今枝昌宏

いまえだまさひろ 経営コンサルタント、エミネンス合同会社代表パートナー ビジネスブレークスルー大学大学院経営学研究科教授 一橋ビジネススクール客員教授

今枝昌宏

いまえだまさひろ 経営コンサルタント、エミネンス合同会社代表パートナー ビジネスブレークスルー大学大学院経営学研究科教授 一橋ビジネススクール客員教授

最近の記事

IBMやGEなどの伝統的優等生企業が凋落していく・・

IBMの2024年1Q, 2Qの売上は、前年のそれを辛うじて上回りました。経営陣はこれを「成長」と表現しているのですが、長期のグラフを観ると、もはや悲しささえ漂います。デジタル化が進行する世の中で、デジタル企業が凋落していく 戦略面に注目するとハードウエアが売れず、IaaSクラウドへの移行ができていないためにAmazonやMSにその市場を奪われていくのが原因だということは、明白です。クラウドへの移行を急ぐべきことはIBMの優等生たちが集まる企画部門がわかっていないわけがない

    • 【DX考】DX発想法:産業全体のパフォーマンス向上の視点から考える

      DXの意味と産業全体からの視点デジタルトランスフォーメーション(DX)は、今までのビジネスプロセスの自動化や組み換え(BPR)、マネジメント(PDCA)の確立などによる企業のパフォーマンス向上ではなく、企業の競争優位をもたらすものとして捉えるべきです。この点が従来の「IT化」にはなかった視点であり、いままでの「IT化」では未開拓の領域であって、かつ企業価値を劇的に向上させる手段となるからです。その背景としては、インターネットや無線通信の発達によって社会全体のコネクティビティ

      • 【旅行メモ】ジョホールバルの幸せな空間

        マレーシア、ジョホールバルのシンガポールからの玄関口であるJB Sentral。そこから歩いてすぐ南側にJalan Meldrumという通りがあります。そこそこ清潔な中級ホテルも多いこのあたりは中華系のレストランが多く、麺類の店、肉骨茶の店など様々な種類があり、規模が小さなホーカーセンターのようになっています。どの店も安くてうまい。そして、マレーシアとは思えないぐらい地元の人たちがお酒を飲んでいます。ビールもちゃんと冷えている。インド系の人たちも飲んでいるし、結構朝から飲んで

        • 【政策提言】北陸新幹線の延伸ルート -湖西線と京都線複線の一方を改軌して大阪へ

           北陸新幹線延伸の建設費が従来想定の2倍に膨らむという報道がありました。もう、あまりにも想像できたことで驚かないのですが、そこまでして新規路線を建設する価値があるのかどうか、正直私には疑問です。  湖西線を3条軌道あるいは4条軌道にして京都に至り、同様に京都線の快速線を3条軌道か4条軌道にして新大阪、あるいは大阪に至って、関西方面とはE8系みたいなミニ新幹線で結ぶというのではだめなんでしょうか。すぐにでもできそうですけど。それに、新大阪ではなく大阪まで行けるとすれば、その効果

          【旅行メモ】ガイドブックに載っていないナポリの魅力的な場所

          2023年12月29日から31日までナポリに滞在しました。29日の朝にパレルモからフェリーで到着し31日にイタロでローマに向けて出発するまで2泊。1旅行者のメモとして、ガイドブックやウェブの記事に載っていない魅力的な場所を今後行かれる方の参考として書いておきます。 粉もんはうまいが、やばい場所が存在するなど、なにかとネガティブな側面が強調されるナポリですが、卵城やサンタルチアの海岸風景、王宮、ガレリア以外にも結構楽しめました。 1つ目は、裏原宿のような裏通りのお店文化です。

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          【旅行メモ】ホテル予約サイトに民泊業者が混ざり込んでいる 問題点と利用の際の留意点の解説

          海外旅行にあたって、ホテル予約サイトを使ったのに実際に予約したのは民泊のような施設だった、あるいは実際に行った先にはホテルなどなく途方にくれた、という事態が多く発生しています。この記事では、そのような施設を避ける、あるいはそのような施設を使う上での留意点をまとめてみました。 ホテルと民泊の境目は曖昧ホテルと民泊の境目は、「旅館業法」の存在しない海外では日本以上に曖昧だと思います。 欧州などでは、ホテルとは言っても年季の入った石造りの建物の中の1つの階をホテルに改造したものも

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          【経営理論】"筋"としての経営戦略 市場でもビジネスモデルでもない重要な戦略要素

          この記事は、最も戦略的な思考が必要な反面、最も見落とされている経営戦略の要素である”筋”としての戦略、つまり成功の達成経路の選択としての戦略について考察するものです。 一般に戦略と呼ばれているもの 一般に事業戦略を構成している第1の要素は、関与する市場です。事業は、身を置く市場の成長性や収益性から大きな影響を受けます。成長している市場、市場価格が高価である市場に身を置けば、自社も成長し利益を上げられる可能性が高いと言えます。 リソースベーストビューと言われるものも、行きつ

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          【サービス経営】クライアントフェイシングに関する考察 営業は必要?なぜ一見さんお断りなの?

