【心理学】不安と劣等感はパフォーマンスを上げる
この世には色んな人が沢山いますから、自分がしている仕事と同じ業種、同じ職場で自分より秀でた能力を持っている人もいますよね。人間は強よくも弱くもある生き物ですから、そういう時に
「あの人あんなに才能があって羨ましいな」
「自分はなんでこんなんだ」
って、自分の胸に手を当てて聞いてみれば、ついつい嫉妬してしまったり、劣等感を抱いてしまう瞬間もありますよね。
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という事で本日は劣等感や嫉妬心との付き合い方についてお話してこうと思うのですが、先日の記事でもお話したように、劣等感や嫉妬心を抱くことは必ずしも悪い事ではないです。
というのも、劣等感や嫉妬心を抱くことによって、人は不安やストレスを抱きますが、人はある程度の不安があった方がパフォーマンスが上がる事が、ヤーキーズ・ドットソンの法則で明らかになっているんですよね。
図にするとこんな感じになるのですが、不安がなさすぎても人の集中力は落ちるし、ありすぎても下がるという事が分かりますよね。
ただ、この世にはいろんな人がいますから、不安を感じなさすぎる人もいれば、不安を感じすぎる人もいらっしゃる事でしょう。そして、心理学にはそのどちらもを解決する方法があります。
ではまず、どうすれば不安を感じなさすぎる人が程よいぐらいに、自分自身で不安を抱える事ができるのでしょうか。
危機感がなさすぎる人
危機感や不安感がなさすぎる人は、楽天家である傾向が高いです。
良く言えば、大胆で大きな決断をできて、ストレスが溜まりにくいです。
なので経営者に向いている人はどちらかと言うと、こっちサイドの人が多いと思うのですが、ただこういう人って、仕事でも私生活でもそうなのですが、決断をする時は割とあっさりと物事を決めるのですが、その後失敗した時にめちゃくちゃ後悔するんですよね。
そして、まひろ(著者)も楽天家の方なのですが、そういう自分の危機感や用心のなさを後悔した過去が割とあって、例えばあれは昔まひろが高校生だった時のお話です。
僕は、土日の休日に友達と名古屋に遊びに行く約束をしていました。
だから、金曜日の学校が終わったら、夜神戸に友達と集まって夜行バスで行く予定だったのですが、学校から家に帰ってみると家の鍵が無いのです。
僕が、学校に行く時に鍵を持って出かけるのを忘れたんですね。
そして、その当時その家に住んでいたのは、母親とまひろだけだったので、家の鍵を開けるにはもう母親を呼び戻すしか方法はありあせん。そうでなければ、名古屋に行けなくなってしまう。
だから、その時母親は仕事に行っていたのですが、僕は電話をかけて母親を家に呼び戻して鍵を開けてもらったんですよね。
そしてその当時の僕は、時間が押して名古屋に行けないのではないかと焦っていて、その怒りや焦りを僕は何も考えずに母親にぶつけ、こう言ったのです。
「なんで鍵閉めとん?今日家に忘れて学校行ったんやからポストにでも入れとくやろ普通。意味わからんわ。」
その後、僕は黙って家の中に入り、母親も呆れて会社に戻って行きました。
それから、色々準備をして、荷物を持ってさあ出かけようと部屋の電気を決して、忘れ物がないかリビングを見渡すと、テーブルの上に1つの白い封筒がありました。
そして、その封筒を見ると
「名古屋気をつけて行ってらっしゃい。お土産はいらんからな。」
と書いてあり、その中を見ると1万円が入っていたのです。
そして先ほどもお話したように、高校生時代は僕は母親と二人暮らしをしていて、いわゆるシングルマザーの家庭だったので、お金に余裕があった訳では決してありませんでした。
母親が切り詰めて生活していたのも、それを子供の僕に分からさない様にしていたのも知っていました。
だからその封筒を見て、自分が母親に何も考えずにかけた言葉を思い出し、僕は高校生ながら暗いリビングで惨めな思いで胸がいっぱいになりました。
とまあ、こんな感じでまひろも過去に自分の楽天さで惨めな思いをした過去があったのですが、確かに危機感や不安を感じないのが、必ずしも悪いこととは限らなのですが、それで後先考えずに行動をすると、大きな失敗を犯す確率も上がります。
では楽天家の人も、そんな危機感をどうすれば持つ事ができるのかという事についてお話していきます。
