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  • おすすめ記事 総集編

    好評だった記事をひとつに。

最近の記事

キャラメルのおまけと録音テープ 

 1984年、1985年に江崎グリコ、森永製菓など大手の食品会社を標的とした企業脅迫事件が阪神間を舞台に繰り広げられた。 この事件の犯人からの要求を伝える電話に子供の声が使われた従来の常識からは想定外の手口を使っていたので捜査も困難を極まり戦後最大の未解決事件となりました。  その頃、私の子供達も10才と8才でしたのでグリコや森永のお菓子をよく買っていました、しかし犯人から毒入りお菓子がばら撒かれたとの報道でスーパーの棚からお菓子が消えたことを覚えています。  塩田武士著

    • 湯川教授の出生の秘密

       東野圭吾のガリレオシリーズは、過去に何冊か読みましたが私が一番好きだったのは「容疑者Xの献身」でした。 映画でも見ましたがなんと言っても天才数学者の堤真一が、うらぶれた教師の役を見事にこなしていました。 今回の「透明な螺旋」では湯川教授の個人的情報が存分にわかった事が嬉しかったです。 だから、この本の内容は殆ど触れていません、今までの湯川学は人間味の薄い、所構わず数式を書きなぐる男であり、刑事の内海薫がいつもその被害にあっているのです。  南房総沖に男の銃殺死体が漂流し

      • ふがいない姫君の末路

         芥川龍之介の「六の宮の姫君」は大正十一年、「表現」にて発表されました。 この短編小説の元ネタは今昔物語だと言われています。 私が最初にこの物語を知ったのは漫画家、山岸凉子の作品の中にありました。 もうずっと若い頃の事でしたが、不思議に思い出すのは『ふがいない』と言う言葉でした。 『ふがいない』と言う言葉は、情け無いほど意気地が無いなどネガティブな意味あいが強い言葉です。 この物語の主人公である六の宮の姫君と対極に存在するのが、以前noteに投稿した日野富子だと思います、どち

        • 『秘密を知ってるクラスメート』くん

           僕は、高校2年の4月たまたま病院でクラスメートの山内桜良(さくら)と出会った。 その時彼女は、膵臓の病気で余命数年だと僕に教えてくれた。 この事は、親友のキョウコにも内緒にしているらしい、彼女の家族と僕しか知らない。  住野よる作『君の膵臓をたべたい』を読んで不思議だなと思ったのは、冒頭から山内桜良だけがフルネームなのに親友のキョウコ、クラスメートのリカとヒナはカタカナ文字、 僕に至っては「〇〇なクラスメート」くんで呼ばれている。 その都度「秘密を知ってるクラスメート」く

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        • おすすめ記事 総集編
          10本

        記事

          『悪女』と呼ばれた日野富子の真実

           八代将軍足利義政の時代、応仁の乱は畠山政長と畠山義就の家督争いや、将軍家の後継問題、有力大名の細川勝元と山名宗全の主導権争いなどを要因として諸大名が東西両軍に分かれる形で応仁元年に勃発したが混迷を極めた戦乱は十一年にわたって続き、主戦場となった京都の荒廃や室町幕府の衰退を招いた。 《日野富子の誕生》  享年12年(1440年)日野重政の娘として京都で誕生した。 足利将軍家と縁戚関係にあった日野家の出身で康生元年(1455年)富子は16歳で義政の正室となりました。 しかし

          『悪女』と呼ばれた日野富子の真実

          美貌の若君の狂気〰️どんな因果を秘めていたのか

          狂気は多重人格のなせる技 宮部みゆき原作「この世の春」上・中・下の3冊は長編ながらスルスルと短時間で読み終えました。それ位、彼女の魅力的な文章は私の心を捉えました。  6代将軍徳川家宣の時代、下野の国(現在の栃木県)北見藩主北見重興の押込騒ぎからこのお話は始まります。押込とは、今で言う強制隠居と言うことです。 重興の乱心に困り果てた藩の筆頭家老、脇坂勝隆ほか4席の家老達が事を公にせず重興の 病気を理由に従兄の尚正を新藩主に立て、重興を押込と言う仕義になりました。 重興は何故

          美貌の若君の狂気〰️どんな因果を秘めていたのか

          彼は何故みずから手を下したのか?

           認知症になったら安楽死を考えている人は多いと思う。私は、今まで認知症の事はチェックリストなどを見ていつ自分がそれになる事を漠然と考えてはいたが、それと安楽死を結びつけてはいなかった。スイスやオランダは国が安楽死を認めていた事は知っていたが、日本では無理かなと何となく思っていました。しかし、そんな悠長な事は言っておれない事がわかってきました。厚労省の推計によると2025年には認知症患者数は、約700万人(軽度認知症は除く)65歳以上の高齢者の5に1人に達する事が見込まれていま

          彼は何故みずから手を下したのか?

          のび太の地球シンフォニー...今作〇〇の仕方がうま過ぎ!

           どうも!アッシュのマネージャーを務める「ぷりん」と申します。いつもは記事の検閲や修正作業などを行なっているのですが、今回お話ししたいことはタイトルの如く、生粋のドラえもんファンことぷりんが企画したものとなっています。 のび太の地球交響楽[小説]だけを読んだ、ぷりん… のび太の地球交響楽、もうとっくの昔に東宝では上映期間を見逃した私ですが、Prime Videoで観れるだろう…と思っていた私、調べたところ来年まで待たないと配信されないっぽい様子。そのため、致し方なくamaz

          のび太の地球シンフォニー...今作〇〇の仕方がうま過ぎ!

