セミと僕と暑い夏
じりじりと照りつける太陽光
地球の表面は高温に熱せられて
アスファルトからゆらゆらと立ち上る蜃気楼
街路樹にとまり鳴き叫ぶクマゼミの声が
教えてくれる今年一番の暑さ
毎日のように発表される熱中症特別警戒アラート
人々は屋内に避難して
運動も水泳の授業も禁じられるくらい
危険な暑さが連日連なり
部屋の中にいてもダラダラダラダラ
流れていく汗の玉を拭きながら焦がれる秋の到来
まだまだ秋の訪れはこなさそうな太陽の照り返し
誰もいない日中の通りはセミたちの独壇場
好きなだけ鳴きまくれるし
好きなだけ飛び回る事ができる
暑い日が続くほどに
勢いが増すように思えるセミたちの大合唱
今日も僕はアパートの一室から
聞くともなく聞いている
蝉捕りに夢中になっていた頃が懐かしい
あれだけ毎日にように網も虫かごを
手に持って公園を走り回っていたのに
いつからだろうか網も虫かごも
握らなくなったのは、、、
見上げるだけになった木々の上
アブラゼミよりクマゼミのほうが好きだった
透明な羽とぷっくりとしたおっきな体つきが
なんだか珍しくて見つけたら捕まえていたのに
今やあちこちの木々で見かける事ができる
むしろアブラゼミの方が珍しいくらいで
子どもの頃はアブラゼミを網ではなくて
手で直接捕まえるドキドキ感を味わっていた
セミを見ても捕まえなくなったのは
僕が大人になったからなのか
ただたんの飽き性からなのか
昔を思い出して今更セミを捕まえようとも
思わなくなった僕はたしかに
変わってしまったんだなあと思う
悲しいのか
それが成長していくという事なのか
夢中になって楽しめていた頃の純粋さが
たまらなく眩しい
セミたちが鳴き止むのはまだまだ先の事
盛り上がってきた夏を少しでも味わう為に
聞き入るのも悪くない
セミたちに負けないように
夏の蒸し暑さに倒れないように
こまめに水を飲みながら
僕も夏を楽しんでいく