危機感を持ってパフォーマンスを上げる方法
先ほどもお話したのですが、人は適度な不安や危機感などのストレスを抱くと、パフォーマンスが向上する事がヤーキーズ・ドットソンの法則で明らかになっています。
ではどうすれば、危機感や不安を抱きにくい楽天家の人がそう言った感情を持ってパフォーマンスを上げられるのかというと、自分の目標を他人に言う事なんですよね。
✔︎自分の目標を他人に言う
これは例えば、年収を1億円稼ぎたい、という目標があったのならそれを
「俺将来は年収を1億円稼ぎたいと思ってるねんな」
と周りの人間に自分の目標や夢を伝える事です。
というのも、これは心理学のコミットメントと一貫性の法則が関係していています。
まず先日、この記事でもお話ししたように
人には、自分で決めた事は正しいと思いたい、自分の意思を一貫させたいという欲求があるんですよね。
というのも、これはスタンフォード大学の社会学者スコット・フレーザーとジョナサン・フリードマンによって行われた実験で、いろんな住宅を訪問して、庭に「安全運転」というでっかい看板を設置させてもらえるよう家主に依頼をするんですよね。
そしてグループAは、いきなり家に訪問して
「この看板庭に置いてくれませんか?」
と急に看板の設置を依頼しました。
グループBは家を訪問して、まず「カリフォルニア州を美しく保つ」という嘆願書に署名してもらって、その2週間後に看板の設置を依頼しました。
そしてグループCでは「安全運転するドライバーになろう」という小さなシールを玄関先に貼らせてもらった2週間後に看板の設置を依頼しました。
こんな感じで、それぞれの家庭で看板を設置させてもらえた確率は、グループAは17%、グループBは50%、そしてなんとなんとグループCは76%もの格率ででっかい看板を家に設置してくれたのです。
何もしなかったグループAは17%でしたが、最初に交通安全の小さなステッカーを貼ってもらうだけで、でっかい看板を設置してもらえる確率は約60%も上がったのです。
僕だったら絶対いやですけどね(笑)
家に「交通安全」なんて看板立てるのなんか邪魔だし絶対ダサいじゃないですか(好感度捨てたん?)
ただ、そんな条件の中でも、先に小さなステッカーを貼ってもらっただけで、確率はグンっと上がりました。この実験から何が言えるのかと言うと、人には自分の意思を一貫させたい傾向がある、と言うことなんですよね。
人は自分の意思を一貫させたい
だから例えば、服とかを買いに行った時に、長い時間店員さんと相談してお話をしたけど、最終的には自分が一番最初に気に入った服を買った、なんて経験がある方は多いと思います。
こうやって人は、自分の直感や意思を正しいと思いたい・一貫させたいという欲求があるので、これと同じように、人は一回他人に
「自分はこうなりたい」
という目標を伝えると、それを一貫させたいという欲求が発生するんですよね。
ただ、注意点としてはこのコミットメントと一貫性の法則は強力で、例えば訪問販売の営業が上手な人はこれを使っていたりしているのですが、まず
「あなたは困っている人を見かけたら助けたいと思いますか?」
って聞くんですよね。そこで
「はい」
と返すと
「ああ、じゃあ政治や環境問題にもきっと関心があられるでしょう」
と聞かれて、また
「はい」
と答えると
「実は弊社が取り扱っている雑誌では、毎月政治や環境問題について沢山の話題が取り上げられていて、そういった事に関心があられる素晴らしい方々に沢山読んでいただいているんですよ。現在最初の一ヶ月が無料なのですが、試しにどうですか?」
と聞くと、雑誌を買ってもらえる確率がかなり高くなります。営業が上手な人は良く使っていますよ。
ただ、これぐらいこのコミットメントと一貫性の法則は強力なので、あまり不用意に自分の考えを周りの人に伝えすぎると、次は自分の行動範囲が狭まり、そして大きなストレスや緊張感を抱えることになります。
という感じで、普段生きていて劣等感や嫉妬心を感じにくい人は、ぜひ自分の目標や夢を周りの人に口に出して伝えてみてください。
適度な不安は、パフォーマンスの向上につながります。
では、明日は嫉妬心や劣等感を感じないための方法についてお話していこうと思うので、ぜひご覧ください。
それでは、本日も最後まで読んでくださりありがとうございました。