          『荒神』― 宮部みゆきが紡ぐ、怪物と人間の壮絶なる物語

           江戸時代、5代将軍徳川綱吉の治世下。東北の地に隣接する永津野と香山の2つの藩がありました。その境界に聳える大平良山(おたらやま)を舞台に、想像を絶する物語が幕を開ける。宮部みゆきの歴史ファンタジー「荒神」は、読者が興奮する圧巻の一作です。  物語の中核を成すのは、人智を超えた存在、「つちみかどさま」。この怪物は、蝦蟇や蛇、果ては殉死した武士の亡骸までをも取り込んだ、巨大な土の塊として描かれる。その姿は、まさに一つの山が動き出したかのような巨大なものでした。しかし、この存在

          『荒神』― 宮部みゆきが紡ぐ、怪物と人間の壮絶なる物語

          ノーマンズランド 水平線の向こうで...

          ある日突然、彼女は俺の前から姿を消した もし貴方が同じ高校で付き合っていた彼女がいなくなったらどうしますか?警察におまかせして、彼女の家族とチラシを配るのがせいぜいでしょう。そして彼女のことも時が過ぎれば忘れ去ってしまう、それが普通でしょう。しかし、江川利嗣(えがわ としつぐ)は庄野初海(しょうの はつみ)を二十年間諦めずに探し続けました。  誉田哲也(ほんだ てつや)作、姫川玲子(ひめかわ れいこ)シリーズ「ノーマンズ ランド」のプロローグである。警視庁捜査一課の姫川玲子

          ノーマンズランド 水平線の向こうで...

          『 あ る 男 』を読んで

          愛したはずの夫は まったくの別人でした  このサブタイトルがついた平野啓一郎の作品「ある男」を読んで、今の社会にこんな闇が平然と行われている事にショックを受けました。  谷口里枝は、8年近く前に元夫との離婚調停でお世話になった弁護士の城戸章良(あきら)に今回の事件についての相談をした。就業中に事故で亡くなった再婚相手の「谷口大祐」という名の夫は死後、別人と判明したのです。あらゆる公文書が「谷口大祐」である事を証明していて、一周忌後お墓の相談をするつもりで群馬の亡き夫の実家

          『 あ る 男 』を読んで

          「陰の季節」への想い

           横山秀夫の小説は、事件ものは少なくどちらかと言えば警察内部の事件を扱っている事が多い。タイトルの「陰の季節」は、最初テレビドラマで知ったわけで、主役のニ渡(ふたわたり)真治役は上川隆也でした。後で知ったのですが、月曜名作劇場で二回放映された「陰の季節」のニ渡役は仲村トオルが演じていましたし、映画「64」ではその役をサブキャストで出演していました。  人事担当エースの二渡警視は、定期人事異動の名簿作成作業に頭を悩ましてた。本部長決裁も下り名簿が印刷に回る直前にとんでもない事

          「陰の季節」への想い

          待賢門院璋子の生涯

           私は、王朝文学が大好きで瀬戸内晴美の「中世炎上」や「煩悩夢幻」、永井路子の「この世をば」など平安時代の作品をよく読みます。しかし、この時代は位階が複雑なので私は作品を読みながら系図を書いていきます。  天皇が生前に位を退かれると「上皇」と呼ばれ、「上皇」が出家すると「法皇」になります。また、中宮は天皇の正妻で別名を皇后とも言います。しかし、歴史を遡っていくと天皇の正妻に相応しいのは中宮ではなく皇后の方です。そもそも中宮とは本来「皇后が住む所」と言う意味であり正妻を指す言葉

          待賢門院璋子の生涯

          東京近江寮食堂

           寺島妙子が東京下町にある近江寮食堂の賄い婦になったのは偶然が重なった末の事でした。妙子の夫秀一は、仕事に行くと言ったきり消息を絶ってしまったが、今年の夏10年ぶりにはがきが届いた。「生きていた」すっかり諦めていたがはがきの消印が本郷になっていたので調べたら東京にありました。妙子は定年退職前の年休消化を取り、とにかく東京へ夫を探しにやってきました。  妙子がアメ横で財布を落とし、困っていた所を近江寮食堂の管理人、鈴木安江が財布を拾ってくれた縁で食堂で働きながら夫を探す事にな

          東京近江寮食堂

          秘すれば花

          秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず  「風姿花伝」は能楽を大成した世阿弥の作ですが、その内容は父観阿弥がその子 世阿弥にその都度教え、諭したものを一続きの文章としてまとめたものです。渡辺淳一の作品「秘すれば花」を読んで、今までその意味を誤解していた事に気づきました。「秘すれば花」という言葉はあからさまに何事も表に出さず、控えめにしておく方が花の美しさは増すという意味に解釈していました。例えば、薔薇やカトレアの様に華やかな花より、和室の床の間にひっそりと咲く茶花の清々しさ

          秘すれば花

          70パーセントの彼女

          作家辻村深月さんの小説「傲慢と善良」を読みました。  今や5人に1人がマッチングアプリで結婚すると言われています。この小説の主人公、架(かける)と真実は婚活アプリで出会いました。東京育ちの架は、女友達が沢山いる選び放題の環境なゆえ決断をしない傲慢さがありましたが、対象的に地方育ちの真実は、自分の意思がわからず周りに何でも決めてもらう両親にとってはとてもいい子に育っていました。まさに小説のタイトル「傲慢と善良」は「架と真実」そのものです。  架は余裕たっぷりに結婚を先延ばし

          70パーセントの彼女