失われたファンタジアン
波乗りにハマっていた20代
蒲郡市のイオンで仲間と
待ち合わせをして
渥美半島に向かっていた
20代の頃の記憶
蒲郡市のイオンに
隣接していたゲームセンター
「ゲームファンタジアン」
よくここで仲間たちが
来るまでの時間潰しに
お世話になっていた
(たいてい待ち合わせ時間に
遅れてやってきたから。
1時間なんてザラだった)
格闘ゲームのアーケードが
置いてあったので
鉄拳やMELTY BLOOD、
ストリートファイターを
やったりと暇を潰すには
熱が入りすぎるほど
夢中になってしまっていた
仲間がたまたま時間通りに来た時には
むしろゲームができなくて物足りない
くらいだったから
遅れてきてくれる方が
僕には喜ばしかった(笑)
音ゲーのゲーム機が豊富にならび
10代の学生達がいつも
わちゃわちゃと楽しそうに
リズムを刻んだり
機械を叩いては
点数を競っていた
音ゲーは苦手だったなあ
リズムが取れないし
そもそもやり方が分からないし
チャレンジしてもおたおたして
リズムが刻めずに点数はいつも低め
エクスタシーを感じるには
程遠かった記憶がある
格闘ゲームはその分
コマンドはたいてい
どのゲームも一緒の
組み合わせだから
いじっていたらそのうちに
慣れてくる分
僕にはわかりやすかった
ゲームファンタジアンか
閉店した事を僕が知ったのは
2023年の10月
切ない気持ちになった
ニトリの看板が大々的に
ゲームセンターの
あった場所に掲げられていた
2022年に2月に
閉店していたとネットには
書いてあった
思い出の場所がまた一つ
失われてしまった
波乗りにいく途中の
待ち合わせ場所だった
ゲームセンター
ゲームファンタジアン
ローカルなどこか寂しくて
でもどこか懐かしくて
賑やかでがしゃがしゃした
都会のゲームセンターとは違った
影はあるが味のある雰囲気が
僕は好きだった
トイレに貼ってあった
アルバイト募集の紙や
学生達の笑い声や
中年の男がもくもくと
やってたコインゲーム
誰にもとってもらえない
クレーンゲームの中の
ぬいぐるみたち
またいつかいってみたいなあと
ゲームセンターと
思っていたのに
ついにそんな日は
おとずれる事はなかった
記憶の中の楽しかった部分だけが
今も鮮明に残っていて
きっとこの場所が、ニトリになろうとも
僕の思い出はファンタジアンのまま
色褪せる事なく忘れる事もなく
頭の片隅に残り続けていくんだ
今もまだアーケード台に座り込み
夢中になってボタンを連打している
感覚を覚えている
失われたゲームセンター
ゲームファンタジアン
蒲郡市にあったことを僕は忘れない