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SF、読書のよろこびマガジン

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2023年7月の記事一覧

【読書記録】アーサー・C・クラーク「宇宙のランデヴー」にしびれた話をさせてください、さあ。

【読書記録】アーサー・C・クラーク「宇宙のランデヴー」にしびれた話をさせてください、さあ。

これの話です。何十年も前の作品なので、完全に結末まで言っちゃっていいと判断してしまいます。要はネタバレです。

「宇宙のランデヴー」は、遠い未来の、宇宙に飛来した謎の物体をめぐる物語。

銀河の果てから巨大な「くるくる回る水筒」みたいなやつが飛んでくるのです。最初は流星かなにかだと思ったが、明らかに他の文明によって作られたもの。
このまま行くと永遠にないのかと思っていた「異星人との接触」。そのとき

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【読書記録】アフリカ幻想冒険小説「薬草まじない」

【読書記録】アフリカ幻想冒険小説「薬草まじない」

まえのタイ小説に続いて、アフリカ小説。40年も前のものなので、さすがにネタバレしてもいいよね?

奥さんに子供ができる薬を求めて、さいはての地に住む「女薬草まじない師」に会うため、勇敢な狩人だった若者が旅に出る。
特にアフリカでは不妊は重要な問題だからね。

得意の弓を持って、ジャングルの奥地へ!立ちふさがる「首の取り外しがきく男」!
「アブノーマルな蹲踞の姿勢の男」!
日陰で休んでいたら日陰ごと

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ラッタウット・ラープチャルーンサップ「観光」今年ベスト短編集!

ラッタウット・ラープチャルーンサップ「観光」今年ベスト短編集!

タイ系アメリカ人の短編集。ハードル低かったのもあるけど、すごい良かった!誰かにオススメの短編聞かれたらこれにする!
こんなのとの出会いがあるから、ブックオフもたまには行くもんだな!

「カフェ・ラブリーで」
お兄ちゃんに連れられて初めて悪い遊び場に行くはなし。
お兄ちゃんについて行ったら大丈夫、と思っていたらシンナー吸いだしてわけわかんない状態になって、一人で取り残された少年が女の人にからかわれな

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【読書記録】吉村昭「高熱隧道」

【読書記録】吉村昭「高熱隧道」

「昭和は今考えるとおかしい」
テレビ番組のフォーマットで、年の差ゲストを読んで昔の映像を流すのが人気だ。
ぼくは理解できる昭和もあるけど、
「黒部渓谷のトンネル工事、開通までの犠牲者300人以上」
は、さすがにノンフィクションなのか、あとがきを読むまで信じられなかった。人名や細かい行動はさすがに架空のようだが、事実関係は調査した通りだという。

発電所完成のために北アルプスに貫通させるトンネル工事

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