詩でも小説でもない、ただ自由にいつかの誰かの何かのお話を書いた「白の手帖」シリーズをまとめたものになります。中には私、白散歩の要素を含む頁もございます。(4頁「百合の色、白とそれ…
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【白の手帖】5頁「息」
1度も11月のカレンダーを捲ることなく
10月だった僕は12月になった。
世界を観た。狭い。
そして広い。
なにもしない時間だって間違いなく生きていて、
本当になにもしていないことなんて、
本当は無い。
眠っていても心臓は動いているし、夢だって見る。
一昨日は、初めて自分が死ぬ夢を見た。
いつも顔を合わせている職場の人に気付かれず、
なぜか苦手な人が僕の死を喜んでいて、
憎しみは死んだ後
【白の手帖】4頁「百合の色、白とそれから」
私は空腹でした。
当たり前で満たされているこの世界に
嫌気がさしていたのかもしれません。
欲というものは厄介で、
欲によってヒトは何か誤ちを犯したり
後悔してしまうのかもしれません。
これはヒトでいる限り
付き纏ってくるのでしょうか。
そんなことを考えながら私は、
乾いた唇をギュッと固く結びました。
「白、代わって」
声がしました。
「いいけど、何か食べたらね。」
私はしっかりと返事