みお

演技をすることを愛しています。他には読書、映画鑑賞、イラストを描くことが好きです。何かを作ろうとする誰かの文章を読めることが喜びです。

みお

演技をすることを愛しています。他には読書、映画鑑賞、イラストを描くことが好きです。何かを作ろうとする誰かの文章を読めることが喜びです。

最近の記事

うつくしい・いとおしい

感じていく。 言葉が今わたしの中を素通りして。 行きたい場所しか見つめないで。 わたしは追いつけない。 人には責任があるのだ。 ルールがある。 愛と責任は同一のものだから 感じるままに動いてはいけない。 それでは獣と一緒だから。 でもごくたまに わたしよりも早く体が動く。 わたしよりも早く心が動く。 手が出て足が出て 感情が溢れ出る。 涙が出て混乱して 一瞬どうしようもないほどの 至福を感じることを わたしは確かに選んではいない。 選ばなくてもそれが 胸に飛び込んでくることの

    • 真空

      まさかの「集中」が すべてを今、解決してゆく。 楽しい楽しい。 面白い面白い。 傍らで、夫もまた 身体の研究の、新しい視点に 夢中になっているようだ。 いいぞいいぞ。 幸せを感じる。 嫌なことを言われても 利用者様の顔、身体、言葉に 全神経を集中する。 そして心を受け取り 心を差し出す。 そこでわたしは何回でも パワーチャージ出来ることに 気づいてしまったのだ。 だってお客様は皆 可愛らしくて 人間らしくて 色んな想いでいっぱいだ。 その交流はほんとうに面白いから。

      • 創ることは愛すること

        求められること 嫉妬されること 追われることが苦手だった。 それを生業としている癖に 冷たい人間だと自分のことを ずっと思っていた。 今なら少し違う言い方が出来る。 与えること 伝えること 支えること それがしたくてしたくて それしか見えない人生だったのだと。 本番はどんなに繰り返しても恐い。 その恐さがなくなることはきっとない。 でもそこには突破口がある。 それは集中力だ。 集中力は人間を解き放つ。 集中力こそがすべての鍵になる。 それは人生においても 同じなのでは

        • 生きている

          地に足がついた、やっと。 大切な人に支えてもらい、許してもらって はじめて自分の存在がある。 しみじみそう思う。 母が逝ってしまってからずっと わたしたちはとても少ないメンバーで 何とかしようとしてきた。 そのひとつが、わたしが演劇をはじめたこと。 あのときの暗さを 何とかしたかったから。 正しかったのか、わからない。 演劇をはじめたらはじめたで 今までの穏やかな生活とは かけ離れた新しい世界があったから。 でも、ひとつ言えること。 母を失くして ぴいぴい泣いていたわた

          小さな部屋

          それがどんなに大切だったか気づくのは ほんとうにこの手を離した時だ。 君を思い出す。いつもどんな時も。 わたしの胸に刻印されて消えないもの。 淡い温度と微かな言葉たち。 不思議なほどクリアな、まなざしの美しさ。 思い出して、微笑むことが出来る。 それでいい。それだからこそいい。 わたしはあなたを戦場に引きずり出して 愛という名の戦いを共有したくはないのだ。 昔からそうだったような気がする。 恋愛よりも友情の方がよく理解出来た。 憧れ、プラトニック 儚さ、言葉にしない気

          小さな部屋

          すべてを超えてゆく

          愛。 それって何だろうと思う。 でもそれが心の中に種を撒き 芽が出て 双葉になった頃に気づく。 ああ、もう大丈夫。 手放さなければならないものを 手放しても もうわたしは大丈夫と。 わたしにとってだから 愛はいつも現実感の薄いものだ。 心の中だけにその本体がある。 それを演じたり 歌ったり、踊ったりする。 目に映る現実に 愛が姿を持っていると わたしはいつも動揺し 表現が上手く出来なくなる。 わたしにとって常に ひとりの人間は 芸術以上のものだ。 芸術以上に美しくて

          すべてを超えてゆく

          抜けた。 長い長いトンネル。 今回はなかなかに、なかなかだった。 愛と信念。 その2つともが行き詰まっていた。 2つが同時に行き詰まることはなかなかない。 それほどに真剣な人生の局面だった。 信念。 それが揺らぐほどの喪失と展開があり そしてやがて鎮まった。 わたしのいる場所はそれでも まだ音を上げないのだと それだけが明らかになっただけだった。 やはりここは普通の場所ではない。 妖気に溢れた土地であった。 愛。 その中に入り込み、真実を見つける。 わたしの体の中。 欲

          中心はきみだ

          いつも少しだけ背骨がずれるのだ。 そんな時は。 余計な力が入っている。 ありのままでない。 自己否定が身体にまで現れる。 中心からズレているからだ。 否定するのは簡単で。 もともとそこがわたしの生い立ちなのだから。 曲がった背骨。 それが、わたし。 ありのままの。 それをまっすぐにしてくれた 沢山の人の手、手、手。 そして、あなたの手。 わたしの背骨は 気を抜くと、すぐに曲がろうとする。 それが癖だ。 マイナス思考。 自己犠牲。 自己否定。 苦しみ、悲しみ、痛み。

