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マインドフルネスの実践で脳をアップグレードしよう

マインドフルネスの瞑想や実践に取り組むと、脳のあらゆる部位が厚みを増して発達し、それに伴い脳機能が向上することが様々な研究から明らかになっています。

マインドフルネスの瞑想は脳を発達させる体系的なトレーニングと捉えることも可能で、脳の筋トレと呼ぶ人もいます。

しかしいつもお伝えしているように、一般的に広がっているリラックスや心を落ち着かせることを目的としたマインドフルネスの瞑想に取り組んでも、脳機能は向上しません。これはトレーニングではないからです。

ただ強い緊張や睡眠不足などによって一時的に脳機能が低下している場合は、リラクゼーションに取り組むことで元に戻ることはありますが。

マインドフルネスの瞑想や実践によって、特に発達する部位は前頭葉です。前頭葉は理性や思考を司る私たちの活動を支える重要な部位です。

前頭葉が発達すると「思考力」「判断力」「集中力」「共感力」「やる気の維持」「感情をコントロールする力」などがアップすると言われています。


中でも集中力は段違いにアップします。

集中力が上がると仕事でも勉強でも生産性が上がり、短い時間で多くのタスクをこなせるようになります。

目の前の仕事や勉強に対する集中が弱いという悩みを持つたくさんの人が、個人セッションを受けに来られています。スマホ依存によって集中力が低下している人も増えているのでしょう。

集中力が低い人は、自分の意思とは無関係に浮かぶ思考や言葉、イメージに邪魔され、目の前の作業に意識を向けることが困難です。

そのため「ミスが起こりやすくなる」「文章を読んでも理解できない」「忘れ物が多い」といった事態に陥るのです。

より良い人生を送るためにも、集中力を絶対に高めるべきだと考えています。


集中力は人間関係にも大きな影響をもたらします。

話をきちんと聴ける人は、好かれますしあらゆる場面で重宝されます。そのため話を聴く能力を高めたいと望む人は少なくないはずです。

話を聴く能力は集中力と関係します。集中力は話を聴く能力を支える土台です。会話中に浮かぶ雑念に邪魔されず、意識を目の前の相手に向け続けることが良好なコミュニケーションを取る第一歩なのです。

話をするのは集中力がなくても問題ありません。頭に浮かんだことを口に出せば良いからです。ただそれだけでは相手に合わせたり、空気を読んでその場に応じた話をすることは出来ません。

相手が嫌がっていることに気づかずに、一方的に話し続ける人がまさにそれ。

話を聴けない人は「次は何を話そうか?」「相手はどう思っているのか?」「自分はどう見られているのか?」など、無意識に浮かぶ思考で頭がいっぱいです。意識が自分にしか向いておらず、囚われた状態。囚われから抜け出すためにも集中力が必要です。

集中力はうつ病の発症とも関係しています。

うつ病の大きな原因は反芻思考であることがわかっています。反芻思考とは簡単に言えば、ネガティブな思考や言葉などを頭の中で繰り返すことです。反芻思考はそれに付随する感情や記憶も生じさせます。

集中力が低い人は「今ここ」に心を向けるのが苦手です。心が「今ここ」から離れると反芻思考が強くなります。

反芻思考が起きても「反芻思考が始まった」と自分の状態に気づき、手放せば問題はありませんが、手放すためにも集中力が必要です。

うつ病の予防や改善を望むのであれば、正しいマインドフルネスの瞑想や実践に取り組むべきです。その効果はたくさんの研究で認められています。


マインドフルネスの瞑想は右脳を開発する効果もあると言われています。右脳を開発すると創造性が高まることがわかっています。

左脳優位の現代人はマインドフルネスの瞑想に取り組んで、右脳と左脳のバランスを取った方が良いでしょう。左脳優位の状態は、うつ病の原因である反芻思考が起こりやすくもなります。

左脳優位を解消して右脳を開発していくと、キャッチできる情報が増え視野が広がります。視野が広がると悩みや問題の答えを見つけやすくなります。多くの経営者が瞑想に取り組むのは、メンタルヘルスだけではなくそれを求めてのことでもありるでしょう。

右脳と左脳の話については、ジルボルト・テイラーの「奇跡の脳」がとてもわかりやすいと思います。この本を読めば「瞑想したい」という気持ちが沸いてくるはずです。


マインドフルネスの瞑想や実践で本当に脳機能が向上するのか?と疑っている人が少なくありません。個人セッションやセミナーに来られる方の中にも懐疑的な人がいます。

それを確かめるには、実践して自分自身で変化を実感するしかありません。実感するまでは、いくら論文や本を読んでも疑いは晴れないでしょう。

マインドフルネスの瞑想や実践を通して変わりたいと望むのであれば、理屈に納得できなくても疑いを捨てて取り組むことです。疑いを持ちながらの取り組みは、雑念を膨らますだけで意味がありません。

マインドフルネスの瞑想に取り組んでいるのに、変化を感じることが出来ない人は疑いを持って取り組んでいるか、取り組み方が間違っていること(多くはこれ)が原因です。


どれくらい取り組めば脳機能が向上するのか?

目的や取り組み方によって変わるので何とも言えませんが、8週間の実践で脳が変わるという研究報告が多くあります。

マインドフルネス8週間プログラムは、それが根拠になっているのです。

マインドフルネスの瞑想や実践に取り組む際の注意点があります。それは「脳機能を向上させよう」とか「右脳を開発しよう」と考えて取り組んではいけないということです。

マインドフルネスの瞑想や実践の基本は、「今ここ」で自分と自分の外側で何が起きているのか?に気づき、観察することです。脳機能の向上とか集中力のアップは結果であり、目的ではありません。正しく実践すれば必ず結果が表れます。

プロフィール
西山 純一 
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/

メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。

指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。

20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。

同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。

プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。

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