【小説】なんてったって、アイドル…?後編
陽菜と稜央は空路で羽田に降り立った。
なにせ母親に内緒で出てきているのだ。日帰りしなければならない。時間節約のために飛行機を選んだ。費用はもちろん稜央が負担している。痛い出費だ。陽菜には出世払いしてもらわないとな…と思いながら、いや本当にアイドルになって稼ぐようになっちゃったらどうなるんだよ、とまたもや複雑な心境になる。
稜央が学生の頃は夜行バスで東京に出てきた。遠距離の彼女に会うため、そして、会ったことのない父親を探すため…。
ブルブルと頭を振って苦い記憶を追いやる。今日