴任先、越前(現在の福井県)に行く途中に詠まれた和歌だと言われています。

和歌はこちら。

かきくもり 夕立つ波の 荒ければ 浮きたる船ぞ しづ心なき

現代語訳はこちらのサイトから引用させていただきました。

(現代語訳)

空が曇り、夕立になって波が荒くなったので、浮いている船も心も揺れる

https://mag.japaaan.com/archives/223906/2  より引用

京都から、福井への道中。

平安時代は、車も新幹線も飛行機もない。
徒歩、馬や船での移動がメインになるでしょうか。

この和歌は、『新古今和歌集』や『紫式部集』など様々な和歌集に収載されていますが、紫式部集にある該当歌の詞書(和歌の前に添えられた説明文のようなもの)にはこのような文章があります。

「夕立しぬべしとして、空の曇りて、ひらめくに」

つまり和歌が詠まれた情景としては、夕立で空が曇り雷光が閃いているといった感じです。
とてもハラハラする情景ですね…

この和歌が詠まれた一連の流れについて、原田敦子氏は下記のように解説しています。

穏やかだった湖上の旅が、夕立の到来によって一転、稲妻の閃く中を乗船が荒々しい波によって翻弄される心細さを、式部は「浮きたる舟ぞしづ心なき」と表現している。

原田敦子「紫式部日記紫式部集論考」(笠間叢書)より

湖上で船に乗っていたら夕立に遭う。
どんなに怖いことでしょう…!

現代であれば、天気予報があり、荒天の際には船を出すことはありませんが、平安時代に正確な天気予報はなかったでしょう。

船、夕立…聞いただけでもゾッとします。

ドラマ内では、お部屋でのほほんと該当歌を詠んでいた感じだったので、穏やかな和歌かと思いきや、中々にスリリングな和歌でした。

今は、旅というと楽しいイメージが多いですが、交通機関の整っていない平安時代の旅は、楽しいだけでなく大変なことも沢山あったのかもしれません。

しかし、旅の途中に詠まれた和歌が他にもあることから、父の赴任先への同行は紫式部にとって感性を豊かにするものであったともいえます。

今回は、詳しいところまでは考察出来ませんでしたが、和歌から紫式部の旅の様子が分かるというのはとても興味深いですね。


最後におまけの話です😊

ドラマ内で、父の為時が鍼をされる場面がありました。

鍼をされて、
「ぎゃーーー!」
と叫んでいた為時。

私も定期的に鍼灸院に行っていますが、現代の鍼は全然痛くありません!
(施術する先生にもよるかもしれませんが…)

当時の施術がどうだったか分かりませんが、鍼をしたことのない方が怖いイメージを持たれませんように…!

鍼をしてもらうと、本当に不調が楽になります。
平安時代からあった医療が1000年を越えて、現代の不調も治すってすごいなぁとしみじみ…

それでは今日はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました。






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