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南ミツヒロ
2024年8月25日 23:58
「イワン・デニーソヴィチの一日」を読んた。表紙が好きという理由だけで選んだけど、予備知識なく期待もせず読めて幸運だった。収容所の男がひたすら労働して、パンを節約している。一口ごとに小さく味わって、隠して後でお粥の器をぬぐって食べる用に服に隠してとっておく。仲間にタバコを分けて欲しくてずっと隣でタイミングをうかがってたり、極寒の中でまともな防寒対策もなく延々とレンガをつんだり、わずかな暖房
2024年8月24日 22:47
花村萬月「笑う萬月」を読みました。この人のエッセイはいくらでも読めるし、読むたびに痛い。本人は文学について学んでいない。学校もほぼ行ってない。なのに、バイクだ音楽だと青春を謳歌して、自分の才能とカンの鋭さでエグいぐらいもてて、暴力衝動や薬物中毒も全部作品に昇華させて作家として成功した。花村作品は、才能というものの残酷さを思い知らされるから痛い。直接そんなこと書いてないのに、「お前、人生
2024年8月17日 22:27
河﨑秋子はちゃんと北海道では誰もが知る超有名作家になってるんですか?短編集「土に贖う」のうちの一遍でもいいから、学校でちゃんと読ませてるんですか? トロの刺身を食べただけでマグロ全体が生きていたことを想像できるように、数ページの短編ひとつで北海道の大地と寒さが頭に注入される。この本は北海道の刺身。北海道の切り身。北海道のえんがわ。地方小説としてすごくかっこいい。このテキストは四国で書いて
2024年8月11日 00:05
「それから」を読んだ。学校で「坊ちゃん」を勧められても読まなかった記憶があるのに、大人になって、自分で読みたいから自分で稼いだ金で文庫本を買って、1日2行しか進まない日もあるけど、少しづつ、自分で読みたいから読むことができた。読書感想文でもない、作者の考えを読み取るでもない、ただ100年前の人の言葉使いとか、文章が好きだから読んだだけ。この時代とは人生の長さも、きいてる音楽の速さも違うのに