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【2025年1月】最近読んだ本の紹介

この冬ここまであまり体調を崩していませんでしたが、とうとう風邪ひいてしまいました🤧

そういう時は暖かい部屋でゆっくり本を読みたいものです。

さて、最近読んだ本の中から、今回は6冊紹介します。奇しくも実践的な本が並びました。

特に、本屋に興味を持ち出したので、いわゆる「本屋の本」がこれから増えてきます。本好きだからこそ楽しめる本屋の裏側。面白いです。興味ある方はぜひお手に取ってみてください📚

それでは、どうぞ。


📖平川克美 『共有地をつくる わたしの「実践私有批判」』 ミシマ社

🔖心に残った一節
コミュニティを自分が作るつもりにならなかったらダメだ、って言ってるの。つまりね、自分を救済してくれると思っているコミュニティはお金と同じなんですよ。

地域で入会地の保全に関わったことから、「共有地」というキーワードが気になって、こちらの本を手に取ってみることに。

本書は、「自分がお客としてもくつろげる場所が欲しい」からこそ、著者自ら仲間と協力して、「隣町珈琲」という喫茶店の危機を守り、存続させたというノンフィクション物語です。

この本の肝は、むしろ「つくる」の方だったんだと読了後のいま実感してます。

私自身、コミュニティに属した方が良いとは思っていましたが、自らつくった方がよいとまで考えが及んでいませんでした。

確かに、いざという時に助けてもらうために属すコミュニティは「自立」ではなく「依存」と言えそうです。それは「お金と変わらない」という一言はグサリと刺さりました🏹

先行きが見えないからこそ、自立のために人と協力し、私有物を共有することで支え合う仕組みをつくる、それが著者の語る「共有地をつくる」ことなのです。

自分が「あったらいいな」と思う共有地を誰かとつくってみたい。

そんな勇気をもらえる一冊です✨

📖苫野一徳 『ほんとうの道徳』 トランスビュー

🔖心に残った一節
「私たちは市民性を実践しなければ市民性を学べない」
教育哲学者ウィリアム・キルパトリックの言葉

苫野一徳さんの著作、連続読破4冊目です📚

私は「大人がもっとしっかりしないと子どもに良い教育なんてできないよなぁ」とずっと感じていました。

「じゃあ、大人にはどういう教育が必要なのか」というと、あまりイメージが出来ていなかったのです。

そのヒントは、まさに、本書のテーマでもある「市民教育」ではないか。

市民教育とは、多様な価値観を持つ人たちが、自由に平和に共存するために、共にルールをつくる力を養う教育です。

「私たちは市民性を実践しなければ市民性を学べない」という識者の発言も刺さるものがあります。

市民性は実践を通してしか学べない。本を読んでいるだけでは辿り着けない。

では、私が実践する市民性とは何か?

新たな問いをくれた一冊です💡

📖本の雑誌編集部 編 『本屋、ひらく』 本の雑誌社

🔖心に残った一節
心に傷を負った人や社会に居場所を感じられない人でも、ここならいられるという「避難所」的な場であり、ここの本棚を見ているときは、その人が心落ち着けてその人自身でいられる場でありたい。

