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白い嵐の中で 1337日

灰色と言うよりは黒々とした重たそうな雲が

空一面をみっちりと覆い隠していた

陽射しが差し込む

余地なんて見るからになさそうだ

吹けば痛いくらい冷たい風

次はいつ吹きつけてくるのか戦々恐々と

怯えながら身構える

寒すぎて泣けてくる

小さな羽虫の様に飛び交う雪片を見ていると

まるで白い嵐のようだ

目の前を風に吹かれては散り散りと

然りとて再び集まっては踊り続ける雪の妖精たち

飛んだり跳ねたり狂ったように笑っている

吐く息は瞬時に白く染まり空中を彷徨う

悴む手をその白い息に浸しては

どうにか温めようと試みるが

一向に冷えは治らない

キンと芯に迫ってくる冷たさ

このままでは生きたまま雪だるまに

なってしまいかねないから

とりあえずは心臓部だけは動かしておく

辛うじて人間の姿を保ちながら

僕は冬の匂いで満たされている

白い世界の隅っこで春を待つ

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