
【2025年2月】最近読んだ本の紹介
寒かった2月が終わりを迎え、いよいよ暖かくなってきましたね。寒がりの私は、春の訪れを待ちわびております🌱
さて、最近はメキメキ読書ペースが上がっておりまして、読了本が増えた結果、感想アウトプット待ちの本が積まれるという事態に直面しております😅
投稿する本を絞ろうかとも考えているのですが、時間がかかっても全ての本を順に投稿することにも意味を感じており・・・。もうしばらくこのまま続けてみたいと思います。
それでは、今月はバリエーションに富んだ4冊をご紹介します。
📖久住邦晴 『奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの』 ミシマ社

🔖心に残った一節
私は「本にはすべての答えが書いてある」と思っています。
(…)
そのためにも本を読んでほしいのです。子どもたちにはいつもそばに本のある人生を歩んでもらいたいと願っております。
「本にはすべての答えが書いてある」
私も常々そう思っています。
こういった本への絶大な信頼こそが、本屋を生業とする人たちに共通の原動力だと感じます。
かつて札幌にあったくすみ書房の店主・久住邦晴さんの遺稿が本になったこちらの一冊。
久住さんの人生は波瀾万丈です。
お店の存亡の危機に、話題を集める企画を成功させ売上を保つも、低い利益率と逃れられない環境変化に苦しみます。ギリギリでお金を集めてやり過ごす日々。そんな努力も虚しく久住さんは廃業に追い込まれます。
その様子は、読んでいるだけで胃がキリキリとし、とても安易に本屋をやりたいなどとは言えない現実が記されていました。本屋が次々と消えている理由がよくわかります。
しかしそんな苦しい経験をしても、久住さんはまた新たな本屋をつくろうと立ちあがるのです。本屋が儲からなくとも、やはり私たちには本が必要なんだ、と。
久住さんはその後癌に侵され、志半ばでこの世を去りますが、その生き様は人としてカッコいいです。
本好きの魂が揺さぶられる一冊でした❤️🔥
📖ミヒャエル・エンデ 『鏡のなかの鏡―迷宮』 岩波書店

🔖心に残った一節
暴力を廃止するためには、暴力を用いざるをえない。悲惨さを取り除くためには、悲惨さをひき起こさざるをえない。戦争を不可能にするためには、戦争をするほかない。世界を救うためには、世界を破滅させるしかない。それが権力の真理だ!
みなさんは苦手な本はありますか?
おそらく誰にでもあると思います。
この『鏡の中の鏡』はまさに私が苦手な本でした😑
ファンタジーはあまり得意ではないのですが、『モモ』や『はてしない物語』は「ストーリー」があるので楽しく読めました。
この本はそうはいかない。
30からなる短編集ですが、どれを読んでも登場人物や世界観がよくわからない。話にストーリーが感じられない。(あるのかもしれないけど、私にはわからない)なんか全体的に暗い。闇を感じる。
あえて苦手要素を言葉にするとそんな感じでしょうか。
『ものがたりの余白』という本の中で、エンデは『鏡の中の鏡』は「物語」ではなく「絵」だと語っています。つまり、語ることを手放してしまっている本なのでした。
こういう苦手な本から、自分がいかにわかりやすさを求めていて、感性が閉じてしまっていて、明るい内容を求めているか、がよく見えてきます👀
その意味でこの本が教えてくれたことはとても多かったかもしれません。
読みきった自分に拍手👏
📖苫野一徳 『学問としての教育学』 日本評論社

🔖心に残った一節
わたしたちは、「個」の〈自由〉のためにこそ、「国家」「社会」における〈自由の相互承認〉を実質化していく必要があるのである。
教育に関心を持って、読み始めた苫野一徳さんの著作群もこちらで5冊目になりました📚
その全てに通底するのが、哲学者ヘーゲルによってその原理が生まれた「自由の相互承認」です。
これはもはや教育だけの話ではないと感じています🤔
あらゆる仕事や活動において、この「自由の相互承認」が意識されていれば、どれだけ生きやすい社会が築けるのだろうか、と期待してしまいます。
教育する立場の大人たちが、その本質を理解していないと、そもそも子どもたちに伝えられません。
良質な本をたくさん読んで、たくさん対話して、「自由の相互承認」を理解し実践する大人が増えることを願ってやみません。
200年前の先人の知恵がこうして現代社会に生かされる。
本の力は偉大なり📕✨
📖ビル・パーキンス 『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』 ダイヤモンド社

🔖心に残った一節
豊かになっているはずの将来の自分のために、若く貧乏な今の自分から金をむしり取っていた。
ついつい現在の豊かさより将来の豊かさを大切にしてしまう私たち現代人。
いまだこの本が多くの書店で平積みされているのを見ると、現代のリアルな悩みに触れているような気がしてドキッとします。
農耕が根付いてからというもの、将来に向けて備蓄する行動は太古の昔からあったはずです。とはいえ、備蓄場所や消費期限の問題もあり、おそらく1〜2年ぐらいの将来を見据えていたにすぎないと想像します🤔
その点、現代の「お金」は場所も取らないし腐りもしない。将来への不安も無限に募ります。
マネープランにキャリアプランにライフプラン。
もうすでに私たちはナントカプランに神経をすり減らしているのだと思います。
人生が有限であることをシンプルに何度も訴えてくれる本書。これを読めば流石に気持ちが揺さぶられるでしょう。
少しでも「DIE WITH ZERO」を実現するために、私は本を積むことをオススメします笑📚
以上、4冊でした。
読んだ本はインスタやThreadsでタイムリーに紹介しているので、もし興味ある方はぜひフォローしてください😁
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/masaki.tomaru/
〈Threads〉
https://www.threads.net/@masaki.tomaru
それでは、また。