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生活習慣と健康とマインドフルネス瞑想。

心身の健康を手に入れるためには当たり前ですが、マインドフルネスの瞑想や実践だけでは不十分です。

マインドフルネスの瞑想に取り組んでいるけど、生活習慣には無頓着といった人がけっこういます。

たしかに心の持ちようで身体の状態は大きく変わりますから、まずはマインドフルネスの瞑想に取り組もうという考えは間違いではありません。

しかし本当の意味で心身の健康を考えるのであれば食事内容を整えたり、運動習慣を身に着けたりと、生活全般を見直さないといけません。特に深い悩みや問題を抱えている人は。その悩みや問題は生活習慣が原因であることも少なくありません。

瞑想を毎日2時間行っているけど、食事はジャンクフードばかりで運動もせず、ダラダラ過ごしている人が健康になるでしょうか?

考えなくてもわかりますね。

ということで私が提供するマインドフルネスのレッスンでは、食事や運動も指導することがあります。

いや、その道の専門家を除いてほぼ全員に食事や運動の方法もお伝えしています。断片的な情報を元に偏った食事(例えば過度な糖質制限など)や運動をしている人もいるからです。

マインドフルネスの指導者が食事や運動の指導が出来るのか?やってもいいのか?と思う人もいるでしょう。

大丈夫です。私はその道に関してもプロです。大手フィットネスクラブで15年以上パーソナルトレーナーとしての指導経験があります。そこではダイエットしたい人や生活習慣病(高血圧や糖尿病の人が多かった)を抱える人を対象に指導していました。

今みたいに筋トレがブームになるかなり前、パーソナルトレーナーの世間的認知度が低い時代から活動していたわけです。

当時は「パーソナルトレーナーをやってます」と言っても「何それ?」って反応でしたから。

ちなみに4年ほどですがスポーツ強豪の大学や高校で、競技力向上のためのウエイトトレーニングを指導した経験もあります。


食事内容を整え、運動習慣を身に着けて、身体の機能を高める(改善)ことは、マインドフルネスの瞑想や実践の質を上げることにもつながります。

例えば、エネルギー循環や免疫システムの働きを支える糖代謝は、直接的に瞑想の質と大きく関係します。

糖代謝が低下(糖代謝異常)すると、身体は糖を上手くエネルギーとして利用することが出来なくなります。

ご存じの通り、脳のエネルギー源は糖(ブドウ糖)です。

糖代謝が低下して糖を身体が上手く利用することが出来なければ、エネルギー不足に陥り脳の機能が低下します。

もちろん糖が不足しても身体は体脂肪や筋肉を分解してエネルギー源として使うことが可能です。しかしこの方法では脳のエネルギー全部を賄うことが出来ないため、脳の機能低下は避けられません。

糖質制限をやってはいけません。特に日本人は。

脳の機能が低下すると、イライラしやすくなったりなど感情のコントロールが難しくなります。また集中力や認知機能も確実に下がります。

マインドフルネスの瞑想は基本は対象に集中すること、正しく対象を知覚することです。集中力や認知機能が下がれば、瞑想の質が下がるのは当然。

もちろん瞑想だけでなく、日常生活の質も低下します。仕事でもミスが起こりやすくなるだろうし、勉強の質も下がるでしょう。

集中力が低下すれば話を聴く能力も落ちるため、コミュニケーションで不具合が生じ、人間関係の悪化を招くかもしれません。

こんな状態が続くと自己否定や不安など、ありとあらゆるネガティブな感情や思考が生じやすくなるでしょう。囚われも強くなります。こじれるとうつ病を始めとする精神疾患を患うリスクが上がります。

残念なことに多くの人は糖代謝が低下していると考えられます。その根拠は「強い囚われ」「高脂肪食の高頻度」「慢性的な運動不足」に陥っている人がたくさんいるからです。

あなたの心の問題の原因は、心ではなく生活習慣にあるかもしれません。


糖代謝が低下した状態を何年も放置すると、糖尿病を発症します。糖尿病は糖を身体が上手く活用できない代謝障害です。

その結果として余った糖が血液中に溢れて、血糖値が高い状態が続くのです。血糖値が高いのは原因ではなく結果です。

GI値の低い食品を食べて血糖値が上がらないようにしても、糖のエネルギー代謝が改善されなければあまり意味はありません。

糖代謝が低下する最大の原因は、運動不足による筋肉量の低下と高脂肪食(特に多価不飽和脂肪酸の多量摂取)です。

筋肉は糖を取り込む最大の器官です。筋肉量が少ない人は細胞が糖を取り込む量も少ないため、摂取した糖が余りやすいのです。

高脂肪食も糖を取り込む力を低下させます。運動不足の人が高脂肪食を続けると最悪です。筋肉内にも脂肪が侵入してきます。いわゆる霜降り肉というやつで、インスリンも効かなくなります。痩せている人が糖尿病になるのはこれが原因です。

ちなみにストレスによって生じる囚われも糖代謝を低下させます。瞑想や呼吸法によって糖代謝が改善し、血糖値が低下するといった研究もあります。


本当の意味で心身の健康の維持・増進を望むのであれば、食生活を整え、運動習慣を身に着けて、メンタルケア(特に瞑想)をすることです。これは私だけでなく、昔から(今も)多くの人が言っていることです。

私のレッスンでは、一人一人に合わせた食生活や運動法をお伝えしています。それは状態が一人一人違うからです。マニュアルはありません。まさにパーソナルトレーニング。

それでも多くの人に共通する良い方法はあります。それは出来るだけ自炊をして食べ過ぎず(腹八分目)、毎日運動することです。

運動は筋トレをお勧めしています。ウォーキングを推奨する人が多いのですが、運動として私はあまりお勧めしていません。理由はウォーキングは強度が低いため、筋肉量を維持するのが難しいからです。早歩きはOK。

マインドフルネスを取り入れた「歩く瞑想」はお勧めですが、これは運動というよりは心のトレーニングとしての実践になります。



ジムに通うのが面倒な人や筋トレのやり方がわからない人は、日々の生活でエレベーターやエスカレーターではなく階段を使うと良いでしょう。

階段の上り下りはかなりの運動強度です。下半身の筋肉だけでなく、心肺機能も鍛えることが出来ます。

やったことがある人はわかりますが、階段を使って3階に上るだけでもけっこうキツイのです。毎日の通勤で階段を使えばわざわざジムに行って筋トレをする必要はないでしょう。

運動とマインドフルネスを組み合わせると段違いに効果的ですが、これは中・上級者向けとなります。下手に行うと逆効果なので独学での実践はお勧めしていません。

ここでお伝えした内容は地味ですがコツコツ続けることで確実に心身の健康に寄与します。

巷には「〇〇だけすればいい」「〇〇を食べればいい」「○○というサプリメントが効果的」というキャッチコピーが溢れていますが、これは売る側だけが得をするための言葉です。

心身を健康にする魔法はありません。地味なことを毎日、行うしかないのです。しかしあまり健康を意識し過ぎると落とし穴にハマります。健康への強い囚われです。健康に強く囚われてしまうと逆に不健康になることがあります。


プロフィール
西山 純一 
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/

メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。

指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。

20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。

同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。

プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。

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