見知らぬ他人

見知らぬ他人|自然の愛撫

  自然が沈黙した。
  優しい会話や慰めが消えた。

  そして翌日から
  あらゆる自然が私を捕まえて
  内側へと侵入してきた。

  Intrude by the Nature
  
  自然によって犯される。
  微に入り細に入り。

  私はそのエネルギーが何の樹木であるか、
  そもそも樹木なのか
  川の水なのか
  鳥たちなのか
  空なのか
  大地なのか
  全く分からなかった。


  Total Stranger
  
  見ず知らずの他人。
  顔も見ず
  何者かもわからず
  何の準備もなく
  唐突に始まる性戯のようなもの

  そして前戯もなく
  あっという間に体中が満たされた。
  自然のエクスタシーの声が響きわたり
  私の全身が震えた。
  絶え間ない快感の中で我を忘れた。

  自然と睦みあい
  愛し合い
  溶け合い
  ひとつになり
  そして

見知らぬ他人

  
  Good Gone 

  来た時と同じように突然消える。

  自然は私が何者であるか
  誰であるか
       全く頓着しない。
  お互いに、
  たまたまそこにいて存在していたから
  ただひとつになった
  それだけの事。

  存在への完全な信頼だけがあった。

  Alone Again

  やがて一人取り残され
  我に返り
  何の傷跡も
  残り香さえもない
  いつもの日常に戻る。

  見渡す景色は
  私に触れようともしない。


  Silence infinity

  自然は沈黙したまま

見知らぬ他人2

(Photo: Mt.Shasta, RedWood National Park ©MikaRin)




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