          中心はきみだ

          まみむめも

          新しいバリエーション。 バレエでは新しい振り付けを習うとき そんな風に言う。 新しい。バリエーション。 いまわたしは、だんだんそれに身体を慣らしている。 わたしはわたし。 何才でも、女でも、役者でも。 わたしはわたし。 何か変で、気持ち悪くて サラッとしているところもあって。 ビールを呑んで眠れば 難しいことは大体忘れられる。 恋されたりしたりすることは 得意じゃないんだ。 昔から。 縛ったり縛られたり どこからどこまでが自分で どこからどこまでが相手か わからなくな

          まみむめも

          水中哲学

          水の中にいる。そのことをすぐ忘れてしまう。 そうだった。ここは水の中なんだった。 理解しよう。説明しよう。 ちゃんとしよう。矛盾をなくそう。 そうしながら、わたしは ほんとうはそんなこと必要ないことを知っている。 知っていて、でもこの世界では そうしなくてはならないことも知っている。 ここからここまで わたしはあなたを愛している。 ここからここまで わたしはまた亡くなった人を思い出している。 ここからここまで わたしはたまに自分を憎むことが必要になる。 でもすべては

          水中哲学

          あたらしい欲望

          ふっと首をもたげる それは小さな感情だ。 隙間に生きている言葉。 余剰。いらないもの。この世界では。 時間と役割とお金に区切られて 生きているわたしたちには 自分が何者かわからなくなる時間がない。 いつも決まっている。 何時まで。なすべきこと。その値段。 芝居をしているとそれがわからなくなる。 自分が誰なのか。何なのか。 善であるのか悪であるのか。 肉体なのか精神なのか。 何もかも、わからなくなる。 わからなくなることを わたしは求めているのだとしたら それはある種の破

          あたらしい欲望

          負け犬

          「室井慎次 敗れざる者」を観た。 今回の映画は2部作で次回は 「生き続ける者」だそうだ。 タイトルは「敗れざる者」だが 劇中、室井慎次は ひたすらに、わかりやすく、はっきりと 「負けて」いた。 本人の言葉にも 「俺は負けたんだ」という台詞があった。 警察を改革することが出来ず 組織を辞め 田舎で里子を引き取って、暮らしている。 負け犬。 約束を守れなかった。 やり遂げられなかった。 結果がすべてだ。 その為に何を賭したとしても。 この映画は 世界中の負け犬たちの為の

          愛によると

          愛を携えて来た人がいて その人はどうしても そこに居たいのだと言う。 いつまでの滞在なのだろう。 旅人がいつくのは嫌だ。 彼らはいずれ出てゆく。 どんな人も皆わたしを忘れる。 皆は大人だから、忙しいから。 好きなようにすればいい。 居たいだけそこにいればいいと わたしは言った。 少し色がついて 電気がついたみたいで わたしもその方が気が紛れたから。 愛が何か もうわからないのだ。 いろんな人がいろんなことを言う。 愛しているとか 好きだとか 大切だとか。 でもそ

          愛によると

          飛ぶ理由

          他の方法なんてなかった。 この道しかなかった。 わたしにはいつもそれしか見えない。 他の選択肢なんて はじめからなかった。 真実の奴隷だな、と 自分で自分を思うことがある。 心の真実、生きる真理 そんなものが体の中にあって それを取り外すことが出来ない。 それが世間のルールとは違っていても。 それが人に憎まれることであっても。 それが己の命を脅かすことであっても。 もっと穏やかに生きられないか。 そう言う人はわたしのことを知らない。 穏やかに これでも大分なったのだ。

          飛ぶ理由

          孤独

          苦しかった、ずっと。 組織の中で、正義を通していくために。 わたしは自分の ほんとうの人格さえ手放したのだ。 わたしは正規の職員ではなく プロとしてのノウハウもない。 それでも、やらなければならなかった。 目の前で全てが崩れ去っていくのを ただ見ていることは出来なかったから。 孤独だった。どこまでも。 会議もひとり。 交渉もひとりでやって来た。 ほんとうのところ、空しかった。 何のために、誰のために やっているのかが だんだんわからなくなっていた。 それがほんとうに そ

          この道を

          これでよかった。 この道で正しかった。 そう気づくのは、上手くいっている時とは限らないのだ。 自分なんて存在している意味がないと ずっと思って生きてきた。 親に殴られ、崩壊した自我を 立て直すのにはとても永い時間が必要だった。 どうしてそんなに自信がないの? どうしてそんなに自分を嫌うの? 何が理由なの? 皆に聞かれた。 わからなかった、自分でも。 それがどうしてなのか、いつからなのか そしていつまで続くのか。 ある日突然母がいなくなり 父は浴びるように酒を呑み 夜中まで

          この道を