翳に沈く森の果て #13 川
璃乃(アキノ)は曇天の深い森の朝霧の中で、深い草を分けて進むにつれ足元を濡らす露の冷たさを清々しく感じながら、こうして龍胆(リンドウ)と言葉を交わしていることが相変わらず不思議だった。そしてずっと互いのことを知っていたのに初めて顔を合わせた時に感じる違和感と変な恥ずかしさもまだ消えずにいた。ただ璃乃の人生を共に生きて来た者として互いにいくつかの印象的な思い出について話していると、様々な葛藤がありながらも記憶の璃乃はいつも重要な折には精一杯考え抜いててきた。そして最終的に龍胆