見出し画像

落ち葉と秋の終わり 1293日

木枯らしかさかさと

吹かれて散らかり音を立てて

敷き詰められた落ち葉の絨毯

どうするもこうするもなく

仕方なく掃くしかなくて集めて山盛り

マッチを擦り火がつけて

落ち葉の山の頂きから燃やしにかかる

ぱちぱちと軽やかに

切なさと耳障りの良い秋がはぜる音

白い煙がたなびきもくもくと焦げ臭く

目に染みる

青空と赤い炎との対比

枯葉が次々に炎の中でちりぢりと燃え上がり

黒くなって小さくなっていく様は

惹きつけられるものがある

冷たい風が時折吹き抜けては

炎の先端がいっそメラメラと激しく踊り出す

熱を発して顔が熱いぐらいで

そうであっても嫌な気はしない

むしろ不思議と心落ち着く

落ち葉の山はゆっくり小さくなっていく

たなびく煙も徐々に小さくなっていく

後に残ったのは落ち葉の成れの果て

真っ黒に焼け焦げた丸い輪っか

見上げた空には

解き放たれた落ち葉の幽霊

筆で書いた様な掠れた雲の形

日が傾き出していた

服に染みついた焦げ臭い匂い

秋の終わりを象徴したような炎の思い出は

鼻の奥にしっかりと染みつき

しばらくは忘れられそうもない

いいなと思ったら応援しよう!