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【本】読書感想文③


読むペースがゆっくりになったなあ。。
そんな風に思いながら、先日図書館で借りてきた本の感想を綴ってみようと思います。
今回で3回目になります。



いる いない みらい
窪美澄 著


5つの物語がそれぞれ書かれていました。

その中で私が読んで気づいたことは、
どの物語の中にも、人と人が想うこと、想い合うこと、そしてその背景にある様々な事情の家族が描かれているように感じました。


共感する気持ち、
切ない気持ち、
怒り、
やるせなくなる気持ち、
ふんわりと柔らかい気持ち、
そして、温かい気持ちにもなれる物語だなと思いました。


その中でも最後の物語である、
「金木犀のベランダ」
パン屋のご夫婦とその周りを囲む人間模様を描いた物語でした。
その中で、パン屋のお客さんと店主との話の場面で、心に響いた一説がありました。

「欲しいと思ったものが手に入らないこともあるの。手に入らなくても欲しい、欲しい、って手を伸ばすのが人間だもの。だけど、すでに持っているものの幸せに気づかないことも、時にはあるわね。」

いない いる みらい 金木犀のベランダより


確かにそうかもしれないなと、素直に思いました。
その後に続く2人の会話にも、
そうだなぁ、確かになぁ、と思わされる話が続いていました。

この中に出てくる「すでに持っているもの」とは、物体であるモノだけではなく、人の想いという意味での気持ちもモノとしても含まれているのではないかなと感じました。

どうしても人には、「欲 よく」というものが生まれてしまいます。気づいたらってことよくありますよね。


こういった、物語の中心的な場面では無いものの、読んでいる中で、それがたとえ物語であり、架空の世界の話だったとしても、
ふと自分の現実を見つめ直す、考え直すきっかけを教えてくれることもあるんだなと思いました。


今回、ふと取った窪美澄さんの本は初めて読みましたが、一つ一つの物語に、喜び、嬉しみといったポジティブな感情と、切なさ、怒り、悲しみといったネガティブな感情とそれぞれ感じる気持ちになりました。


家族がいる人、いない人、
人との出会い、別れ、
好き、嫌い、
友達、仲間、同僚、
子ども、大人、
誰もが当たり前に抱いている感情と向き合える一冊ではないかなと思います。

一つひとつの物語が完結して描かれているので、読みやすいと思います。


同じ、窪美澄さんの本をもう一冊図書館から借りてきているので、そちらもゆっくり読み進めてみようと思います。



ここまでお読みいただいた皆さまに感謝します。
ありがとうございます🌷

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