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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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#哲学

価値観の多様性を指南する哲学入門書「現代思想入門」

価値観の多様性を指南する哲学入門書「現代思想入門」

本(現代思想入門)

昨年話題になった本です。書評にもたびたび登場したので、私も買って読んでみましたが、現代思想=哲学がテーマであり、具体的には「ポスト構造主義」の哲学を指しています。
読み終えながらも寸評を書くのにどのようにアプローチしたら良いのか、つい考え込んでしまいました。

本書は第一章のデリダ「概念の脱構築」から始まり、第二章のドゥルーズ「存在の脱構築」、第三章のフーコー「社会の脱構築」

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マニピュレーションの危険性を説いた本「会話を哲学する」

マニピュレーションの危険性を説いた本「会話を哲学する」

本(会話を哲学する)(長文失礼します)

多くの小説や漫画などの作品を引用しながら、会話を哲学的観点から考察した本です。筆者の三木那由他さんは、言葉とコミュニケーションを研究する大阪大学大学院講師の哲学者で、実は先日同じ筆者の「言葉の展望台」を読んだばかりでしたが、この本が某書店での新書売上1位との新聞書評欄での記事を読み、また買って読んでみました。

副題が「コミュニケーションとマニピュレーショ

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言葉とコミュニケーションについての哲学者のエッセー集「言葉の展望台」

言葉とコミュニケーションについての哲学者のエッセー集「言葉の展望台」

本(言葉の展望台)(長文失礼します)

哲学者による言葉とコミュニケーションについてのエッセー集です。筆者の三木那由他さんは京都大学大学院を経て、現在は大阪大学大学院の講師をしています。
本書は文芸雑誌の「群像」に連載されたものを1冊にまとめたもので、哲学者の文章というと難解な物と思いがちですが、言葉とコミュニケーションを研究する哲学者のエッセーとの新聞書評を読んで興味を持ったので、読んでみること

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