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抜けた。
長い長いトンネル。
今回はなかなかに、なかなかだった。

愛と信念。
その2つともが行き詰まっていた。
2つが同時に行き詰まることはなかなかない。
それほどに真剣な人生の局面だった。

信念。
それが揺らぐほどの喪失と展開があり
そしてやがて鎮まった。
わたしのいる場所はそれでも
まだ音を上げないのだと
それだけが明らかになっただけだった。
やはりここは普通の場所ではない。
妖気に溢れた土地であった。

愛。
その中に入り込み、真実を見つける。
わたしの体の中。
欲望。愛。恋。性。夢。
そのすべて。
そのすべてを明らかにし
わたしだけの道を貫かなくてはならない。

信念によって、立つ大地がはっきりした時
わたしにとって愛もまた明らかだった。

愛されること。
恋すること。
欲望を持つこと。
性を内包すること。

そのどれもが
そしてまた信念を持つことが

すべて夢のためであるということ。

夢を見るためだけに
わたしはすべての瞬間を
生きているのだということ。

ああ。ああ。

信念が潰えても
愛が忘れられても
夢だけはここにあるだろう。

亡くなったあの人の
輪郭はもうここにはないのに
彼女の夢をわたしが果たそうとするように。

人は夢を叶えるために生きているのだ。

そう気づいた時
敵も味方も
恋も性も
闘いも苦しみも
ない場所に
ふと立っている。

人間は夢を見る。
何度でも。
さまざまな夢を。
だから愛おしい。

俳優は、夢を見せる仕事だ。
福祉の仕事もまた。

それがまだ
この心臓の中に映っている。
わたしはまだ
息をしている。

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