湖を見る
湖を見る
のっぺりとした湖面に
映るは夕暮れ時の曇り空
ひんやりとする風が吹けど
水面はぴくりとも動かない
桟橋にはアヒルさんボートが
括り付けられていて
喘ぐでも無く
暴れるでも無く
ぴたりと時が止まったかの様に
こいつらもまた動かない
僕もまた湖の一端の
不思議な磁力に縛られて動かない
しばらくぼんやり眺める事の30分
何をするって訳でも無く
ただあるがままを受け入れる為に
忙しなさに囚われていた心に
ひと時の安らぎを与える為に
じっと僕は動かない
見つめる
眺める
山中湖の一端から