本番を 思う動きは 試験曳き 今年も見せ場は 激しく回り
昨夜、駅を降りるといつもと違っている。いつもなら静かな駅前、車がときおり通るくらいで、歩いている人の数はそんなに多くない。だが今は違う。黒山の人だかりとなっており、その中に明るい何かがうごめいている。
うごめいている正体は地車である。今年も秋祭りのシーズンがきたのだ。秋祭りと言っても本番ではない。試験曳きと呼ばれるリハーサルだ。だが、やっていることは完全に本番の動きにみえる。青年団と称される若者たちを中心に、伝統的な祭りの地車だ。提灯の明かりに隠された中には高度な浮彫技術と歴史上の出来事が施された地車があった。そして休むことなく太鼓や鐘が鳴る。地車を囲むように多くいる若衆やかつての若衆と思われる先輩たちが盛り上げる中、曳歌と呼ばれる歌を唄っていた。
ステージのショーなら有料だが、無料の路上で行われているのがすごい。交通整理はしているが、通行止めではない。だから車が何度も往復した。歌が終わるとさらに大きなテンションになったかと思えば、地車の前方を下に下げる。そして前方を軸にしてぐるぐると激しく回りだした。
あと2週間後が本番だというが、すでに動きは本番そのもの。当たり前であるが、今年も見せ場は例年通りだと思った。
本番を 思う動きは 試験曳き 今年も見せ場 激しく回り
(ほんばんを おもううごきは しけんびき ことしもみせば はげしくまわり)
今日の記事「河内長野と富田林の地車」を参考にしました。
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