
Photo by
narinonote
雨降る夜更けすぎ
雨音茫々
流れる時間と距離感
形にして無様
異様と言ったら真っ当で
幸せが濡れていく感触と
肌に染み込む夜の香り
手の中で鈍く灯る
携帯の明かり
青い光の向こうの
夜光虫
目印は好奇心
既視感
昨日見た夢の中の様な今日
僕は雨降る夜更けすぎの
公園のベンチに座っている
誰もが夢の中
僕だけが溢れる様に
弾かれる様にして
ここにきた
流れ着き
濡れそぼり
無様に真っ当な雨男になって
水滴を滴らせている
孤独さえも
雨音が隠してくれる
悲しみさえも
包み込んでくれる
やるせなさもわだかまりも
道徳も倫理観も
雨の日には何もかもが
許してもらえる
雨に浸る濡れる
心行くまで堪能
雨が降る日
雨粒に触れると
僕の心はその瞬間だけ
ほんのちょっとだけ
柔らかく喉を鳴らす