いくつかの出来事が重なって、ふと「本屋やったら楽しいのかもなぁ」と思い、本屋に関する本を検索🔍

その中から、まずこちらの本を読んでみることに。

私は、本の情報収集も購入も最近はネットで完結していたので、実は本屋にほとんど行かなくなっていました。

いわゆる独立系書店なるものをまったく知らなかったので、本書を読んで、私の中の化石のような本屋像が一気に瓦解しました🪨⛏️

本書は、新しくお店を開いた本屋さん22人の寄稿によって出来上がっています。

なんとなく共通しているなと感じたのは、「誰かの居場所をつくろう」としていること。

「生きづらさを感じる人に大丈夫と伝えたい」
「本を介したサロンの場みたいなものを作ってみたかった」
「自分の場所と呼べる場所が欲しかった」

生きづらい世の中だからこそ、本を、本棚を、本屋を居場所にしてほしい。

厳しいのがわかってる上で本屋を立ち上げ、持続させるために知恵を絞る店主の方々には敬意を感じずにはいられません。

本屋って厳しいけどロマンあるなぁと感じる一冊でした✨

📖辻山良雄 『本屋、はじめました 増補版 新刊書店Titleの冒険』 ちくま文庫

🔖心に残った一節
毎日よく飽きないねと言われることもあるが、目のまえのことに飽きてでもなお、やり続けることのできる仕事が、自分のほんとうの仕事なのだと思う。

本屋に興味を持ち2冊目に手に取ったのがこちら。

元リブロ池袋本店のマネジャーで、現在は東京の荻窪で「Title」という個人書店を営んでいる著者が、惜しげもなく本屋開業のプロセスを開示した一冊です。

これはもはや本屋論に収まらず、一流の仕事論です。辻山さんは紛れもなくプロフェッショナルな本屋さんでした😵‍💫

ご自身のビジョンを大切にしつつ、経験と勘も頼りにしながら、大事なことはきめ細かく計画する。そして節々に感じる本に対するそこはかとない信頼と愛情。

辻山さんが実践するプロの商売人の姿は、本屋だけでなく、商いをやる人全てに役立つ内容ではないでしょうか。

特に、本書にも掲載されている事業計画書は、これから本屋を目指す多くの若者が拠り所にすることでしょう。

読了後、実際に荻窪の本屋Titleにも訪れてみました。

こぢんまりとしたお店に、こだわり抜いて選書された本たちが、「私を読みなさい」とお客に語りかけてくるような、そんなお店でした🏠

📖安斎勇樹・塩瀬隆之 『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』 学芸出版社

🔖心に残った一節
筆者らが課題をリフレーミングするときは、常に「その問いが解決された世界が見たいだろうか?」と、自問自答するようにしています。「プロジェクトに哲学を宿す」といってもいいかもしれません。

担当する研修で、「問い」を扱う回があり、パラパラめくる程度だった本書をちゃんと読んでみることにしました。

私の仕事であるコーチングや対話の場においても、重要になってくる「問い」。

この本は、「問い」という曖昧で掴みづらい対象を、論理立てて見事に説明してくれています。さすがワークショップやファシリテーションの研究者ですね😳

同時に、「問い」は感覚的に身につけていくものでもあると思うので、深い理解においてはやはり実践を積み重ねるしかないと思います。

気に入ったのは「哲学を宿す」という言葉。

そう、良質な「問い」は、何気なく過ぎゆく日常に哲学を宿してくれる。

「問い」が、本質的な変化を生み出すトリガーになるのだと改めて認識しました。

この本を読んで、「問い」を味方につけましょう✨

📖西村佳哲 『自分の仕事をつくる』 ちくま文庫

🔖心に残った一節
私たちはなぜ、誰のために働くのか。そしてどう働くのか。「頼まれもしないのにする仕事」には、そのヒントが含まれていると思う。

働き方研究家・西村佳哲さんの著書はこれで3冊目の読了になります。

おそらく西村さんの本では一番読まれているであろう本書。たぶん良い本だからいつ読んでもいいや、とあまのじゃくな積読をしておりました😅

「誰かに代替されるような労働ではなく、自分にしかできない仕事をやりたい」

みな一度は考えることではないでしょうか。

頼まれたわけでもないのに、言葉にできない魅力や違和感を出発点にして、自分自身に嘘や矛盾のない仕事を、自分だけのこととは思えないから、社会に提案していく。

答えをくれるわけではありませんが、自分の仕事にたどり着く糸口をくれそうな一冊です。

個人的に贈り物に最適な本だと思ってます。大切な人に贈ってあげてください🎁


以上、良質な刺激をくれた6冊でした。

読んだ本はインスタやThreadsでタイムリーに紹介しているので、もし興味ある方はぜひフォローしてください😁

〈Instagram〉
https://www.instagram.com/masaki.tomaru/

〈Threads〉
https://www.threads.net/@masaki.tomaru

それでは、また。

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