マガジンのカバー画像

マガジン10 #読書

17
運営しているクリエイター

2021年11月の記事一覧

今日の1冊 『さよなら、俺たち。』

今日の1冊 『さよなら、俺たち。』

『さよなら、俺たち。』清田隆之

結論から言います。
これは日本の全男性が読むべき本です。

一口に言ってしまえばジェンダー問題に関する本ですが、
「女性よ、もっと強くなろう!」
「立ち上がれ女子たち!」
と言ったものではなく、
男性たち、つまりは「俺たち」へ向けた1冊です。

「俺たち」が知らず知らずのうちに、
疑問にすら思わずに、
享受している数々の特権に気付きを与え、
変化を促す内容になって

もっとみる
今日の1冊 『レイシズムとは何か』

今日の1冊 『レイシズムとは何か』

今週の1冊
 『レイシズムとは何か』 梁英聖

BLM運動に代表されるように、近頃頻繁に耳にするようになった『レイシズム』という言葉。

日本に住む皆さんはこう思ってませんか?
『日本は単一民族だから』
『日本には人種差別は無いから』
『対岸の火事でしょ』

それは違います。
日本には見えにくい、隠されたレイシズムが社会にこびりついています。
そして、欧米に見られるような『反レイシズム』のメカニズ

もっとみる
今日の1冊 『漂泊のアーレント、戦場のヨナス』

今日の1冊 『漂泊のアーレント、戦場のヨナス』

『漂泊のアーレント 戦場のヨナス』
戸谷洋志、百木漠
慶應義塾大学出版会

学生時代親友であった2人の哲学者の人生とその思想、そして2人の間の友情を記した1冊です。

ナチス政権下のドイツを脱出し、
アメリカで再会し、欧米の哲学史、世界の戦争認識に大きな影響を与えた、
ハンナ・アーレントとハンス・ヨナス。

ナチスの幹部、ヒトラーの側近を戦後に裁いた「アイヒマン裁判」における
「凡庸悪」の分析や、

もっとみる