大徳寺塔頭から今宮神社、歩粉をめぐる〜京の冬の旅
禅宗の名刹、大徳寺へ。
広大な敷地に、多くのお寺(塔頭)が並んでいます。
ふだんは非公開のお寺が多いのですが、「京の冬の旅」期間中、特別にいくつかの塔頭を拝観することができます。
まずは石田三成や古田織部の菩提寺、三玄院へ。
どこから見ても視線が合う「八方睨みの虎」が出迎えてくれます。
織田信長の菩提寺である総見院と、前田利家の正室まつが創建した芳春院も拝観しました。
縁側にさすあたたかい陽ざしの下で枯山水のお庭を眺める、静かで穏やかな時間。空気が凛と澄んだこの季節は、禅宗のお寺をたずねるのにぴったりです。
そして一番楽しみにしていた大徳寺 聚光院。
茶聖、千利休の菩提寺です。
狩野永徳とその父、松栄による国宝の障壁画が京都国立博物館から里帰りして、間近で拝観することができます。
少人数のツアー形式で、丁寧に解説していただけるのでとてもわかりやすく、幽玄な水墨画の世界にあそぶ幸せな時間。
聚光院では、千住博画伯の障壁画『滝』も見ることができます。千年経っても色褪せないという岩絵具の群青に、真っ白な滝が流れ落ちる神秘的な光景。以前、制作の様子をドキュメンタリーで見たことがあったのですが、目の前で拝見するとすごい迫力。青が深すぎて、泣きたくなるくらい綺麗でした。
「京の冬の旅」対象施設のスタンプを集めると「ちょっと一服券」として使うことができるのもうれしいポイント。
今回は1637年創業、今宮神社前の「かざりや」さんで、名物のあぶり餅をいただきます。
きな粉をまぶして炭火で焼いたお餅に、甘めの白味噌だれが絡んで、いくらでも食べられそう!
平安時代、疫病退散を祈願して創建された今宮神社にもお参り。
いい香りがして、栞としても使える「和歌おみくじ」が可愛いらしいです。
古いお寺や神社を歩いていると、百年、千年の時空を飛び越えて、古の人の日常を覗かせてもらっているような気がします。
旅の終わりは京都・大徳寺の北にあるデザートのお店、歩粉(ほこ)でひと休み。
以前、東京にお店があったときから、いつか訪れたいと思い続けていました。
看板メニューのデザートフルセットは、2皿の盛り合わせに、静岡の和紅茶がついています。
素材にこだわったお菓子は、どれも驚きと感動に満ちていて、食感と香りの変化が楽しいです。
ひと口ごとに瞑目する至福のひととき。
食べるひとを心から想って作られたものは、心まで元気にしてくれます。
さあ、次はどこへ行きましょうか。