          『サービスの経営学 』を東洋経済新報社から上梓してから、ずいぶんと時間が経ちました。この書籍は、ともすると製造業が考察の標準となっている経営学において、サービス業独特のものの考え方を整理した珍しい書籍であり、サービス業の方々のみならず、学者の方々にも論文中などで引用していただいています。私としては、この書籍出版後も考え方の整理を続けていますし、コンサルティングなどの中でシステム・インテグレーションやEPC、更には各種のコンサルティングと言った事業に数多く接してサービス事業の実

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          【経営理論】事業要素間の循環としてのビジネスモデル ネットワーク効果はその一種に過ぎない

          一般にビジネスモデルと呼ばれているものと循環のビジネスモデル ビジネスモデルとは、事業の仕組みです。一般的には、チャネルやサプライチェーンのようなプロセス的な仕組みや構造のことを指しています。これとともに、カネをどこから得、どのように回していくかという財務モデルもビジネスモデルの一種と認識されています。 これらとは異なり、事業要素の間に影響関係が存在し、ビジネスが自己再強化されるようになっているような循環をビジネスモデルと呼んでいる例がいくつもあります。例えば、キース ヴ

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          BBT(ビジネス・ブレークスルー)大学院MBA課程の教授方法

          私は、ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学院で「現代版企業参謀」という戦略の科目を教えています。この記事では、BBT大学院のユニークな教授方法についてご紹介したいと思います。MBA課程への入学を検討されている方は勿論なのですが、企業研修などのビジネス教育全般に関わる方々にとって参考としていただけるのではないかと思います。 BBTはオンラインの学校? ビジネス・ブレークスルー大学は、経営コンサルタントである大前研一さんが作ったオンラインの学校です。 オンラインの学校であり

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          誰も書かなかった合同会社の実質的デメリット

          いままで個人事業主だった方で、法人化を意図して法人の種類について株式会社か合同会社かで迷われている方も多いと思います。合同会社では上場できませんので、上場を目指す場合は別として、実質的に見た場合両社はそれほど変わらないと説明されていることが多いのではないでしょうか? この記事は、これから法人の設立を考えておられる方を対象として、長年合同会社を経営してみて実質的に不便であったことで、ネットで検索しても誰も述べていないことであって、私としては結構重大な合同会社のデメリットだと考え

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          ERPのビジネス上のメリットを実現するために

          この記事では、ERP (Enterprise Resource Planning)システム導入の経営上のメリットは何かということについて、ERP導入を検討されている方、あるいは既に導入してしまった企業の方で導入効果が見えないと考えられている方に、ERPシステムが現実にもたらすビジネス上のメリットについて解説し、それらを実現していただくことを目的としたものです。 ERP導入のメリットは、システム的なメリットが強調される反面、ビジネス的なメリットは極めて抽象的にのみ解説されるのが

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          【DX考】日本企業のDXは何故うまくいかないのか? 変革受容性の極端な欠如

          チェンジマネジメントの大家であるジョン・コッターは、企業は安定的・固定的なアウトプットを効率的に行うことを目的としたヒエラルキー組織と重畳的に、変革のためのネットワーク組織を持つべきだと言っています。社内コンサル組織や、伊藤忠の第8カンパニーのようなものを言っているのでしょうね。 コッターは、典型的なチェンジマネジメントの適用対象として「ERP導入」を挙げています。若い頃不思議だったのは、海外で作られたERP導入方法論のWBSを見るとチェンジマネジメントのタスクが必ず入って

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          日本企業のコンセンサス経営は限界 経営スピードの著しい欠如

          高い業績を示しているアメリカの企業を見ると、イーロン・マスクやザッカーバーグ、ジョブズのような独裁型か、GoogleやNetflixのような極度の授権型に移行しているように思います。日本でも、SBはもう別格として、キーエンス、ファーストリテイリング、ニトリ、星野、アイリス、ヨドバシのような独裁型の企業しか成長していません。 ところが日本の大企業は、コンセンサス型の経営を依然として続けています。多くの会議体を維持し、下から上げる形で発議し、会議の前に根回しのためのレクをする。

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          日本の製造業の競争力低下原因 顧客理解の欠如と過剰カスタマイズ

          日本の製造業は、その競争力をどんどん落としていきます。最も大きな理由は、日本製品の価格が高いからだと思っています。今までは日本人の給料が高いのでしょうがない、とうそぶいていたのですが、そんなことは嘘だとバレてしまっている。高価格の原因はいくつも複雑に絡まり合っている組織的な要因によるものだと思っています。 まず、顧客を理解していない。これは、卸モデルを採っているということもありますが、設計部門や製造部門の地位が高いからだとも思います。つまり、営業の言っていることを聞かず、自

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          【政策提言】日本のGDPを飛躍的に伸ばす方法 ー東京湾岸部の金融センター化と淡路島の製造業特区化

          日本のGDPはここ30年近くほとんど成長していません。いわゆる失われた30年です。この原因は、デジタル化などのイノベーションの欠如と、新興国による技術や生産能力キャッチアップの板挟みにあっているのです。つまり、成長のための根本的解決策は、イノベーションを加速させること、その促進要因に投資しその阻害要因を取り除くことですが、これとは別に私は割と短期的に飛躍的な成長を達成する方法があると考えています。 この記事では、私が考える短期的な成長策を提言します。これにご賛同いただける方は

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