70パーセントの彼女
作家辻村深月さんの小説「傲慢と善良」を読みました。
今や5人に1人がマッチングアプリで結婚すると言われています。この小説の主人公、架(かける)と真実は婚活アプリで出会いました。東京育ちの架は、女友達が沢山いる選び放題の環境なゆえ決断をしない傲慢さがありましたが、対象的に地方育ちの真実は、自分の意思がわからず周りに何でも決めてもらう両親にとってはとてもいい子に育っていました。まさに小説のタイトル「傲慢と善良」は「架と真実」そのものです。
架は余裕たっぷりに結婚を先延ばしして、真実は交際から2年経っても何も
アクションを起こさない相手に業を煮やし、とんでも無い嘘を付いてしまう
ところからこの小説は始まりました。その嘘のおかげで二人の距離は大幅に縮まり、結婚に踏み切る事になるのだが…
ある日、突然真実は姿を消してしまう。
原因はタイトルの70パーセントなのです。
いなくなった前日、真実は会社の送別会の帰りに同じお店に居た架の女友達から
やっかみ半分で絡まれてしまいます。架の元カノは点をつけるなら100パーセントで、結婚してしまった彼女にまだ未練があるし、真実は70パーセントだと架が言ったこと、パーセントとあるが点と置き換えてもいいと思う。また、真実のついた嘘はバレバレで架も私たちもみんな知っていると暴露した。
私(真実)は人を点数化なんかしなかった、もししろと言われたら架の事を100パーセントだと思っていた、100パーセントの相手とするのが結婚なんじゃないの?全く恐ろしい‼︎ 架の女友達三人から詰め寄られたシーンはまさに韓ドラのイジメを思い出す。架を優良物件と考えている彼女たちは、あんな女(真実のこと)にとられるのが悔しくてしょうがないんだろう。
もしこれが本当であれば、私なら結婚はしないと思う。何故なら結婚を決めた
女性がいるのにまだ独身ぶって女友達と飲み会をしている男はデリカシーが
無いと思う。古い考えかもしれないけれどやっぱり嫌ですね。架の様な相手を思いやる気持ちが欠けている男は、結婚した後もイライラさせられると思う。真実の中にもみんなの前から消えてしまいたい気持ちに陥ったのは、私たちはちゃんと向き合っていたのだろうかと改めて考える時間が必要になったんだと思います。