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ブルックリン・フォリーズ/ポール・オースター、柴田元幸(訳)




ポール・オースターの長編小説
「ブルックリン・フォリーズ」を拝読しました📖´-
(2024,8,10 読了)



ポール・オースター2冊目。
本書も自分主催の読書会”作家(翻訳家)縛り読書会 第5回「追悼 ポール・オースター」at LINEオープンチャット読書会すみれ”でご紹介するために拝読しました。


読書会仲間さんがポール・オースターを読むなら始めは本書がおすすめと教えてくださっていたのですが「幽霊たち」の方がページ数が少なかったので先に拝読してしまいました。
でも、やっぱり読書会仲間さんのおっしゃる通り本書から拝読した方がよりポール・オースターの世界に入りやすかったかも!?後悔先に立たず、後の祭り。
アドバイスを素直に受け容れなかった私のアホ。
いや、2冊とも興味深い物語だったのでどんな形にせよ拝読できてよかったんですけどね。

還暦を前に離婚し、静かに人生の終末を迎えようとブルックリンに戻ってきた主人公。我が身を振り返り「人間の愚行(フォリーズ)の書」を書くことを思いつきます。
ところが、街の古本屋で偶然青年へと成長した甥っ子と再会してから思いも掛けない冒険と様々な出来事が起こり始めていくのでした。

背表紙から要約


おじさんの冒険譚とはどんなもんぞやと思いながら読み始めました。なんとなく少し前に観た「パリ・テキサス/ヴィム・ヴェンダース」のような雰囲気を感じます。
やっぱり私の中でヴィム・ヴェンダースとポール・オースターってどことなく被る。


主な登場人物たちは大抵青年〜初老の人達でキラキラしてないしこじらせてるのですが、そこが妙にリアルで親近感が湧きました。

読書が私の逃げ場、慰め、癒し、わがお気に入りの興奮剤だった。



読書好きの方は首をブンブン縦にふって共感するような言葉ではないでしょうか。
私もそう……子供の頃からすぐ傍に本がある生活だったので本が身近にない、読書ができないという環境が全く想像つきません。
本がなかったらもっと苦しむことになっていたかもしれないと思うと恐ろしいことです。

物語のなかで生きる幸運、架空の世界で生きる幸運に恵まれた人たちにとって、この世界の苦しみは消滅します。物語が続くかぎり、現実はもはや存在しないのです。


生きていると辛く苦しいこともあるし、哀しいことも逃げだしたいような事もありますが、そんなことばかりではなく喜びや幸せに導かれることもあります。
自分の人生を長い長い物語のように俯瞰的に見て、味わっていきたいと本書を拝読しながら思いました。

魚は泳ぐっきゃない
鳥は飛ぶっきゃない
あたしは一人の男を
死ぬまで愛するっきゃない……


なんて言えばいいんだろうな……ンー……
抽象的なんだけれど変に嘘っぽくなくて、静かに自分の感情と向き合えるような一冊でした。
ポール・オースターいいなぁ。
文章がうるさくない、静かに私の中へ入り込んでくる。
他に積読している作品を拝読するのも楽しみです。




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