六本木・秘密のお茶室を訪ねて〜サントリー美術館「織田有楽斎」から玄鳥庵、カフェ加賀麩不室屋へ
「織田有楽斎展」開催中のサントリー美術館へ。
有楽斎は、織田信長の弟。武将として信長、秀吉、家康に仕えて戦乱の世を生き抜き、茶人としても知られている人物だそう。
ゆかりの茶道具や、お茶の仲間たちととやりとりした手紙を見て回りながら、人との縁を大切にした人だったのだろうなあと思いました。
展覧会の後は、秘密の隠れ家へ。
サントリー美術館の6階に、玄鳥庵というお茶室があって、展覧会開催中の指定日、薄茶をいただくことができるのです。
席数が限られているので、早起きして整理券を受けとります。
開館30分前に到着したのですが、私の前に、既に20人の方が並んでいました。
お茶席は畳の席と、立礼の席(椅子)に分かれていて、お座敷が人気のようです。私は時間の都合もあり、立礼のチケットを選んだのですが、正座がつらいというご婦人に代わっていただき、幸運にもお座敷の末席に加わることができました。
ふだん通っている教室は表千家なので、裏千家のお点前を間近で拝見することができ、違いが興味深かったです。
お菓子は鶴屋八幡の「桃柳」。若草色と桃色のそぼろあんが美しいです。
六本木のビル街を借景に、静寂の中でお茶をいただく、贅沢なひととき。
次回からはできるだけ、呈茶席の開催日を選んで来館しようと思いました。
サントリー美術館を訪れたら、併設されている加賀麩不室屋のカフェにも立ち寄ります。
金沢を訪れて以来、もちもちのお麩が大好物なのです。
今回は、いつか食べてみたいと思っていた「加賀麩とりどり膳」を。
色とりどりのかわいらしい小皿に、加賀麩を使ったさまざまなお料理が並んでいます。
調理法や味付けによって印象ががらりと変わる、奥深い食材だなあと思いました。
お土産は、不室屋に行ったら「ぜったい買ってきて!」と子どもたちに頼まれている「宝の麩」。
「ふやき」の中に、お麩や野菜が入っていて、お湯を注ぐと美味しいお吸い物が楽しめます。
ふやきがほどけて、かわいらしい花麩があらわれる様子は本当に宝箱みたいだし、お湯でやわらかくなったふやきが美味しいのです。
静かに満ちてくるような、良い時間を過ごさせてもらいました。