真空
まさかの「集中」が
すべてを今、解決してゆく。
楽しい楽しい。
面白い面白い。
傍らで、夫もまた
身体の研究の、新しい視点に
夢中になっているようだ。
いいぞいいぞ。
幸せを感じる。
嫌なことを言われても
利用者様の顔、身体、言葉に
全神経を集中する。
そして心を受け取り
心を差し出す。
そこでわたしは何回でも
パワーチャージ出来ることに
気づいてしまったのだ。
だってお客様は皆
可愛らしくて
人間らしくて
色んな想いでいっぱいだ。
その交流はほんとうに面白いから。
神経を集中させ切ると
他の雑音が遠ざかっていく。
そのことにも気づいた。
意地悪をされていても
他人事のように
気にならなくなる。
最後は集中するだけだ。
はじめてそう気づいて
いつか来る再びの舞台が
今は恐くないのだ。
集中さえすれば
必ず上手くいくのだ。
そしてもうわたしは
集中について、わかりはじめている。
皆の前で話すのも
集中。
集中したとき
人は何を話しているかに
神経を研ぎ澄ませている。
皆に話している状況は
見えないはずなのだ。
わかってくる。
少しずつ。
ああ。楽しい。
これがあるから
このおかしな生き方をやめられないのだ。
少しは勇敢な
ふざけた芝居が
出来るようになるかもしれない。
ナルシスト、にも
なれるかもしれない。
それが出来たら
きっとその日の
ビールは美味しいだろう。
そんな小さなことが
そう
わたしの夢といえば
夢である。